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第5回【経営者コラム】時代の荒波を乗り越えるIT活用の鍵。会えない時間が「コアなファン」を育てる。そこに人が感じられる「ブランディング」!

一番ヶ瀬正明

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テーマ:広告



時代の荒波を乗り越えるIT活用の鍵。会えない時間が「コアなファン」を育てる。そこに人が感じられる「ブランディング」!


長い自粛生活を経験し、人々のインターネット(IT)での買い物に対する考え方が変化しています。

コロナ以前は、便利さを重視する「利便性消費」の割合が多かったものの、コロナ以後は、自分が気に入った、特に付加価値のある品には価格に関わらず対価を支払う「プレミアム消費」が増加しています。
つまり、人々の消費への考え方が、制限のある生活の中でも楽しみを見出す「こだわり思考」へとシフトしていると言うことです。
さらに、そのこだわりさえも多様化する中、自社製品を選んでもらうにはどうすれば良いのか?

今回は、若者に限らず中高年層にも大きく伸びている「実店舗に出向かず、インターネット(IT)を利用する人々」へのアプローチを、“自社らしさを打ち出したブランディング”と言う切り口で、“コアファンを育てるためのSNS方策”を、順序立て解説します。



ブランディングとは?




“ブランディング”とは? 他社との差別化をはかるマーケティング戦略の一つです。
例えば、「ロゴ(マークやシンボルなど)」「色の組み合わせ」 「コピーライティング=自社の考え、思い、理念」などにより、 消費者に会社や製品を直結して連想してもらえるよう具現化したイメージ戦略とも言えます。

分かりやすく表現するなら、「△△のロゴはあの会社」「〇〇といえばあの商品」の様に、直結したイメージで自社独自の価値を消費者に知ってもらう手段です。

また、ブランディングの目的は、社外へ向けた戦略だけではありません。
同じ方向を見据えるための社内へ向けた「企業文化づくり」「社内意識」にも大きく貢献します。

さらに、自社独自の価値を発信すると言う意味ではSNSの普及によりブランディングの重要性が増していると言えるでしょう。


「自分たちは何者か?」「自社らしさとは?」社内での意識共有から開始する

まずは、自分たちは何者か?の定義を社内で意識共有しましょう。

改めて、社員や従業員に“自社らしさ”を問うと、感覚のズレを感じることも多いでしょう。
個々には気づかなかった自社らしさや魅力、反対に、ウイークポイントさえも見つかるかもしれません。

それらの認識の違いを比較し社内の意識を一致させ・共有すれば、「自社らしさ」や「自分たちが何者なのか」が明らかになるはずです。

ここで大切なのは、表面的なマニュアル通りの自社らしさの羅列ではいけないと言うこと。
社員・従業員一人一人が、生身の言葉で、一消費者の立場で、自社を見つめ直すことが重要です。


「自分たちは何者か?」を、 新たな気持ちで「ブランディング」に反映する

新たな気持ちでブランディングに反映とは・・・。
「ロゴを新しくする」「綺麗な見た目に変える」などということではなく、「自分たちが何者か?」「どんな商品や価値を提供するのか?」を明確にすることで、ゆるぎのない土台とし、お客さまに発信する素とすると言うことです。

この「自分たちが何者であるか?」の土台ができていれば、以下のブランディングへのアプローチが、はっきりして来るはずです。

1.どんな人に自社の姿勢や商品を共感・共鳴してもらいたいのか
2.お客さまに対する自社の約束事はなんなのか
3.自社製品の価値とはどんなものなのか
4.自社の世界観は具体的にどんなものか


この4つのブランディングアプローチが土台となり、どんな環境へと世の中が変化しても道しるべを見失うことなく、進んでいくことができるはずです。
また、ブランディングアプローチは、お客様との対面・非対面に関わらず、どんなチャネル(媒体や経路)でも一貫していることが大切です。


中小企業や小規模事業者さまのブランディングは、「その向こうに人が見えること」が信頼材料




対面しづらい今。
会えない時間こそ、SNSで“コアなファンを育てる”努力をしましょう。
しかし、SNSの発信努力とは、どうすれば良いのでしょうか。

例えば、自社本位の発信をやめること。
「自社売り上げNo.1」などの自社本位の発信は、お客さまが求める情報との間にギャップが生まれてしまいます。
お客様は、いろいろな商品を試しながらあなたの会社にたどり着いたのかもしれません。
そんな人に自社製品を選んでもらいファンになってもらうには?
さあ、ここで登場するのが、新たなブランディングで気づいた点を反映するアプローチです。

