借金が返せなくなりそうなとき、どうすればいい?
ご無沙汰しております。
オギ法律事務所の荻原です。
今年10月から始まった家事調停官(非常勤裁判官)の仕事も
皆様の支えの下、順調に業務を行うことができております。
家事調停官として、多くの「離婚」に伴う調停を拝見させて
いただいております。
また、オギ法律事務所の業務においても、
様々な離婚に伴う問題を扱ってきました。
その中で
『「思いやり」を大事にしてほしい』
と思う場合や、逆に
『「思いやり」よりも自分のことを大事にしてほしい』
と思うことがあります。
今日のコラムでは、夫婦間に問題が生じる場合を例に挙げて
個々の場合に、
『「思いやり」を大事にしてほしい』
と考えたほうがいいのか
『「思いやり」よりも自分のことを大事にしてほしい』
と考えたほうがいいのかについて
私の思うところを書いていきたいと思います。
1.配偶者に暴力を振るわれた場合
このことは、夫婦間において、絶対に行ってはいけないことだと
考えております。
また、暴力をふるう人の性格は、なかなか改善しない面があります。
ですので、このような場合は、
『「思いやり」よりも自分のことを大事にしてほしい』
と感じます。
「いつかは止めてくれるだろう」「子供のために耐えなければ」などと考え、
我慢に我慢を重ねるよりも、
早めに弁護士などの専門家などに相談して、
暴力の防止のための方法を取られることをお勧めいたします。
2.配偶者に借金があることが判明した場合
この場合、私は、
『「思いやり」を大事にしてほしい』
と考えた方がいいと思います。
「え?意外!」
と感じた方も多くおられるとは思います。
ただ、借金には必ず原因があり、
その原因を明らかにして、対策を講じていけば、
借金の問題を解消し、再び借金を行うことがなくなるからです。
配偶者が借金をしたことを知ってしまうと、
悲しく辛く、信頼できない、と感じる方も
おられると思います。
しかし、そんな時こそ、
お互い「思いやり」の気持ちを持って、
借金問題に立ち向かっていってほしいと思います。
借金のために、家庭が壊れていくのは、見ていてつらいです。
何とか、専門家と共に、借金問題を解決し、
家庭崩壊を避けてほしいと考えます。
「借金しているけれども配偶者に言えない・・」
などの問題を抱えた方は、
是非、弁護士などの専門家に相談されることをお勧めいたします。
配偶者との今後の方法も含めて、
一緒に解決方法を考えていくことができます。
3.配偶者が不貞行為(浮気)をしたことが判明した場合
この場合、事例によっても異なりますが、
私としては、
『「思いやり」よりも自分のことを大事にしてほしい』
と思います。
やはり、浮気などは、結婚している者が行ってはいけないことの
最たるものですしね。
信頼関係が完全になくなってしまうことが多いです。
ただ、話し合って離婚せずに行う方法もあるかと思います。
その場合、大事なことは
「浮気した人は、やっぱり、もう一度浮気する可能性が高い」
ということです。
今後、絶対に浮気しないために、
どうすればいいかについて、夫婦間でよく話し合っておくことを
お勧めいたします。
4.配偶者と性格が合わない、と感じた場合
この場合、私としては、
『「思いやり」を大事にしてほしい』
と考えた方がいいと思います。
性格が合わないこともあります。
お互いイライラしたり、衝突したり、
逆に我慢すぎてしんどくなることもあるでしょう。
しかし、夫婦は他人です。
そういうことも、長い夫婦生活で、必ずあると思います。
「やはり一緒にいてて楽しくない」
「いつもガミガミ言われてばかりで辛い」
「感覚が違いすぎる」
そのように感じた場合も、
もう一度、パートナーのよいところを見つめ直し、
「思いやり」を自分から示して
関係の修復を図るのも、一つの方法だと思います。
長年の努力の先に、幸せな人生が訪れる
そんなケースも、たくさんあると思います。
5.まとめにかえて
ちなみに、上記であげたうち
1.配偶者に暴力を振るわれた場合
3.配偶者が不貞行為(浮気)をしたことが判明した場合
の場合、すなわち、私が、
『こんなときは、「思いやり」よりも自分のことを大事にしてほしい』
と思うような場合は、
法律上も、離婚原因
(離婚訴訟において、他方配偶者の同意がなくても、
離婚が認められる原因)
には該当する可能性が高いです。
逆に、上記であげたうち、
2.配偶者に借金があることが判明した場合
4.配偶者と性格が合わない、と感じた場合
の場合、すなわち、私が、
『こんなときは、「思いやり」を大事にしてほしい』
と思うような場合は、
法律上も、離婚原因
(離婚訴訟において、他方配偶者の同意がなくても、
離婚が認められる原因)
に該当しない可能性が高いです。
「思いやり」ではどうしようもないような事態を避けつつ、
夫婦が「思いやり」を持って生活を重ね、
多くの夫婦が幸せな人生を歩んでいってほしいと
感じております。