「塾ジイの日記」32 ―諦めという名の鎖を身をよじってほどいてゆく―
夏休みも後半になりました。
お子様は、いかがお過ごしでしょうか。
この時期になると、多くの子供たちにとっての悩みの種が、やり残した宿題の山です。
ついつい後回しになってしまった宿題ですが、これはしっかりとやって頂きたいと思います。
宿題をしっかりとする事で、1学期に習った事の復習にもなり2学期以降の学習の基礎固めになります。
そのうえ宿題の提出状況は、通知表での評価に関わってきます。
特に高校受験についてですが、
京都では、調査書と当日の得点を加味して合否を決める高校が多数あります。
その調査書は、中1から中3までの成績を元に作成されます。
宿題をしないまま夏休みを終わる事は、子供にとって復習が出来ない上に、評価も下げられるという二重の不利益になってしまいます。
あるお父様から、こんな話をお伺いしました。
中学生になった娘が、以前のように話をしてくれなくなりましてね、なんだか寂しい思いをしていました。
「パパがいい それが今では パパはいい」
というサラリーマン川柳を口ずさんで「皆、同じなのかな~」などと思ったりしていました。
休みの日、たまたま娘がリビングで夏休みの宿題をしていました。
手が止まって、頭を抱えている様子だったので、「分からないところがあったら教えてあげるよ」と声をかけてみると、娘が「これ」と言って、問題をもってきたのです。
問題を教えているうちに、娘が学校の事やクラブの事、友人の事など、ポツポツと話し始めました。
娘は娘なりに、楽しい事や、悩んでいる事があるのですね。
話のネタが出来たのは大きかったです。
それ以来、小学校の頃のようには行きませんが、
楽しい事があった時や、自慢したい事があった時は、娘の方から話かけてくるようになりました。
時には、分からない問題も聞きに来るようになりました。
お父様に、勉強を教える時の注意点をお伺いすると、
忍耐強く教える事。
1回説明して、子供がわからなくても、怒らない事。
「何でこんな問題が分からないのか!」という言葉は禁句。という事でした。
去る7月11日に参加した「教育講演会」で、洛北高等学校・附属中学校の宮原校長先生が
「中1・中2の時期は基礎期である。洛北では、この時期は必ず、全員一緒に学力を伸ばすような指導を心がけている」
とおっしゃっておられました。
洛北でも、中1・中2の時期を、とても大切にしておられるのだと感じました。
ただ、その年齢では、まだ、自主的に計画をたて、自発的に勉強に取り組む事の出来る子供の割合は多くはありません。
お子様が行き詰っている時は、お母様、お父様からの導きや、手助けが必要だと思います。
残りわずかな夏休みに、勉強や宿題を取っ掛かりにして、親子のコミュニケーションを密にしていただければ、と思います。