「塾ジイの日記」32 ―諦めという名の鎖を身をよじってほどいてゆく―
出口利光(でぐち りこう)と申します。40年間進学塾で教鞭をとり、5年ほど前に定年退職しました。今では自宅のアトリエで趣味の油絵を楽しむ傍ら、近所の小中学生に勉強を教えています。最近親御さんや子ども達から学習や受験に関する相談を受けることが増えました。この度、子どもやその親御さんに伝えてきた学習や受験のノウハウが本当に妥当かどうかを自らで立証すべく行政書士試験を受験することにしました。これまで自身が発信してきた他人に向けたアドバイスや指導に則った行動を取ることにより、当事者としての感じ方や課題をこの日記に綴っていこうと思います。
受験勉強も「働き方改革」
1月25日(木)
昨日から今日にかけて寒さが本格的になってきた。昨日の夜は正月に義理の弟から送られてきた日本酒で一杯、いや4杯やった。この【好子】があるから日々頑張れる。有難いことじゃ。
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具体的な学習方略の検討に入る前に確認しておこう。以前は生徒に対して「一日〇時間以上勉強しなさい!」という指導は当たり前じゃった。わしも駆け出しの頃はよく言っていたな…しかしこの指導、根拠あってのものでは無かった。「統計的に一日〇時間以上学習している子どもはそうでない子どもと比べて学力(成績)が上がりやすい」等のバックボーン無しに、ただ(なんとなく)「長く勉強させておけばそれなりに伸びるだろう」という「感覚」で指導していた感は否めない。今考えるとそれは非常に非効率的な指導じゃった。「一日2時間勉強する」指示を出せば、言われた子どもは「2時間『机に向かう』こと」を目標にしてしまう。2時間丸々集中できればまだ良いが、おそらくそのうち90分くらいは他のことを考えていたり、スマホいじってみたりとか…あ、もう2時間か…今日も頑張れたな!みたいな状況は安易に想像できる。指導者としては【問題を解く】【単語を暗記する】のような【具体的な作業】を指示すべきなんじゃな。別の言い方をすると【いかに効率よく学習するか】にフォーカスすべきなんじゃ。勉強に限らず昔の日本は「時間至上主義」じゃった。仕事でも残業している社員が評価される時代があった。しかしよくよく考えると、「残業する」ということは「与えられた時間内に業務を処理できない」ということじゃから「能力が低い」という評価になって然るべきじゃ。近年【働き方改革】という言葉を耳にする。“仕事は「時間」よりも【生産性】が重要だ”という価値観だ。これは至極合理的というかまっとうな考え方じゃ。
受験勉強も全く同じじゃ。〈どれくらいの「時間をかけるか」〉よりも〈どのようにして【時間内に処理し成果を出すか】〉が重要であると言える。
この度の行政書士試験受験への学習もそこを念頭に計画を立てていこうと思う。昨日策定した一日3時間という枠組みは原則試験直前期に突入しても変更しない。【3時間でいかに効率よく学習するか】に拘っていきたい。
【3時間】の枠組みにはもう一つ意味がある。それは行政書士試験の時間尺が3時間であるということだ。【3時間でやり切る】ということを無意識にできるようにするためのトレーニングも兼ねられるということだ。
昔プロレスの実況中継でアナウンサーの古館一郎さんが、【四角いリング】を【闘いのワンダーランド】と表現していたのを思い出した。そう、そうなのじゃ!受験勉強における【場所と時間】は、まさに【闘いのワンダーランド】そのものなんじゃ!(ワカルカナ~?ワカラナイだろうな…)
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