2020年 新年のご挨拶と今年の心構え
寒くなったり暖かくなったりの繰り返しの時期ですね。
新型コロナウイルスもまだまだ収束していませんので、
皆様、くれぐれも体調管理にはお気を付けくださいね。
さて、本日のコラムでは
「こんな場合でも破産・免責が認められます!」というテーマで、
よく誤解されやすい破産・免責のポイントについて
述べていきたいと思います。
1.住宅ローン債務のみでも破産・免責が認められます!
「多額の住宅ローンを支払えなくなり、任意売却したものの
残債務が残り、債権回収会社に月額1万円ほど支払い続けている・・・」
というケースを聞きます。
このような場合は、破産して免責を得たほうがよいケースがほとんどです。
1社だけの借入でも、
消費者金融からの借入がなくても
住宅ローン債務のみでも
破産・免責が認められます。
破産・免責を得ることの最大のメリットは、
今後財産を取得したときにそれらを返済に充てる必要がなくなることです。
将来、退職金や生命保険の満期保険金が入ってくる予定の方は、
是非、前向きにご検討いただきたく存じます。
2.FXやギャンブルによって増えた借金の場合でも、
ほとんど、破産・免責が認められます!
FXやギャンブルなどの「浪費」によって生じた債務の場合、
破産法上は「免責不許可事由」に当たり、
特に裁量による場合でなければ免責は認められません。
しかし、現在の実務上、この裁量による免責が
広く認められています。
浪費の事実を隠すことなく、正直に裁判所に報告し、
その上で、しっかりと浪費の原因に向き合い反省し、家計を改善し、
そのことを裁判所に説明していければ、
免責が認められるケースが大半になっています。
ですので、「免責はたぶん認められない」と思い込んで諦めたり
更に借り入れて返済しようとしたりせずに、
すぐ弁護士に相談し、破産申立手続を行うことをお勧めします。
3.車を残したまま破産・免責が認められる場合もあります!
破産しても、現在の実務では、
正直に申立時に財産の存在を申告した場合、
20万円以下の評価額の財産はほぼ確実に手元に残すことが
出来ます。
場合によっては総財産のうち99万円以下の範囲の財産を残すことができる
場合もあります。
ですので、ローンが残っていない車両の場合
破産しても残せる場合がほとんどです。
他方、ローンで購入し、まだローンを支払っている車両の場合、
「ローンを支払わなければ車は引き揚げられる」という特約
(所有権留保、といいます)がついている場合は大半であるため、
車両は引き揚げられてしまいます。
もっとも、この場合でも、親族の協力などでローンを引き継いでもらうか
一括返済してもらい、車を残せる場合もあります。
4.前科があっても破産・免責が認められます!
前科の有無と破産制度は全く別問題です。
また、特に刑務所に入っていた方の場合、
返済の負担をなくし、経済的にも更生していくためにも
破産・免責が認められるべきです。
現在の実務上「これは破産・免責が認められない」というケースは
本当に少ないです。
少しでも借金の返済がしんどいと感じたのであれば、
「破産・免責はきっとできない」と自分で決めつけることなく
借金に関する法律相談を受けることを
強くお勧めいたします。
もちろん、オギ法律事務所も、借金に関する無料法律相談を
実施しています。