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労働災害の予防、労務管理など働く人たちの環境を多方面から整備

建設業界の安全・労務管理のプロ

山岸直之

山岸直之 やまぎしなおゆき
山岸直之 やまぎしなおゆき

#chapter1

行政書士・社会保険労務士・労働安全コンサルタントとして中小企業をサポート

 「中堅ゼネコンで22年間、現場監督を担当した経験を生かし、建設業を中心に現場の安全衛生管理業務をお手伝いします。また、労働・社会保険諸手続きの代行ほか労務管理業務、各種許認可申請などを手掛けています」

 そう話すのは、熊本県玉名市にある「行政書士・社会保険労務士・労働安全コンサルタント 山岸事務所」の山岸直之さん。事務所名に掲げる三つの資格を有し、人材・事業に関わる事務や労働災害の防止に取り組んでいます。

 「メインは社会保険労務士業務です。お客さまは地元の中小企業や小規模事業者さまで、業種は問わず、労働・社会保険の手続き、各種労務管理書類の作成・提出、労働基準監督署や年金事務所の調査対応などを請け負っています」

 主客である建設業関連では、事業場の安全水準の維持向上についてアドバイスする労働安全コンサルタントとして現場に赴き「安全パトロール」を実施。事故につながる不安要素はないかを確認します。
 「前職でトンネルや道路、土地造成といった工事に携わり、安全衛生管理の実務を経験してきた視点で細かくチェックします。例えば、重機と人が接触しないよう明確に区画表示されているか、高所からの墜落を阻止するための足場は正しく組み立てられているかなど、現場の人が安全に作業が出来る対策が施されているかを診断します」

 社会保険労務士と同様、労働安全コンサルタントも管轄は厚生労働省で、従業員の労働環境を保全する役割を担っています。
 「公共工事では、発注者である国や自治体が一定の基準に従って工事を評価するのですが、安全面への配慮も重要なポイント。施工業者が私のような外部の専門家に依頼して指導を受ける例が近年増加しています」

#chapter2

現場における安全対策について助言し、作業計画書など書類作成も支援

 建設業者に限らず、金属加工や木材加工などの製造業者あるいは資材卸売業者などの安全衛生管理についても助言しています。
 「従業員の中でも、危険をはらんでいると感じつつ慣習で続けていることもあるようで、私のような外部の人間が入ることで、社内で改善を検討するきっかけになります」
 
 工事現場においては、作業員の身を守ることへの意識は高くても、書類作成などの煩雑な仕事は、おろそかになっていることもあるそう。
 「クレーンなどの重機を使い、危険を伴う工事では必ず作業計画書が必要です。他にも、安全を保つためにそろえるべき書類はいくつもあります。事業者として講じるべき措置の一つであり、怠った場合は法令違反になりますので、きちんと書類を整えておくことが大切です。もちろん書類だけで現場が成り立つわけではありません。現場が安全に管理され、その現場の正確な記録が書類として整備されている必要があります」

 さらに、建設業界でも働き方改革が進み、時間外労働の上限規制が2024年4月から適用。就業規則の見直しなどに応じています。

 「現場従事者の技能を適切に判断し、レベルに応じた処遇などを実現してモチベーションアップを図る『能力評価制度』も2019年からスタートしています。活用にあたっては『建設キャリアアップシステム』に個々の就業履歴や保有資格などを登録するのですが、この業務を代行できるのは行政書士のみです。運用が中小の下請け業者にまで広まり、弊所でも代行申請のご依頼をいただいています」

山岸直之 やまぎしなおゆき

#chapter3

「現場にも行く社労士」として企業の困りごとに対応し、地域に貢献

 新しい制度が施行されたり、社会情勢に変化が生じたりすると企業は対応に追われますが、山岸さんは身に付けた各分野の専門知識で多方面からサポートしています。

 「建設業界でも賃上げが叫ばれており、生産性の向上と賃金の引き上げを後押しする『業務改善助成金』の申請をお手伝いしました。無事に採択され『従業員のお給料を上げることができた』と大変喜ばれました」

 職人らの高齢化や、少子化による担い手の減少で人手不足が深刻な建設業界ですが、都市部の再開発や災害復旧など需要は途切れません。熊本県においても、近年、大地震や豪雨などが頻発し、各地で復興工事が続いています。
 
 「現場の数が増えるのに比例して、リスク発生の可能性も高まります。業界としても懸念していて、『建設業労働災害防止協会』が事故を未然に防ぐための支援事業を立ち上げ、私も指導員として、県内の各現場で安全パトロールや安全衛生教育を行っています」

 書類の作成・提出といった実務や、現場でのアドバイスを通じて企業活動を支える山岸さん。地域に貢献していくことがやりがいと語ります。

 「熊本は妻の出身地で、もともと私は地縁も人脈もなかった場所。でも2012年に独立開業してほそぼそとやっているうちに、地元に根付いた企業さんからお声が掛かるようになりました。多くのご縁が広がり、皆さんに頼っていただけることがうれしいですね。『現場にも行く社労士』として、これからも企業のお困りごとに応えていきたいです」

(取材年月:2023年12月)

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山岸直之

建設業界の安全・労務管理のプロ

山岸直之プロ

労働安全コンサルタント、社会保険労務士、行政書士

行政書士・社会保険労務士・労働安全コンサルタント 山岸事務所

中堅ゼネコンで22年間土木工事の現場監督経験がある、行政書士・社会保険労務士・労働安全コンサルタント。現場目線のきめ細かい安全パトロールや安全衛生教育、労務管理業務の代行や相談対応等ワンストップで対応

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