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食品工場の害虫駆除はなぜ重要?具体的な対策の方法について解説!

田代雄介

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テーマ:各種工場



今回は食品工場での害虫獣駆除について、実際の施工例をもとに解説したいと思います。

1. なぜ食品工場で害虫獣駆除が必要か?

 まず「そもそも何故、食品工場で害虫獣駆除が必要か?」という点についてご説明しましょう。
 一言で答えるならば、それは「品質保証」のためです。具体的には大きく分けて「異物混入の防止」と「食品汚染の防止」の2つの目的があります。

①異物混入の防止

食の安全が叫ばれるようになって久しいですが、今でも時折、食品への異物混入のニュースが見られます。一昔前には某カップ麺にゴキブリが混入していて大騒ぎになったこともありました。ごくわずかな異物の混入であっても、情報社会では瞬く間に信用を失ってしまうリスクがあります。

 また、2020年6月からHACCP(ハサップ)が義務化されているため、食品衛生の観点から異物混入防止への取組みをより一層徹底しなければならなくなりました。

②食品汚染の防止

 害虫や害獣の侵入・混入は感染症の原因にもなります。特にゴキブリやハエなどは薬機法(旧薬事法)で「衛生害虫」に指定されています。衛生害虫とは感染症の媒介など人体への悪影響が特に懸念される害虫のことです。例えばゴキブリは、O-157やサルモネラ菌を媒介するとされています。

 また、ネズミ(ハツカネズミ、ドブネズミ、クマネズミ)の対策も無視できません。ネズミは発疹チフスやポリオを始めとした様々な感染症を引き起こすとされています。このため衛生害虫やネズミによる食品汚染の対策を欠かすことはできません。

 大型の工場において、害虫を完全にシャットアウトすることは至難の業です。虫は建物のわずかな隙間から侵入しますし、人やモノが出入りするのであれば、そこに虫が混入するリスクがどうしても生じてしまいます。

しかし、施設内の害虫獣の発生状況をモニタリングしておけば、異変を早期発見して迅速な駆除を行うことができます。

2. 食品工場での害虫獣駆除サービス

 ダスキンターミニックス熊本水前寺店が点検している食品工場での害虫獣駆除定期管理サービスを紹介します。

 この食品工場では以下の害虫獣を対象に点検・防除作業を行っています。

①徘徊性害虫(ゴキブリなど)
②飛翔害虫(ハエやチョウバエなど)
③ ネズミ

2-①徘徊生害虫駆除

●忌避剤の散布︎

工場の外周基礎に忌避剤(業務用の虫除け剤)を散布して、侵入リスクを低減させます。薬剤を散布した基礎周りをゴキブリが徘徊すると、薬剤が体に付着して、速やかに弱体化します。このため仮にゴキブリが屋内へ侵入した場合でも、繁殖リスクを抑えるように防除できます。



●トラップ調査︎

調査用トラップを設置して徘徊性害虫の捕獲数をモニタリングします。捕獲データを精査して、害虫の発生が著しいエリアがあった場合は、ベイト剤(毒エサ)を設置するなど追加施工を実施します。



2-②飛翔害虫駆除

●︎捕虫器

蚊や蛾などの飛翔害虫は捕虫器で捕獲駆除・モニタリングします。下の写真は捕虫器の捕獲状況をビフォーアフターで示したものです。

Afterの写真を見ると、捕虫紙が黒ずんでいることがわかりますが、この黒ずみが全て捕獲された飛翔害虫です。4週間の間におよそ2400匹の捕獲が確認されました。





●︎チョウバエ駆除

チョウバエは体長数mm程度の飛翔害虫です。排水溝など水周り設備にできたヘドロで繁殖します。(チョウバエについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。)

チョウバエは成長スピードが早いため、幼虫を重点的に駆除することで生息数を抑えます。下の写真が施工状況です。排水溝などの繁殖源に幼虫の成長を阻害する薬剤(成長抑制剤)を散布します。



●フライマグネット︎

大型ハエの侵入が多い事業所では「フライマグネット」による防除を行います。

フライマグネットには特殊な臭気を発する誘引剤が入っており(当店スタッフによると公衆便所のような臭いとの事)、その臭いでハエを誘き寄せて捕獲駆除する仕組みとなっています。



フライマグネットは臭いの強い駆除キットなので、屋内の密閉空間では使用できません。
下の写真のように出入口近辺の屋外に設置して、屋内への侵入を防ぐのが基本です。屋外であれば半径50cm以内まで接近しない限り不快臭はしないので、安心してご利用いただけます。



フライマグネットの捕獲状況です。液剤の中に沈澱している黒い物体がハエの死骸です。
撮影時には推定50匹前後の捕獲が確認されましたが、季節や現場状況によっては100匹以上捕獲されることもあります。



2-③ ネズミ駆除

粘着ボードを設置してネズミの発生状況をモニタリングします。また殺鼠剤による駆除も実施します。

粘着ボードにネズミ本体が捕獲されているかだけではなく、体毛や糞が付着していないか、あるいは殺鼠剤が齧られていないかといった点も目視点検で確認します。異常が確認されたエリアでは、主に粘着ボードと殺鼠剤を増設する形で駆除圧を強めます。



3. おわりに

今回は食品工場での害虫獣駆除を当店の施工例をもとに紹介いたしました。

ダスキンでは、上記の他にもクモ(蜘蛛)の駆除や、飛んでくる虫に有効なガラス面の防虫コーティングなど多種多様なサービスを取り扱っております。(こちらの記事「熊本でクモ(蜘蛛)にお困りの方は今すぐチェック!」もご覧ください)

このためお客様のニーズに合わせたオーダーメイドの害虫獣駆除が可能です。

食品工場で害虫獣駆除をご検討の際は、ぜひ当店にお声掛けください!

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田代雄介
専門家

田代雄介(害虫獣防除業)

有限会社アースブルー(ダスキンターミニックス熊本水前寺店)

使用する薬剤と施工場所、その効果について細かく説明し、明文化した上で作業を実施します。例えばシロアリ駆除であれば、施工から5年間は毎年無料診断を実施。そこで万一シロアリを発見したら無償で再施工します。

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