最近やけに雨音がうるさい。これって雨漏りかな?
「ラバーロック工法」という言葉を耳にしたことがありますでしょうか?瓦屋根の補修を考えてる方や、過去に補修を行ったことがある方は聞いたり目にしたりした言葉かもしれません。業者の方はよく「雨漏り対策に、耐震対策に」と言いますが、実際はそうではありません。
この記事ではラバーロック工法についてご説明致します。瓦屋根のことで補修を考えている方は一度この記事を読んで参考にしてみてください。
ラバーロック工法とは
下の写真で瓦と瓦の繋ぎ目に漆喰ではない白っぽいものがあるのがお分かりでしょうか?この白っぽいものの正体はコーキングです。
新築時に瓦と瓦の重なりにコーキングを打つようなことはありません。つまり何らかのタイミングで施されたものなのです。
一般的には瓦と瓦の重なりにコーキングを打つ工事のことを「ラバーロック工法」と呼んでいます。
新築時に行わないコーキング施工は果たして正しいことなのでしょうか。
ラバーロック工法の賛否はWeb上で分かれていますが、雨漏り修理専門店の意見として参考にしてください。
ラバーロック工法のメリット?
瓦と瓦の隙間をコーキングで埋めるとどんな効果が得られるのでしょうか。
ラバーロック工法を施工する業者の方からは
- 瓦の隙間を塞いで雨漏りを塞ぎます。
- 台風などの強風で瓦が飛散しないように瓦同士を接着させます。
- 地震の際に瓦が落ちてくると危ないので、瓦が落ちないように接着させます。
と聞くことが多いと思います。
これらは言い方によりメリットに聞こえるだけで、実はほぼデメリットなのです。
ラバーロック工法に限らず、デメリットを隠してメリットだけを話す業者はあまり信用してはいけません。
ラバーロック工法のデメリット
ラバーロック工法のデメリットは
- 雨漏りを助長させてしまう
- 屋根の通気、換気ができなくなる
- 地震が起きたときに家が倒壊する恐れがある
の3つです。一見すると前述のメリットと全く違うことを言っていて何が本当なのかと思う方もいらっしゃると思います。
以下よりそれぞれご説明致します。
雨漏りを助長する
瓦同士の隙間は雨水の入り口であると同時に出口でもあります。
ラバーロック工法により中途半端に隙間を塞いでしまうと今度は瓦の下に入った雨水が外に排出できなくなってしまいます。
瓦の形状は立体的であり、完全に瓦同士の隙間を塞ぐことはできません。
排出できないということは屋根内部に雨水が留まり続けるということです。
溜まった雨水は防水シートや下地材を傷め、いずれ雨漏りに繋がる恐れがあります。
通気・換気ができなくなる
瓦の隙間は雨水だけでなく、湿気を逃がしてくれる換気口でもあります。
湿気だけでも屋根に使われている木材、桟木や野地板などの腐食に繋がってしまいます。
地震の際に家の倒壊リスクを高める
信じがたい話かもしれませんが、地震が起きたとき、瓦は落ちるのが正解なのです。
我々の住む東海地方では「土葺き工法」と言って屋根土という土を接着剤代わりにして瓦を葺いています。
つまり屋根は瓦+土となり、1平米あたり約70kgもの重量があります。
重量のあるものが建物の上部という高い位置に留まり続けると、家全体の揺れ幅も大きくなり、最悪の場合倒壊してしまいます。
家が倒壊しないように、瓦は本来落ちるようになっています。
瓦同士をコーキングにより繋ぎ止めてしまうと、瓦が落ちなかったり、1枚1枚ではなく大きな塊の状態で落ちてくることもありますので、むしろ危険性が増すと言えるでしょう。
ラバーロック工法まとめ
瓦屋根で雨漏りが起きた場合、瓦の破損などを除いてほとんどの場合、原因は屋根の内部にあります。
なので、屋根の表面にコーキングを打つラバーロック工法では雨漏りは止まりません。
もし業者の方からラバーロック工法を勧められたら、その業者は屋根の修理は得意ではないと思ってください。
他の屋根がきちんと修理できる業者を探すことをオススメします。
もちろん情熱リノベーションがラバーロック工法を勧めることは絶対にありませんのでご安心ください!