借金が返せなくなりそうなとき、どうすればいい?
梅雨の割には雨が少ないと感じる今日このころですが、
季節の変わり目、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は「症状固定って何?」というテーマで
コラムを書きたいと思います。
交通事故の事案でよく言われる「症状固定」
これは、正確には、
医学的に、これ以上治療を続けても改善の見込みがない状態
のことを指します。
判例上、原則として
(1)事故日から「症状固定」に至った日(症状固定日)までの
治療費、通院交通費、休業損害などが
損害として認められ
(2)事故日から症状固定日までの日数を元に
入通院慰謝料が決まることに
なります。
経済的な面だけ考えると、症状固定日は、事故日よりも後であればあるほど
利益になります。
それでは、症状固定かどうかは、どのように決まるのでしょうか。
日本の法律解決制度は、
大きく分けて(1)訴訟(一方的な裁判所の判断)と
(2)交渉(双方の合意) の二つです。
そこで、まず、(1)訴訟の場合
どのように症状固定の有無を判断するか
検討したいと思います。
(1)訴訟の場合
症状固定の有無、および症状固定日については
裁判官が決定し、判決で示します。
(「医師」ではなく「裁判官」です)
裁判は「証拠」により決まりますので、
症状固定に関する医師の診断書や意見書
(たとえば○月○日にはまだ改善の余地があった、など)
が証拠として提出されれば、
その医師の診断・意見内容はかなり尊重されます。
しかし、必ずしも医師の診断や意見どおりに
症状固定の有無や症状固定日が判断されるものではありません。
医学的な文献や、事故の程度など、様々な点を考慮し
裁判官が必ずしも医師の診断・意見のとおりの判断を行うとは
限らないのです。
訴訟の場合、いつ症状固定になったかについては
判決で示されます。
逆に言うと、判決が出るまで、いつが症状固定日かわからず、
その結果、損害額もわからないことになります。
(2)交渉の場合
交渉の場合は、症状固定の有無およびいつ症状固定になったかについては
「双方の合意」で決まります。
ここで重要なことは、「双方の合意」であり
加害者側の保険会社が一方的に決められるものではない、
ということです。
よく、「保険会社から『そろそろ症状固定にしてください』といわれています。
どうすればいいでしょうか」という相談を受けます。
しかし、保険会社は、症状固定を認定する権限はありません。
(ただ、保険会社が症状固定と考えた日以降の治療費の支払を停止することは
できます)
症状固定とは、
「医学的に、これ以上治療を続けても改善の見込みがない状態」
ですので、
保険会社の意見ではなく、医師の意見をもとに
考えるべきです。
この考え方は、実際に訴訟では医師の意見が重視されることとも
合致すると思います。
ですので、医師が「まだ改善の可能性がある」という
意見を持っており、
そのことを伝えてもらった場合は、
保険会社との間で症状固定の合意を行わず、
治療を継続することを、お勧めしております。
そもそも、「改善の見込みがある」のであれば、
治療して治したほうが将来の自分にとって
絶対にいいですものね。
ただ、諸般の事情により
「医師は症状固定とは判断していないけど
治療は打ち切り、示談します」
と考える方もおられます。
交渉時点においては、症状固定かどうか、および症状固定日は
当事者の合意によって決まりますので、
上記のような考え方もありえます。
ただ、私 としては、できれば、
症状固定と医師がしっかりと診断するまで
治療は継続したほうがよいと
考えております。
「保険会社から症状固定にしますといわれて困っている」
「本当に症状固定なのかどうか知りたい」
そのような悩みや疑問がございましたら、
是非、当事務所にご相談にお越しいただくことを
お勧めいたします。