中学受験を考えているが、算数が苦手な方に　第4回

前回から、中学受験を考えているが、特に算数が苦手、という方に、
タイプ別に苦手克服法をお話しております。

今回は、前回お話した3タイプのうちの③そもそも塾の先生の説明を聞いても全く分からない。
家で復習しても分からない。なので宿題が出ても全く解けない。テストでも算数は壊滅状態にある。
についてお話したいと思います。

お子様が「塾の先生の説明を聞いても全く分からない。家で復習しても分からない」
とおっしゃる場合は、すでに算数に対する拒否感をもっておられると思います。
ここでお母様、お父様にお願いしたいことは、
○「お子様の自己肯定感」を高める支援をして欲しい
という事です。
※自己肯定感とは
「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」と思える心の状態であり、自分に自信を持つことの出来る心の状態。

算数に対する拒否感をもっておられる場合は、お子様だけで拒否感を克服する事は困難です。
しばらくの間は、お母様もしくはお父様が算数の勉強を手助けしてあげていただければと思います。
手助けの方向としては
①算数に対する自信回復
②授業を少しずつでも理解できるようになる。
という事です。

①②を達成するために、まずきっちり予習してみましょう。
出来れば塾の無い日や休みの日にやっておくと良いでしょう。
予習のやり方としては、「例題の意味を（出来れば図解して）お子様に理解させる」
「テキストの解き方の意味をお子様に理解させる」「解き方をお子様に覚えさせる」
という事になります。

算数に拒否感を持っているお子様は、なかなか理解しないと思います。
心が算数から離れてしまっているからです。
ですので、すぐに理解しなくても怒らず、叱らず、繰り返し我慢強く教えてあげてください。
そしてお子様が少しでも理解できたような発言をしたら、大げさに褒めてあげてください。
その上で、完璧に理解できている、という感触がなくても、ある程度、心が問題に近寄ってきたようなら、予習用（家庭で保管）のノートと鉛筆を持って、解き方を書かせて覚えさせてください。
塾で解くはずの類題・練習問題についても出来れば同じ事をしてあげてください。
つまりは授業が復習になるようにするのです。

塾から帰ってきたら、もう一度、解き方をさっと復習してください。
復習できたら、お子様に宿題をさせましょう。
宿題は全て出来る必要はありません。全て完璧にしなければならないと思うと、
延々と時間がかかり、余計にお子様の拒否感が強くなります。
お子様が分からない問題は「ここまで考えた。ここからが分からない」という事を
しっかり宿題ノートに書かせましょう。
次回の算数の授業で宿題チェックの時、先生に「ここまで考えました。ここからが分かりません」
という事をはっきり言えるようにしましょう。
（それに対して算数担当が「何でこんなものも分からないのだ！」と怒るようなら、
算数担当に問題がある可能性があります。塾の担任もしくは塾の責任者に事情を話し、
改善されないようなら、塾をかわることも検討して良いと思います。）

上記のことをまず1～2ヶ月、続けてみてください。
いきなり目立った成果は現れないと思いますが、お子様の算数に対する拒否感が薄れていくでしょう。
そうなればしめたものです。
もう少し続けると、「算数は嫌じゃない」になり、「解ける問題もあるよ」という気持ちになるでしょう。

算数という科目は不思議で、「自分は無理だ」と思って問題に向かうと解ける問題も解けません。
「自分は解ける」と思って問題に向かうと案外、解けるものです。
算数で何とか合格点を取るには、自信を持っていただく事が肝心です。
お母様、お父様の手助けで、お子様が自信を回復していただければとおもいます。

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