木材壁
ALCは珪石、セメント、生石灰、アルミ粉末を原料とした「軽量気泡コンクリート建材」のことです。
Autoclaved Lightweight aerated Concreteの頭文字を略してALCと呼びます。
耐火性を備えたパネル素材としてはもっとも普及しており、JIS規格に適合した製品のため、品質と寸法が高い精度で保証されているという特徴があります。
ALCの種類
ALCは厚みによって2種類に分けることが出来ます。
名称 | 厚さ | 用途 |
---|---|---|
薄型パネル | 35mm~75mm未満 | 木造や鉄骨造 |
厚型パネル | 75mm以上 | 鉄骨造、鉄筋コンクリート造などの耐火建築物 |
さらにそれぞれ、平面に使う一般パネルと角部分に使うL型のコーナーパネルがあり、表面加工はあまりデザインのない平パネルとデザイン性を重視した表面に模様のある意匠パネルに分けられます。
ALCのメリット
耐久性が高い
ALCは耐久性が高く、超軽量のため地震にも強いというメリットがあります。
ALCを適切な条件で使用し、定期的なメンテナンスをしていくと、ALC自体の耐用年数は50年を超えると言われています。
建て替えを行うよりも、メンテナンスを定期的にしながら長くこの家に住みたいという方にオススメできる外壁材です。
高い耐熱性・耐火性
ALCは内部の気泡によって空気の層が作られるため、年伝導率が低く断熱性が高い素材です。通常のコンクリートの約10倍も断熱性があると言われていることから、断熱材と併用すると夏場は涼しく、冬場は暖かく快適な環境を維持しやすくなります。
燃えにくい耐火構造のため、耐火性・防火性にも優れています。無機質な原料で作られていることから、万が一火災が起きた場合でも有害物質は発生しません。
遮音性が高い
ALC内部には無数の気泡があり、これによって高い遮音性が得られます。
内部の気泡が音を吸収してくれるため、騒音のある環境でも住宅内に音が伝わりにくく、プライバシーの保護にもなります。
ALCのデメリット
つなぎ目が多い
ALCはモルタルなどの塗り壁とは異なり、建物に取り付けていくタイプの外壁材のため、パネル同士のつなぎ目が多いのが特徴です。サイディングも同じような取り付けていくタイプですが、ALCの方がサイズが小さく設計されているので、その分つなぎ目が多く、雨漏りのリスクが高いというデメリットがあります。
ALCの劣化を防ぐには、コーキングが劣化していないか定期的な点検と、コーキングをしっかり充填することが大切です。
防水性が低い
ALCは吸水性の高い素材のため、耐候性が低いという特徴があります。パネル内部の気泡部分に水が侵入してしまうと、膨張やひび割れなどの原因となって修復が難しくなる場合もあるので注意が必要です。
ALCは耐久性の高い素材ですが、パネル自体やコーキングの劣化を防ぐためには塗装工事をして防水性を高める必要があります。
ALCまとめ
ALCはしっかりメンテナンスを行っていれば、耐用年数は60年以上にもなります。
しかし、塗装工事を10~15年ごとに行わないと耐久性はどんどん低下していきます。
軽量で耐久性の高いALCですが、接合部が目立つためデザイン性が低いというデメリットもあります。
外壁がALCの場合は定期的なメンテナンスをしっかり行うよう心がけましょう。