家族6人が暮らす、98㎡中古マンションリノベーション計画
「築20年の家はもう価値がない?」その常識見直されています
「住宅は築年数が経つほど価値が下がる」——そう言われてきた時代がありました。
たとえば築20〜25年を過ぎた木造住宅は、建物の評価がほぼゼロとみなされることも少なくありません。
でも実際には、断熱・耐震・省エネ性能を高めた住まいは、
“古い家”ではなく、“新しい価値を持つ家”に生まれ変わっています。
そんな「リノベーション住宅の性能」を見える化し、
誰にでも分かりやすく評価するために導入されたのが
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)です。
BELSとは
BELSは、国が進める「建築物省エネルギー法」に基づいた省エネ性能の第三者評価制度です。
建物のエネルギー消費量をもとに、どれだけ省エネ性能が高いかを星の数(★1〜★5)で示す仕組みで、
いわば家の**“省エネ通信簿”**のようなものです。
BELSが生まれた背景には、
国が進める「住宅・建築物の断熱化・脱炭素化」を推進する流れがあります。
これまで省エネ性能は専門的で分かりにくいものでしたが、
「購入者が性能を比較・理解できるように」
そして「性能の高い家が市場で正当に評価されるように」という目的で、
この表示制度が全国共通の指標として整えられました。
この制度のポイントは、新築だけでなく既存住宅・リノベーション住宅にも対応していること。
断熱改修や高効率設備の導入によって性能を高めた住宅は、
BELS評価を取得することで**数値として“見える化”**できるのです。
2024年4月からは、販売・賃貸時の省エネ性能表示が努力義務化され、
性能を掲示するリノベ住宅も増えています。
地方発の新しい評価のかたちが始まってます
BELSのような全国共通の制度に加えて、鳥取県では独自の取り組み
「Re NE-ST(リ・ネスト)」と「T-HAS」を導入しています。
これらは、中古住宅の断熱・気密・耐震・快適性などを総合的に評価し、
その性能向上に応じて補助金(最大200万円)を交付する仕組みです。
つまり、「築年数ではなく性能で価値を評価しよう」という動きを、
県レベルで具体的に進めているわけです。
この取り組みは、全国初の“性能評価による再流通モデル”として注目されており、
中古住宅市場の透明化・再生に向けた実証的な動きとも言えます。




