「塾ジイの日記」32 ―諦めという名の鎖を身をよじってほどいてゆく―
京都私立高校の合格発表はほぼ出揃い、
公立高校の特色選抜、推薦入試・適性推薦の発表も出ました。
「公立高校入試は3月になってからでは?」
と思われる方もおられると思いますが、
公立高校の入試改革が進み、様々な形での入試が可能になってきています。
本日は、その中でも、適性推薦に関して、
その検査方法(厳密には選抜試験と呼ばない)について
簡単に書きたいと思います。
京都の公立高校普通科は、3月の初旬にその選抜試験があり、
通学圏は、京都市北通学圏、京都市南通学圏、山城通学圏、
口丹通学圏、中丹通学圏、丹後通学圏の6通学圏に分かれています。
また、京都の公立高校普通科は
第Ⅰ類、第Ⅱ類、第Ⅲ類という3つのコースに分かれています。
第Ⅱ類は、学力伸長コースと呼ばれて、進学に力を入れてきましたが、
1996年、嵯峨野高校が「京都こすもす科」という、普通科型の専門学科を設立し、
京都全域から生徒を集め、学力向上と大学受験合格を目指す方向で指導を始めました。
その後、普通科型の専門学科として、
堀川高校の「探求学科」や西京高校の「エンタープライジング科」などが設立され、
難関大学への合格者を多数、輩出するようになりました。
たとえば2010年の京都大学への合格者数で比較してみると、
堀川高校から45名、嵯峨野高校から12名、西京高校から28名などの合格実績が出ています。
これらの専門学科に進学するためには、
3月の公立高校入試とは別に適性検査に合格する事が必要です。
適性検査は例年、2月中旬に実施されます。
3月に行う一般選抜は全校共通問題ですが、適性検査は各高校が独自の問題を出題します。
適性検査での入学者の募集枠としましては、
推薦入学が募集枠の50%から70%を占めます。
中学校の推薦をもらって受験した場合は、
適性検査と推薦入試に合格すれば、合格内定が出ます。
推薦なしで受ける場合は、適性検査に合格して、
3月の一般入試を受けて、合格が出ます。
いずれにせよ、適性検査の結果が合否に直結します。
特に人気の高い高校の適性検査を目指す場合、
非常にハイレベルの学力が要求されると考えてください。
また、問題量も多く、難問も出題されます。
一般的に、公立高校入試の場合、
学校で習った履修範囲からの出題で占められているため、
学校の勉強さえしっかりとやっておれば合格できるという印象が強いですが、
専門学科の適性検査は、それほど甘くないのが現状です。
受験倍率も2~4倍台と非常に高く、競争も激しい様子です。
このような専門学科を目指される方は、
学校の説明会等で、情報を入手されると共に、
可能であれば、専門学科の対策を行う講座を開いている
学習塾などにお通いになって、早いうちから準備をされることをお薦め致します。
特に、堀川、嵯峨野、西京は、今後も人気は高まると想定されます。
京進でも、その対策は勿論のこと、様々な相談にのらせて頂きますので、
入室の可否に関わらず、お気軽に最寄の校、教室にご相談頂ければと思います。