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佐藤駿介

ビギナーにも優しい、顧客の特性に応じたギター調整・修理のプロ

佐藤駿介(さとうしゅんすけ) / ギターの調整・修理

一番町ギター

コラム

【楽しく練習!】アコースティックギター 初心者 おすすめ の調整メニュー

2024年7月4日

テーマ:ブログ コラム

コラムカテゴリ:趣味

今日はいつもの買取等の情報ではなく、普段店舗にて自分がお客様に行っている、メンテナンス、調整、セットアップ、リペアと一般的に呼ばれる様な作業のご紹介を致します。

タイトルの通り、特に初心者の方やアコースティックギターが弾き難くて苦手だ、という方にオススメの記事です。


まず始めに。ギターやベースは高ければ良い訳ではありません!

これは、お店でもよくお客様にお伝えする事です。
1万円でも100万円でも、同じギター(ベース)ですので、同じように演奏する方に合わせて使い易く調整してあげる事がとても大事です。


よく、自転車に例えて説明する事が多いですね^^

1万円でも100万円でも、まず自転車を買ったら、

・体格に合わせてサドルの高さを調整したり
・ブレーキの効きを調整したり
・ハンドルの位置だったり角度だったり

その他自転車に詳しい訳ではありませんが、調整する所がたくさんあるのは分かるでしょう。
そして、運転しづらいままで自転車に乗る方はほとんどいませんよね?

はい。そうです。

ギター(ベース)でも同じ事です。
高いから弾きやすくて音も良くて
安いから弾きにくいしすぐ壊れるし音も悪い

という訳ではありません。

どんなギターでも、その方の用途に合わせて快適に使う事は可能です。

簡単に言うと、自転車に例えて説明してくれる人があまりいないので、多くの方は使いづらいまま我慢して演奏をしています。 そして上手に演奏できないのを、自分の才能と勘違いし、諦める方も多くいらっしゃいます。

そんな事はありません。
貴方のせいではありません。
特に初心者はそれに気が付かないです。

楽器の本来もつ機能をちゃんと引き出せていないだけ。

なのです。

そしてその機能をちゃんと引き出せる様に調整する事が可能なんですよ。
というお話です。

平均的、一般的な状態が分からない!

割と多くのお客様からこの様にご依頼を頂きます。
特に、自分でネットで調べて色々やってみたけど分からなくなってしまった。
と。

もしかしたらご覧頂いている方の中にもいらっしゃるでしょう。
しかもそのせいで、楽器屋さんに持って行きづらくなっていませんか?

少なくとも自分は必ず、自分で色々やってみる事は良い事です。悪いなんて事はこれっぽっちもありません。
とお話をします。

そして分からなくなったらいつでも普通の状態に戻せます。
その時に困ったら、楽器屋を利用して下さい。
と、ご案内させて頂いております。

決して楽器は無闇に触っちゃいけない、ちょっといじったらすぐ壊れる。
とかいうものではありません。
楽器もお店も、もっと気軽に利用して下さい^^

プロの目から見て、自分がやった事がどうだったのか?
答え合わせが出来て良かったと、言ってくださるお客様も多いです。

では作業的なお話は次から。

ギター、ベースの弦高

一円玉の厚みは約1.5mm です。

ヘッド(糸巻きがついている方)から12番目のフレットと弦の隙間に2枚入るなら、すぐ調整をオススメします。
というか平均的な状態からいうと、調整しないとちょっとキツいと思います。

ギター、特にエレキギターは2mm以下が平均的な弦高です。

この弾きやすさに多大な影響を与える弦高は、

・ネックの反り
・ブリッジの高さ
・ナットの高さ
・フレットの残量
などなど

様々な要因によって決定されます。
原因が1つだけでなく、互いに干渉しあっているので、調整はちょっと難しいし、僕らリペアマンに依頼して頂けると安心。なのです。

作業の一部を画像にて公開




YAMAHAのギターです。



弦高は2.5mm ~ 2.6mm です。
これは新品を仕入れたお品物ですが、メーカーさんから送られてくると大体このくらいの弦高です。
弾きづらいんです。多くの方は。もちろん僕もそうです。弾きづらいです。
でもこれは多くの職人さんたちが、極限までコストを計算した結晶なので文句は一切ありません。
ここから先は我々リペアマンのお仕事です。

ブリッジサドル(白いパーツ)もいくらか削って弦高を下げましょう。

フレットも乾燥して木が痩せると飛び出してきます。
痛いので少し削って滑らかにしたいですね。

作業後




弦高は太い弦(6弦側)でも約2mm に。



ブリッジサドルも削っています。
実際には削るだけではダメで、ナットの高さやネックの反りも調整した上で削る量などを調節します。


フレットも角を取っています。バリ取りみたいな感じですね。

まとめ。と、音の良し悪しに関して

いかがでしたか?
こういう作業を行うと楽器が演奏しやすくなります。
初めてご来店されたお客様の多くは(大体80%以上)、

・もっと早く持ってくればよかった
・違う楽器みたいだ
・買い替えなきゃダメだと思ってた
・他のギターもお願いしたい

という感じの感想を頂きます。
僕にとっては一番嬉しい瞬間です^^

弦高は高い方が良い
低いと音が悪い
弦は太い方が音が良い

などなどネットではいろんな意見がありますが、全て人それぞれだと思ってください。
これらは人それぞれの感想です。
間違いではありませんし、人それぞれの正解です。

今回のリペアマンが行う調整というのは、楽器が音の良し悪しを決定している話ではなく、使う「人」に合わせて調整を行っています。
楽器が良い音を出す条件だけ揃えて、本人が使いづらいのでは本末転倒。
ペーパードライバーにレーシングカーでコンビニに行ってもらう様な話です。

どんな環境でどう使いたいのか?は人それぞれですので、当店の様な小さな個人店は楽器よりも人にフォーカスして調整を行います。

自分が楽器をどうして欲しいか?、を上手く伝えられなくても全く問題ありません。
楽器を観てそれが分かるのがリペアマンの腕の見せ所です。

でも。やはり女性や初心者が個人工房に行くのはハードルが高いでしょう。

だからこのコラムで少しでもそんな事ないよと伝わって下さいますと幸いです。

あ、あと、これからの楽器の使い方(保管の仕方)についてもお話する事もあります。
今まで通りでいいですよ。とか、こう感じたらまた教えて下さいね。とか、個々の楽器とお客様の環境に合わせてお伝えする様にしています。

あと気になる料金ですが、今回のケースだと¥5,000〜¥7,000くらいです。
半年〜1年は効果が持続しますし、次回は削ったりする作業がないので¥3,500〜¥4,000くらいで効果が復活します。

一回この作業を施すとその先が随分と楽になります。

今回の作業ですと基本的には即日(混み合っていれば翌日)ご返却可能です。

料金表




どうぞお問い合わせだけでも大丈夫ですし、お気兼ねなくご質問やご来店なさって下さいませ。

この記事を書いたプロ

佐藤駿介

ビギナーにも優しい、顧客の特性に応じたギター調整・修理のプロ

佐藤駿介(一番町ギター)

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