施主の皆様、建設業者の皆様、建築士の先生方、こんにちは。
上田・小川法律事務所の弁護士、上田敦です。
建築に携わる皆様、そしてこれから家を建てようとお考えの皆様にとって、「安心・安全な家づくり」は共通の願いではないでしょうか。しかし、残念ながら、時には建築に関するトラブル、いわゆる「建築紛争」が発生してしまうことがあります。私はこれまで20年以上にわたり、建築紛争の解決に尽力してまいりました。今回は第1回目のコラムですので、その原点について、お話したいと思います。
阪神・淡路大震災が私の原点
1995年、阪神・淡路大震災が発生しました。テレビで見た、思い出のある神戸の街が壊滅状態になっている光景は、私にとって大きな衝撃でした。当時、司法試験を控えていたため、すぐにボランティアとして現地に赴くことはできませんでしたが、この出来事は私の心に深く刻み込まれ、ずっと引っかかっていました。
その後、司法試験に合格し、弁護士として活動する中で、欠陥住宅の被害救済という仕事に出会いました。その時、頭をよぎったのは、震災で無残な姿になった神戸の街の光景でした。脆弱な家が多くの被害を生んだ事実を知り、ボランティアとして何もできなかった自分にとって、この仕事は「脆弱な家をなくし、安心・安全な家づくりに貢献する」という、震災で得た思いの償いのような機会だと感じました。
「もし、私たちの建てた家が脆弱だったら、再びあのような悲劇が起きてしまうかもしれない」──この強い思いが、私を建築紛争の解決へと駆り立てる原動力となりました。以来、私は専門知識を深め、常に10件前後の建築案件を抱える建築に詳しい弁護士として活動しています。
クレーム対応の難しさ:なぜ法律家が必要なのか
住宅は人生で最も大きな買い物の一つです。それだけに、一度トラブルが発生すると、お客様の不満は非常に大きくなり、時にエスカレートしてしまうことがあります。
建設業者の方々や建築士の先生方は、「お客様のために」という強い思いで、日々ものづくりに励んでいらっしゃることと思います。しかし、その真摯な姿勢が、不当なクレームに対しても真剣に向き合ってしまう結果、精神的なダメージを受け、本来の創造的な仕事に集中できなくなってしまうケースを多く見てきました。中には、法的には何の落ち度もないにもかかわらず、建築費用の大半を返金せざるを得なかった事例さえ存在します。
このような状況は、非常に残念でなりません。皆様が安心して安全な家づくりに専念できるよう、私は法的な側面からサポートしたいと強く思っています。
予防と解決:法律家ができること
では、建築紛争を未然に防ぎ、あるいは発生してしまった場合に適切に解決するために、法律家は何ができるのでしょうか。
◆契約段階でのリスク回避
契約書の内容は、トラブル発生時の大きなよりどころとなります。曖昧な表現や不利な条項がないか、専門家が事前にチェックすることで、将来のリスクを大幅に減らすことができます。
◆トラブル発生時の冷静な対応
クレームが発生した際、感情的にならず、法的な観点から状況を整理し、適切な対応をアドバイスします。不当な要求には毅然と対応し、正当な要求には誠実に応じるためのサポートをいたします。
◆専門的な交渉・調停・訴訟対応
建築に関する専門知識と法律知識を兼ね備えているからこそ、複雑な技術的側面と法的側面を総合的に判断し、交渉や調停、さらには訴訟において、皆様の代理人として最善の結果を目指します。
まとめ:専門家を「アウトソーシング」する安心を
「法的なことはアウトソーシングしましょう」。これは、私が常々お伝えしたいことです。皆様が本来の仕事である「安心・安全な家づくり」に集中できるよう、法律問題は私たち専門家にお任せください。
阪神・淡路大震災の経験から、私は「脆弱な家を建てれば、再びあのような惨劇が起きる」という危機感を強く抱き、建築紛争の解決に情熱を傾けてきました。これからも、皆様の安心な家づくりを法的な側面から支え、社会に貢献していきたいと考えています。
阪神・淡路大震災が教えてくれたこと ~安心な家づくりのために、法律家ができること~
テーマ:一般
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