借金が返せなくなりそうなとき、どうすればいい?
ご無沙汰しております。
オギ法律事務所の荻原です。
すっかり朝晩は冷え込み、いよいよ、平成最後の年末が近づいているのを
感じます。
コラムの更新も滞っていてすみません。
約3ヶ月ぶりの更新となります。
今回は「住宅ローンの月々支払額の減額は危険!」
というテーマで
コラムを書きたいと思います。
近時、借金問題・特に個人再生の相談で目立ってきているのが、
住宅ローンの金融機関との間で
「住宅ローンの月々の支払額を大幅に減少してもらい、
その代わりに1年ごとに条件変更について協議する」
という合意をしてしまっているケースです。
具体的に説明いたしますと、例えば、
当初の契約時は、毎月8万円(元利均等方式)、35年の約定での支払いで
あったものの、
その後、支払が困難になり、2018年11月1日に、担当者に相談したところ
「それでしたら、
(1)2018年11月30日以降の毎月末の支払は5万円にして
(2)今後、支払方法を、2019年11月以降、
1年間ずつ見直していきましょう」
という条件変更の方法を提案されているケースです。
このケースの場合
条件変更後の返済予定表には、
「(1)2018年11月30日 50,000円
・・・
(12)2019年10月31日 32,456,789円(元金全額)」
という内容になってしまっています。
つまり、2019年10月31日にまでに
住宅ローン会社との協議が合意に達しなかった場合は、
いきなり元金全額(上記のケースで言うと32,456,789円)を
支払わなければならないという合意(条件変更)を
してしまっているのです。
もちろん、上記の金額を支払うことは、できるはずがないため、
延滞になってしまい、
競売に掛けられ、あるいは任意売却により、
自宅を手放さざるを得ないことになってしまうのです。
もっとも、住宅ローン会社の担当者は、このような疑問に対しては、
「いや、そんなことはないです。
1年後に必ず同じ条件で継続したいと思います」
などと楽観的な説明をするでしょう。
しかし、いつ、担当者が変わるかわかりません。
住宅ローン会社の方針が変わるかもわかりません。
ですので、担当者や方針が変われば、いきなり、住宅の処分を迫られても
文句の言えない契約になっているのです。
実は、このような方法は、個人事業主相手の貸金において
かなりあったケースです。
「すでに支払ができない状況なのはわかっているけど
破産されるよりも、少しでも長く事業を継続してもらった方が
利息だけでも回収できる」と金融機関が考え、
毎月の支払は利息のみ(あるいはそれ以下)にし、
元金を将来一括して返すという条件変更をしてしまうのです。
そして、あるとき、元金の一括返済等を迫り、
事業の継続を断念させ、担保を処分させるのです。
個人的には、このような方法は、もちろん合法ではありますが、
とても嫌いな債権回収の方法です。
なぜ嫌いなのかはうまくいえませんが、
期待を持たせるだけ持たせて、最後には、その期待を裏切ることに
なるからだと思います。
ところが、このような方法が
住宅ローンの条件変更にも及んでおります。
そこで、対策を早急に考える必要があります。
【対策(1)住宅ローンの月々支払額の減額を考えている方へ】
どれだけ毎月の支払が苦しく、かつ、住宅ローンの減額が
魅力的であっても、
このような条件変更に応じてはいけません。
住宅を失ってしまう可能性が高くなるからです。
もし、住宅ローンの支払が苦しくなった場合
是非、当事務所にお越し頂きたく存じます。
住宅ローンの他に借金がある場合は、借金の整理の方法を
一緒に考えたいと思います。
また、住宅ローンしか債務がない場合でも、何とか、打開策を考えたいと
思います。
【対策(2)すでに住宅ローンの月々支払額の減額をしてしまった方へ】
早急に当事務所にご相談にお越し頂くことをお勧めいたします。
他に借金がある場合は
(1)住宅ローン付き個人再生の申立を行い、他の借金の支払額を減額し、
(2)併せて、再度、住宅ローン会社に、元の約定に近い形で条件変更を提案し
合意することにより
将来も住宅を残せる可能性が出てくるからです。
なお、
今回コラムに書いたような月々支払額の減額をしてしまっている場合、
その条件のままでの個人再生の申立は不可能です。
1年以内の元本の一括返済という住宅ローンの支払条件が守れないからです。
(住宅ローンの支払条件を守れる見込みがあることも、
再生計画の認可決定の要件の一つなのです)
ですので、早急に対策を行う必要があります。
当事務所は、住宅ローンの支払状況などが極めて悪化していても
できる限り、最善の方法がとれるように
全力を尽くしていきます。
是非、ご相談をご検討願いたく存じます。