他院での歯列矯正治療の30年後

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こんにちは
仙台市若林区堀歯科医院の堀克昌です。
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他院で数十年前に上顎だけを歯列矯正治療を受けたという方が来院されました。

お話をお聞きしていくうちに、左右の上顎第一小臼歯を抜歯して、スペースクロージングする形で歯列矯正を行ったことが分かってきました。

この方が歯列矯正を行った時期を考えると、まだミニスクリューがデリバリーされていませんから、おそらく大臼歯部を固定源にして、前歯部を牽引する治療方針を取ったのでしょう。

現在の咬み合わせを考えると、私が担当医なら、下顎も同時に歯列矯正を行い、積極的に咬合平面を変える治療方針を採用しただろうと思います。

この方の場合、上顎だけ小臼歯を2本抜歯したにも関わらず、再度上顎前突になっていたのです。

（上顎前突は上顎前突でも、下顎の劣成長を伴う上顎前突症であることが多いので、単に上顎を抜歯して引っこめるというような治療方針では良好な予後は望めないと考えております。）

これは上顎前歯の傾斜を改善するというのはもちろんのこと、後方位で適応してしまった下顎の成長方向を前下方向に促すことも同時に行い、さらに顎位を前方適応させる必要があったのではないかと思います。

今回の症例については、顎関節もだいぶ変形した状態となっており、下顎の後方位の所見とも合致していました。

偶然にも他の歯科医師が治療を行った症例を拝見する機会に恵まれましたが、私も長期に安定するような歯列矯正治療を行えるように、研鑽を積んでいきたいと思いました。

20年後あるいはそれ以上経過しないと、自分の行った治療の是非はわかりませんので、セミナー等で他の歯科医師の治療経過を見せていただき、間接的にも経験値を高め、患者さまに還元していきたいと考えております。




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