マンション塗装は、外壁だけじゃない! ベランダ・階段・共有部分も修繕が必要
マンションやアパートなどの共同住宅で外壁塗装工事をする場合、
マンションやアパートなどの共同住宅で外壁塗装工事をする場合、どんな内容の行程をどれくらいの期間で行うのでしょうか?
基本的な内容を知ることで、塗装工事の計画などが立てやすくなるはずです。
オーナーさんの立場として、工事前、工事中、工事後でやらなければならないことも多々あるので、それらの目安にもなるでしょう。
規模によって変わる工事期間の目安
外壁塗装工事の期間は、基本的にはマンションやアパートなどの大きさによって変わってきます。そして作業工程も建物の種類などによって多少変わってはきますが、基本的な部分では同じと言っていいでしょう。
【外壁塗装工事の期間の目安】
・50戸以下の集合住宅/約1~2カ月
・50戸以上の集合住宅/約2~3カ月
ある程度のズレはあるでしょうが、以上がだいたいの目安です。
もし専門業者が極端に短い期間で施工すると言う場合には注意してください。何らかの工程を省いている可能性があるからです。
万が一手抜き工事をされると、やり直しが必要になってしまいます。短期間の工事を売りにしている業者に依頼する場合には、短期間でできる理由をしっかりと聞いておくといいでしょう。
外壁塗装工事の主な行程
【1:住人への告知(1日)】
外壁塗装工事をする場合、騒音や振動、臭いがするために、入居者やご近所にその旨を告知しなければなりません。特に入居者の人たちには漏れがないように、必ず全世帯へ告知しておきましょう。
告知することで入居者たちにもケガをしないように気をつけてもらい、クレームが出ないようトラブル防止策にもなります。
告知方法には、掲示板、回覧板、ポスティング、直接伝えるなどの方法があります。ちなみに、専門業者によっては業者の方からもあいさつ回りをしてくれる所もあるようです。
【2:足場の設置(1日~)】
外壁塗装工事は2m以上の高所作業になるので、外部の足場が必ず必要です。まず足場の材料を運んで足場を組みますが、これらの作業時には大きな音が出るので、入居者への告知の際に、足場の設置日の騒音のことをひと言加えておくといいでしょう。
足場は職人さんたちが安全に作業するための重要な部分です。状況によっては、設置作業が1~2日ほど延びることを頭に入れておきましょう。
【3:シート養生(1日)】
養生とは、塗装面以外の塗料が付着してはいけない部分をビニールシートなどで覆って保護することをいいます。
主に塗装予定以外の外壁や窓、ドアなどの他、あらゆる場所にシート養生をします。また、窓やドアに養生をすると、養生を取るまでは開けることができなくなります。
【4:高圧洗浄(1~3日間)】
高圧洗浄では、強い圧力で水を噴射して外壁の汚れやほこり、チョーキング(外壁の表面の白い粉)などを除去します。
汚れなどをそのままにして塗装しても1~2年ですぐにはがれてしまうので、高圧洗浄は下準備として大切な作業となります。
洗浄後は乾燥する期間も必要になるので、若干長めに考えておいた方がいいでしょう。
【5:既存の外壁下地処理(1日~)】
ひび割れや塗膜の剥離、サビなどの部分を塗装する前に修復しておきます。外壁の傷んでいる部分を修復することで、それ以上傷みを広げないように処理します。
下地処理をした上で塗装することで、防水効果などをより強化することにもつながります。
また、既存外壁にコーキング(シーリング)施工がなされている場合には、コーキングの打ち直しをします。
既存のコーキングを取り除き、新しくコーキングを充填します。コーキングは上から塗装をすることで紫外線からの影響を防いでくれます。
【6:下塗り(1日~)】
ここからはいよいよ外壁の塗装に入ります。
まずは下地強化材で下塗りをします。これはその後の中塗りや上塗りの塗料を、壁にしっかりと定着させるためです。下塗りに使う塗料は、外壁の材質に合わせたものを使います。
【7:中塗り(1日~)】
下塗りの次は中塗りです。中塗りからは外壁塗装の色を付ける行程になります。ローラーや刷毛で、規定の量を外壁にムラの出ないように塗っていきます。
【8・上塗り(1日~)】
塗装の最後の行程として上塗りを行います。上塗りは中塗りと同じ塗料を使って重ねていきます。中塗り、上塗りは、塗った部分がしっかりと乾いてから重ね塗りをすることが重要です。
外壁の上塗りが終わったら、壁に付帯するフードや破風版などの塗装をしておきます。
【点検と手直し(1日~)】
最後に外壁の塗り残しやムラがないかをチェック、ある場合には手直しを行います。この時にはオーナーさん自身も一緒に確認しておくと、後々トラブルにならずに済みます。
【養生撤去、足場の解体他、後片付けと掃除(1日~)】
全ての行程が終わったら、養生をはがして足場を解体、工事に使った道具などの後片付けと掃除をします。
条件によって工期は延びることも…
ここまで一般的な工期と行程を紹介しましたが、さまざまな理由で工期が変動することもあり得ます。
【経年劣化が激しくて補修に時間がかかる】
経年劣化などがあまりに激しい場合、外壁下地処理や下塗りに時間がかかってしまうこともあります。
また、施工のしやすさや外壁の仕様などによっても、工期が延びてしまうこともあるでしょう。
【雨や雪、台風などの気象条件】
外壁塗装は屋外での作業なので、雨や雪では作業はできません。台風などの風の強い日も、塗装面にゴミやホコリがついてしまうのでNGです。さらに足場の高さによっては、強風だと安全面から作業ができない場合もあります。
【冬場の外壁塗装工事】
秋から冬にかけては、日照時間が短いために1日の作業時間も短くなります。その分工期も延びてしまうので、なるべくなら日の長い夏や春に工事をするほうがいいでしょう。