民事再生・任意売却との見極め
借金をしていて財産がなく、収入が途絶えるなどして返済が難しくなった場合は、自己破産という選択肢があります。
文字通り自らの判断で財産を失うこの方法は、借金の返済義務の免責が受けられる代わりに、財産を処分して手放すことが認められます。
ある意味で究極の選択肢ですから、今後の人生設計を含めて、よく考えた上での選択が求められます。
処分が求められる財産は、原則として生活必需品を除く全てですから、例えば車は処分されることになります。
実際はローンや時価によって違いますが、大抵のケースでは自己破産で車を手放す結果に至ります。
競売によって家を手放さざるを得なくなってしまう場合が多い
家についても手放すことになる場合が大半で、持ち家であれば例外なく手放さざるを得なくなるでしょう。
家具や家電に関しては残せるケースが多いので、これらを持って家を出る必要があります。
もし自己破産をしても家残すには、いわゆる名義変更などの方法が考えられます。
ただし、名義を変更するだけでは家を残せませんし、最悪財産隠しと捉えられかねないのでリスクが高いです。
確実性の高い方法で家残すには任意売却による親族に買い取ってもらう手が有効で、売却した後に住み続けられるように交渉するのが現実的です。
債権者に任意売却を認められることが前提ですが、まとまったお金を用意できる親族の協力を得ることができれば、自己破産で大半の財産を手放しても家は残ります。子供がまだ小さかったり、住み始めたばかりの場合だと手放すのは惜しいですから、このような方法で家が残せると覚えておいても損はないでしょう。
リースバックという任意売却の手法
家を残すにはもう1つ、リースバックという任意売却の方法を活用する手があります。
リースバックは一度不動産会社に持ち家を売り、その後賃貸住宅として住み続けられる仕組みです。
持ち家の現金化も実現するので、お金を返済に充てられるのも魅力的なメリットだといえます。
当然ですが、賃貸住宅に住むには安定した家賃の支払いが不可欠なので、収入が途絶えたり滞納しないように注意が必要です。
生活再建が不十分だと、家賃の支払いが大きな負担になってしまい、家に住み続けることすら難しくなるので気をつけましょう。
家残すには他にも、自己破産ではなく任意整理を選ぶ方法があります。
返済義務は免責されないものの、残額を減らして負担を軽くできますから、家を残せる可能性が高まります。
ただ、処分できる財産が殆ど残っていなかったり、収入がなくなり返済が難しいとなれば、任意整理を認めてもらうのは困難になります。
返済期間が短くなる代わりに、大幅な減額が期待できる個人再生だと、住宅ローン特則の活用で家を残せます。
この特則は、住宅ローン以外の借金の分割払いが認められ、返済の負担が軽くなるというものです。
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家残すには現実的で有効な選択肢ですから、十分に検討に値するといえるでしょう。
いずれにしても、自己破産一択なら家を売却しない選択肢はなくなるので、売った後も住み続ける方法を考えることになります。
リースバックは有効な手段で、売却して手放すことになっても、優先的に賃貸契約を結べるメリットがあります。
ところが、売り手と買い手の双方の間で、売却価格に納得することが重要ですから、ここで折り合いをつけられるか否かが焦点です。
リースバックに成功しても、家賃を払い続けることができなければ本末転倒なので、無理なく支払える家賃の設定も大事です。
破産後は10年ほど新規の住宅ローンが組めませんから、家残すにはどうしたらいいか悩むのは当然です。
しかし破産が決まっても最低半年、条件が良ければ1年は住み続けられるので、その間に家を残す最善手を検討することになるでしょう。
このように、持ち家を売ることになっても手元に残せる可能性はありますから、諦めないことが何よりも肝心です。
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