ワンストップで要望に応えるレーザー界のプロ住村和彦

ワンストップで要望に応えるレーザー界のプロ

住村和彦

レーザー技術を広く知ってもらうため、情報サイトやアニメなどで啓発

　「レーザーにまつわるご要望やお悩みにワンストップでお応えします」と話すのは、「光響」の代表取締役CEOで工学博士の住村和彦さん。レーザー・光学関連の専門企業として、製品開発、販売・レンタル、情報発信、人材紹介と幅広く事業を展開しています。

　レーザー技術は1960年に生み出され、世の中のさまざまな分野で活用されていますが、「まだまだ一般の人に知られていないことが多い」と言います。

　「CDやDVDのデータの読み取り、インターネットの光通信、医療手術などに用いられていて、現代社会になくてはならない存在です。最近では、車の自動運転のセンサーにも応用されています。近年はノーベル賞に登場する機会も増え、2023年は、一瞬を捉える『アト秒レーザー』と呼ばれる技術を開発した欧米の研究者3人が、物理学賞を受賞しました」

　住村さんのもとではレーザーの啓発活動に取り組み、高度な専門知識を伝えるセミナーを開催。ニュースサイトなども運営し、月間10万件以上のアクセスがあり、光学関係者の中では知名度が高まっているそうです。
　「SFアニメの著者とコラボレーションして、レーザーが登場するアニメや漫画、小説を制作し、子どもから大人まで楽しく学べるコンテンツも豊富にそろえています」

　創業時は研究論文の公開から始め、顧客からのニーズで、レーザー製品の取り次ぎや輸入販売、自社製品の開発へと事業を拡大。「当方は『レーザー界のプラットフォーマー』を目指しており、学術機関や企業のヒト、モノ、情報をつなぐお手伝いをします」と力を込めます。

レーザー加工機器を開発し、定額制で使い放題のサブスクリプションサービスも導入

　住村さんのもとではレーザークリーナー、マーカー、切断機、溶接機などの加工製品を中心に開発し、販売やレンタルを行っています。顧客は、個人事業主から大手企業、自治体、教育機関など、規模も業種も多岐にわたります。

　「例えばレーザークリーナーは、金属についたさびや汚れを落とすことができます。橋げたなどのインフラ、飛行機や船のメンテナンス、原子力発電所で使われることもあります」

　バイクショップなどでも需要があり、ミラーやガラス、レンズについた塗料をはがす際に役立っています。
　「以前、食品メーカーさんが数台購入され、『フライ製造用の金型を洗浄するのに、人手をかけずにきれいにすることができて、大変助かっています』というお声をいただきました」

　海外製品もある中、国産の自社製品はカスタマイズや修理、トラブルに迅速に対応できるのも強みです。

　さらに、定額制のサブスクリプションプランも用意。レーザー装置は高価なものが多いため、費用面の負担を軽くして利用してもらいやすくしました。
　「1000万円や2000万円するような製品を、月額20万円から使い放題です。途中で別の機器に交換することもでき、メンテナンス費用も含まれています。当初は小規模事業者をターゲットとして想定していましたが、固定資産にならない価格のため大手企業からも引き合いがあり好評です」

　他にも、事業所まで来てもらい、大型の機器を試せるトライアルサービスも提供しています。

求職者と企業のマッチングも手掛け、光・レーザー技術で社会を豊かに

　「光響」には、住村さんを含めて4人の工学博士が在籍。2009年の設立以来、専門的知見を生かした対応で支持を集めています。

　「『違うメーカーの製品でも接続方法を相談できてありがたい』というお言葉もいただきました。海外メーカーも200社以上とお付き合いがあり、自社や国内にない装置は取り寄せています。産学連携も得意としており、大学の先生らと協働して、お客さまの希望する製品の開発を一から手掛けることもあります」

　研究機関と関連企業の双方とネットワークを築いていることから、求職・求人面も支援。レーザー業界で活躍したい人たちの就職や転職をサポートし、人材を求める企業とマッチングしています。

　オリジナルから他社製品まで取り扱い、クライアントの目的や用途に応じて適切に提案してきた住村さんは、レーザーの可能性を熱く語ります。
　「宇宙に存在するものの中で最も速い“光”に幼い頃から魅せられてきました。今後、世の中のあらゆるものが光、レーザーに置き換わっていき、皆さんの知るところではLEDがレーザーに取って代わるとされています」

　いつか実現したいのは、レーザー核融合。海水からクリーンなエネルギーを作り出すものだとか。
　「環境汚染の解決や、石油など燃料資源を巡る争いをなくすことにも貢献できると考えています。『世界に光を響かせたい』との思いで名付けた社名のもと、これからも、光・レーザー技術で社会を豊かにし、明るい未来を照らしていきたいですね」

（取材年月：2023年10月）

レーザーに関する製品、情報、人材をワンストップで提供する業界のプラットフォーマー

レーザー技術を広く知ってもらうため、情報サイトやアニメなどで啓発

レーザー加工機器を開発し、定額制で使い放題のサブスクリプションサービスも導入

求職者と企業のマッチングも手掛け、光・レーザー技術で社会を豊かに

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