「どんな人に向かって作っている商品ですか?」
「お客さまに喜んでいただくための約束事は何ですか?」
「胸を張って言える商品価値は何ですか?」
「製品の世界観はSNSやホームページに反映されていますか?」

SNS慣れしている現代のお客さまたちは、うわべだけの言葉の裏を見透かしてしまいます。
ですから、ブランディングを反映するにしても、会社自体の人柄とでも言えるような「言葉の向こうに人を感じる」人間味のある会社の発信を心がけましょう。
それは、「自社売り上げNo.1」などとうわべだけで謳うのではなく、悩みや困りごとといった人間味を交えたSNS発信を行うと言うことです。
例えば、商品にまだ足りない要素がある場合は、足りない部分が良くなる様に商品開発を進めている様子や失敗談など、より具体的に進行の様子を投稿するなどしても良いでしょう。
良い点も悪い点も深掘りした方が、よりコアなファンを育てることもできますし、また、そのコアなファンが、今後の会社の成長をも支えてくれるのです。


オフラインとオンラインをなだらかにつなぎ合わせる


消費者の心理は「オムニチャネル」「OMO」へと移行しています。
「オムニチャネル」とは、実店舗やECサイトなど複数のチャネルをもつ企業がチャネルの違いをお客さまに意識させずサービスを提供することを指し、お客さまの購買行動が中心となった考え方です。

一方、「OMO」は、Online Merges with Offlineの略で、“オンラインをオフラインと融合する”こと指します。
「OMO」の具体例としては、スマートフォンでいつでもどこでも利用可能なデリバリーサービスの提供などが挙げられます。

近年、実店舗対応の「オフライン(対面)」とネットショップなどの 「オンライン(非対面)」の境目がなくなりつつありましたが、コロナを経て、さらにその境目が曖昧になってきています。

しかし、「オンライン(非対面)」では、 他人とリアルコミュニケーションできないことや対面での臨場感を得られないと言うことに、枯渇感を感じずにはいられないのも事実です。
そこで、その枯渇感を逆手に取り、オンライン(非対面)で、「臨場感やライブ感」を演出する施策を実施してみましょう。
コロナを経たその先も、「オンラインとオフライン」をうまく行き来する消費者行動が後戻りすることはないのですから。


つなぎ合わせるための導線。SNS・ネットショプでの「臨場感&ライブ感」演出


SNSやオンラインなどで臨場感やライブ感を演出するとは?
具体的にどの様な方策があるのでしょうか。

では、 演出例を3つ見てみましょう。

事例1) SNSで「販売時間や期間を限定する」

ネットショップなどで自社商品を販売する場合、 それが食品であれば、出来立ての動画や画像などと合わせ、 時間限定・期間限定で販売を行う

出典:できたてポテトチップの菊水堂「できたてポテトチップ」 https://kikusui-do.jp
できたてを前面に打ち出した自社工場製造のポテトチップを即日発送。生産数と発送日を限定し販売

事例2) ネット販売で「お客さまに一手間加えてもらう」

店舗と同じような新鮮さを楽しんでもらえるよう、お客さまの手元に商品が届いた際、一手間加えてもらう

出典:オリジナルベイクブランドPUFFZ 「シュークリームキット」https://puffz.stores.jp/items/62f649adb8215649389da3f1
自分でクリームを注入することで“できたて”を楽しむことができるシュークリーム

事例3) ネットショップやSNSで「ライブ配信しながら販売」

化粧品なら使用感が、洋服なら着用感がわかりやすい。双方向コミュニケーションも可能

出典:ファンケル「ライブショッピング」https://www.fancl.co.jp/liveshopping/index.html
配信時間限定プライスも。商品に関する疑問や質問もできる「ライブ配信」


まとめ

コアなファンを育てるには、自社製品を気に入ってくださっている特定のお客さまの顔を思い浮かべ、具体的に伝えたいことを考えることが大切です。
そして、良い面だけでなくマイナスな面も含めた正直なストーリーを出し、自社に人間味を持たせましょう。

さらに、アフターコロナを意識し、インターネット上のお付き合いだけではなく実店舗にも足を運んでみたいと思ってもらえる様な「そこで働くスタッフの思いや熱量が感じられる投稿」を、心がけるべきです。

最後に、SNS発信する際は、「ラブレターを出すときの気持ちで!」を、ぜひ、実践してください。

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一番ヶ瀬正明
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一番ヶ瀬正明(広告コンサルタント)

有限会社ディーナ

広告業界での20年以上の経験と実績による媒体の制作、WEBデータによる企業や顧客動向の分析・解析に基づくマーケティング戦略で、効果的な広告の提案を行います。

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