普通に生活していても、あまり見る機会がない屋根の上。
自宅の屋根の状態を把握できている方のほうが少ないかと思います。
しかし、どんな屋根にもメンテナンスが必要であり、適切な時期に工事を行わないと、傷みが酷くなり、屋根材の破損や雨漏りに繋がってしまうリスクがあります。
お家を建ててからどれくらいでメンテナンスが必要になるのか、屋根材の種類別でメンテナンスのタイミングも変わってきますので、まずは自宅の屋根がどんなものか確認してみましょう。
瓦屋根
瓦は屋根材の中で一番厚みや重みがあり、昔から使用されている伝統的な屋根材です。
現在は粘土瓦、セメント瓦、モニエル瓦などに瓦屋根を分類することができ、それぞれ異なったメンテナンス方法になるため、注意が必要です。しかし、屋根の専門家でなければ、瓦屋根の種類を見分けるのは難しいため、あなたのお家の屋根材がひとまず「瓦屋根」という事を知っておくことが大切です。
また、瓦は頑丈で、中でも粘土瓦は塗装の必要がないため、メンテナンスの必要性を感じないかもしれませんが、接着剤のような役割を果たす漆喰部分は年月をかけて徐々に雨風で崩れてきてしまうので、しっかりメンテナンスをする必要があります。
メンテナンス必要時期 | 築年数約10年 |
メンテナンスの目安 | 漆喰が欠けてきたり、ひび割れている。瓦の表面が凍結により欠けてきている。 |
凍害により表面がかけた瓦 | 経年劣化によりかけた漆喰 |
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全体的に苔が生えているセメント瓦 | 苔が生え始めているモニエル瓦 |
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カラーベスト屋根(コロニアル・スレート)
カラーベスト屋根はセメント製の薄く平たい板の屋根材です。
コロニアルやスレートとも呼ばれ、近年建てられる新築のお家にはカラーベストが使われることが多く、瓦屋根に比べて屋根全体が平らでシンプルな見た目になります。
屋根材の中でもカラーベスト屋根は特にひび割れが起きやすく、屋根の頂点部分には棟板金と呼ばれる金属の板も取り付けられているため、ひび割れの補修や錆への対処、場合によっては屋根材の交換なども必要です。
メンテナンス必要時期 | 築年数約8~10年 |
メンテナンスの目安 | 表面が白っぽくなってきている。薄くコケが生えてきて黄緑色になっている箇所がある。 |
カラーベスト本体の劣化 | 塗装が薄れてきているカラーベスト |
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金属屋根
金属屋根は、経年劣化により錆が発生するものなので、定期的にしっかりメンテナンスを行わなければなりません。
昔から使われていたのはトタン屋根ですが、現在はガルバリウム鋼板と呼ばれる素材の金属屋根が人気で、トタンに比べて錆びにくいという大きなメリットはありますが、絶対に錆びないというわけではないので、気を付けなくてはいけません。
メンテナンス必要時期 | 築年数約10年 |
メンテナンスの目安 | 表面が錆びてきている |
軒先が錆びてきている瓦棒 | 全体的に錆が出てきている折半屋根 |
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アスファルトシングル
アスファルトシングルは他の屋根材に比べて耐久性が低く、台風などの強風で剥がれてしまうことも珍しくありません。
経年劣化により表面の石粒が剥がれてきたり、部分的にアスファルトシングルが剥がれてきたりしてきます。耐用年数は20~30年と言われていますが、約10年を目安にメンテナンスを心掛けましょう。
メンテナンス必要時期 | 築年数約10年 |
メンテナンスの目安 | 石粒が落ちてきている。部分的に剥がれている。 |
部分的に剥がれてしまったアスファルトシングル | 台風で飛散し、庭先に落ちたアスファルトシングル |
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早期対応で費用削減
特に雨漏りなどの異常も起きておらず、下から屋根を見上げたら少し汚れているくらい、というように現状で困っていない場合は、屋根のメンテナンスをいつ行えば良いか悩んでしまうと思います。
現状自宅に何も起きていないからと言って、何もしなくていいわけではありません。
傷みが酷くなってきてから対応するよりも、「これから雨漏りなどの異常が起きてしまうかもしれない」という風に事前に対応したほうが工事費用も抑えられます。お家にかけるコストを抑えるためにも、屋根のプロに点検をお願いするなど検討してみてください。
Mybestpro Members
専門家
小河光司(雨漏り修理)
情熱リノベーション株式会社
雨漏り修理専門。これまで5000件以上の調査・施工実績がある。数時間かけて雨漏りの原因を診断。雨漏りが再発しないよう、原因や家の状態に応じたきめ細やかな施工を行っている。
小河光司プロは三重テレビ放送が厳正なる審査をした登録専門家です