こんな場合でも破産・免責が認められます!
1.はじめに
一気に涼しくなりましたね。
季節の変わり目ですが、
体調を崩さないように生活していきたいですね。
さて、今日は「任意整理の現状のご説明とメリット・デメリット」と題して、
借金が多い人への任意整理のご説明とメリット・デメリットについて
書いていきたいと思います。
2.任意整理のご説明
そもそも「任意整理」って何でしょうか?
「任意整理」とは
借金が返せなくなった人が
金融業者と交渉し、
将来の利息をカットしてもらい、元金と遅延損害金を
36(3年)~60回(5年)の範囲内で
分割して返していくように
交渉することをいいます。
交渉に成功すれば、その業者との間では、
3年~5年支払えば、借金が完済したことになります。
「借りたものは返したい」
「車のローンや友人への借金は返したい」
という人にとって、よく使われる方法です。
そして、昔は、任意整理には以下のようなメリットがありました。
(1)利息を多く払いすぎた業者は、利息引き直し計算をするため
元本が減少した
(場合によっては、元本すらなくなり、逆に払いすぎた利息を過払金として返してもらえた)
(2)多くの業者が、「破産するよりはまし」と考え、元本のみの和解に応じてくれ、
支払いが出来なくなった時点以降の遅延損害金はカットしてくれた。
しかし、現在の任意整理は、上記の(1)、(2)のメリットは
ほぼなくなりました。
平成24年以降に借り入れを開始した人は、払いすぎた利息はまず存在いたしません。
(過払い金のCMがまだまだ多いですが、
このCMは、はるか昔から借りている人をターゲットにしているものです)
また、今は、多くの業者は、元本に加え、支払いが出来なくなった時点以降の
遅延損害金もカットしてくれなくなりました。
そのため、月々の返済の負担は相当多額なものになってしまっています。
3.任意整理のメリット・デメリット
このような現状ですので、任意整理は
(1)どうしても借りたものは返したいという方
(2)車のローンや友人への借金は返したいからすべての借金を対象にした
自己破産・個人再生は行えない方
(3)財産が多い方
以外の方にとっては、メリットがない方法になってしまっています。
逆に、デメリットを挙げておきます。
(これらのデメリットについて、十分説明を行わないまま
安易に任意整理を勧める法律事務所もある可能性がございます。
十分ご注意願いたく存じます)
デメリット(1)支払原資が必要であること
そもそも支払原資がない任意整理は、数か月で支払いが出来なくなるので
任意整理を行うだけ無駄であり、借金がそのまま残るだけです。
支払原資とは、簡単にいえば、収入から生活費を引いた額をいいます。
生活をしていかなければならないので、
返済よりもまず生活費を確保しなければなりません。
そうすると、収入が少なければ、生活費を出すだけでいっぱいいっぱいであり、
返済原資がない(残らない)ケースも十分あります。
このような場合は「返せない」のですから、返すことを内容とする任意整理を
行うことは極めてリスクが大きい(というより無理)なのです。
デメリット(2)支払いが出来なくなった時に大きな損失を被ること
上記の通り、既に利息引き直し計算による元本の減少や、
遅延損害金のカットなどが期待できませんので、
月々の支払金額が多額になってしまいます。
たとえば、2社に対し、総額100万円の債務があり、
支払いできない期間に20万円遅延損害金が生じました。
手取りの収入は20万円で、何とか生活費を月々18万円に切り詰め、
2万円の支払原資を確保したとします。
そうすると、各社が合意すれば、月々2万円の60回払いで任意整理が可能となります。
「え、2万円だと、今まで支払っている額より安くなりますよね」と思われないでしょうか。
しかし、生活費を切り詰めて18万円になっているのですから、不測の出費があれば
支払いが出来なくなってしまいます。
支払いが出来なくなれば借金が残ってしまうため、
今まで支払った金額や任意整理の弁護士費用は無駄になってしまいます。
それよりも、自己破産を選択し
「2万円を返済したつもりで貯金」していけば
5年後に120万円の貯金が出来ます。
そのうち、たとえば60万円を、
「あの時は、迷惑かけました。半額だけでも贈与します」と
債権者にもっていくことも可能です。
この方が不測の出費等にも対応することが出来るのです。
デメリット(3)新たな借り入れを防ぐことが出来ないこと
任意整理を行った多くの人が、結局、定めた毎月の支払いが苦しくなっていきます。
自己破産や民事再生を行った場合は、信用情報に掲載されますし、
そもそもお金を借りるような状況になることが少ないのですが、
任意整理の場合は、支払いのために、
他の金融機関や公的な機関等、親族や友人から、お金を借りるような状況になってしまうことが多いのです。
その結果、任意整理の支払いに加え、
新たな借入れの返済の負担が増大し、
どうしようもなくなってしまう人が多いです。
このような場合、結局自己破産を選択せざるを得ませんが、
友人知人親族に借りてしまった場合は本当に大変です。
こうなってしまわないためには、
無理な任意整理を行うよりも
はじめから、自己破産や、民事再生を選択した方がよい場合が多いのです。
4.さいごに
最後に、どうしても任意整理を希望する方や、既に任意整理をされている方への
注意事項を申し上げます。
(1)無理のない返済額での任意整理をしてください。
(2)返せなくなったら、すぐに弁護士に相談してください。
(3)返せなくなっても新たな借り入れは絶対にしないでください。
多くの人が借金の負担から生活を立て直せることを
願っております。
オギ法律事務所も、そのための活動を行っております。
お困りの際は、是非、ご相談されることをお勧めいたします
(借金に関する相談は30分無料です)。