リフォームの見積りは、なぜすぐに出ないのか
子ども部屋の役目が終わったとき
「子どもが巣立ったので、この部屋をリビングとつなげられないかな?」
先日、そんな相談を受けました。相談してくれたのは妹です。
家を建てた当時は、子どもが3人。
「小さくても、一人ひとりに部屋をつくってあげたい。」
そんなご主人の思いから、リビングを少しコンパクトにして、子ども部屋を増やした間取りでした。
それから年月が経ち、長女が社会人となって家を離れました。
子ども部屋としての役目を終えた今、その部屋をリビングにつなげる工事をすることになりました。
壁一枚で、空間は大きく変わる
構造上、筋違が入っている部分があり、壁をすべて取り払うことはできませんでした。
開口は一間分だけです。
それでも完成した空間に立つと、印象は大きく変わりました。
視線が奥まで抜け、光が届き、部屋全体に広がりが生まれます。
面積はほとんど変わっていないのに、不思議と気持ちまで軽くなるような開放感がありました。
建築では「視線の抜け」や「奥行き感」を大切にしますが、それは数字では表せない心地よさにつながるからなのだと思います。
色が変わると、気持ちも少し変わる
今回は壁を開くだけでなく、クロスも貼り替えました。
選んだのは、少しシックなグレーと淡いブルー。
完成した部屋を見て、妹は「好きな部屋になった」とうれしそうに話してくれました。
色が変わるだけで、気分は意外なほど変わるものです。
毎日のくらしは、やることがたくさんあります。
掃除や洗濯、食事の支度……。特別な出来事よりも、同じことの繰り返しの方がずっと多いかもしれません。
だからこそ、「この部屋、好きだな」と思える空間があると、少し気持ちが明るくなったり、「今日はちょっと片付けようかな」と思えたりします。
そんな小さな気持ちの変化が、毎日のくらしを少し心地よくしてくれるのだと思います。
くらしに合わせて、住まいも育っていく
子育て中には、その時期に合った住まいがあります。
そして子どもが巣立てば、夫婦二人のくらしに合った住まいがあります。
家を建てたときの間取りが間違っていたわけではありません。
その時のくらしには、その時の正解があったのです。
くらしが変われば、住まいも少しずつ変わっていい。
それが、リフォームの大切な役割だと私は思っています。
今ある住まいの可能性をひらく
家の中を見渡してみると、「最近あまり使っていないな」と感じる場所はありませんか。
子ども部屋かもしれませんし、和室や納戸かもしれません。
その場所は、今のくらしに合わせて役割を変える時期を迎えているのかもしれません。
私は、リフォームとは設備を新しくすることだけではないと思っています。
壁一枚をひらくこと。
好きな色を選ぶこと。
光や風の通り方が少し変わること。
そんな小さな変化の積み重ねが、毎日のくらしを少し豊かにしてくれます。
今ある住まいの良さを見つけ、その可能性を最大限に引き出していく。
そんな住まいづくりのお手伝いができたらと思っています。


