「塾ジイの日記」32 ―諦めという名の鎖を身をよじってほどいてゆく―
出口利光(でぐち りこう)と申します。40年間進学塾で教鞭をとり、5年ほど前に定年退職しました。今では自宅のアトリエで趣味の油絵を楽しむ傍ら、近所の小中学生に勉強を教えています。最近親御さんや子ども達から学習や受験に関する相談を受けることが増えました。この度、子どもやその親御さんに伝えてきた学習や受験のノウハウが本当に妥当かどうかを自らで立証すべく行政書士試験を受験することにしました。これまで自身が発信してきた他人に向けたアドバイスや指導に則った行動を取ることにより、当事者としての感じ方や課題をこの日記に綴っていこうと思います。
考える作業はいつが良い?
4/3(水)
4月に入って急に春めいてきた、というか初夏の感じさえする。受験勉強を始めて間もなく3ヵ月が経とうとしている。今のところ自分に課したメニューは何とかこなせているが、どこまで身についているかは正直わからない。この成果未確認の時期に、そしていずれ経験するであろうスランプになった際に【粛々と作業をこなせるか否か】が重要じゃ。特に今月末からいわゆる「ゴールデンウイーク」に突入する。非日常という波に吞まれないよう気を引き締めておかなければならない。
☞GWの悲劇 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5112365/
前回学習中の「睡魔」について書いたところ数名の方からアドバイスを頂いた。多かったのは食事に関することじゃった。やはり糖分を摂取すると眠気を誘発するので、なるべく控えた方が良いとのことじゃ。しかし全く摂取しないわけにもいかない。そこで砂糖の代替品として【キシリトール】が良いそうじゃ。これは甘味料の一種だが、摂取しても脳の活動への影響は普通の砂糖に比べるとかなり抑えられるようじゃ。しかも【キシリトールは虫歯の予防にも有効】じゃ。早速購入してみよう。一般の店舗でも販売されているようじゃがアマゾンで検索したら簡単にヒットした。(虫歯予防に関しては、わしは総入れ歯じゃから関係ないが…)
今回はこれまで対策してこなかった記述問題について書いてみたい。行政書士の本試験には記述問題が毎年出題される。科目は「民法」と「行政法」から計3題。配点は一問につき20点×3問=60点。合格基準点が300点満点中180点なのでかなりウエイトが大きい。出題内容は多種多様で相続案件等具体的な事例が提示され、それに対する対応方法や訴訟の判旨等を問うものが多く、択一問題とは違った能力(具体例から原理原則を導き出す力)が試される。この設問形式への対応は9月以降に打つ予定だったが、単元別の記述問題集を見つけたので、今から少しずつ手掛けていくことにした。前倒しの理由は【言語系の科目は対策に着手してからある一定の時間を要する】
☞「塾ジイの日記」18 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5156405/
そして【文章でのアウトプットは知識を有機的に体系づける】のに効果的なのでは?という仮説を持ったからだ。
寝ぼけ眼(まなこ)の有効活用
さて、課題はこの問題集の使い方(いつ、どのように)じゃ。検討の結果、かつて国語が苦手な受験生へ指導していた方略を採用することにした。その方略とは【起きてすぐ問題に取り組む】というやつじゃ。
☞「塾ジイの部屋」10 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5124552/
脳科学的に【暗記は就寝前におこなうのが有効】と言われている。であるならば、前日就寝前に脳に格納した知識を起きてすぐ取り出す作業、すなわち【インプット→睡眠→アウトプット】のサイクルは効率的ではないか?という思いから、【就寝前→起床時】の学習計画を以下の通り修正した。
①起床時:ア)記述問題(1問)演習→解答&解説確認→授業テキストでの確認
イ)前日のインプット内容のアウトプット
②就寝前:ウ)ア)の内容をPCデータ入力→インプット(暗記)
エ)その日の学習内容(特に暗記項目)の見直し(再インプット)
これで少し様子を見てみよう。あ、しまった!晩酌タイムをどうするか考えるのを忘れとった!これが決まれば【一日の起点&終点の学習方略】が完成する。今からビールを飲みながら考えることにしよう…
*人物名等はフィクションです
*参考書籍:「デキる大人の勉強脳の作り方」池谷裕二 監修
*drawn by 蒼りんごさん
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