共同住宅(マンションやアパート)における大まかな外壁塗装の期間はこれぐらい
現在、多くの住宅で外壁材として利用されているのはサイディング
現在、多くの住宅で外壁材として利用されているのはサイディングです。
このサイディングは、一般的には従来の外壁材に比べ劣化が少なくメンテナンスの手間もかかりにくいと言われています。しかし外壁である以上は、住宅のなかでも風雨の影響を受けやすく、汚れやすい場所です。地震や事故などによって何らかの不具合が起きる可能性がゼロとはいえません。
そして不具合が起きた場合、それを放置していると住宅に悪影響を及ぼすことにもつながってしまいます。そこで今回はサイディング外壁に不具合が起きた場合の補修方法についてご説明します。
サイディング外壁とは?
そもそもサイディングとは、住宅の外壁に張る仕上げ用の板材のことで、壁の広さに応じてサイディングボードをカットし、壁に張り付けていくことで外壁を仕上げていきます。
ひと口にサイディングといっても、その種類は次の大きく4つに分けられます。
□セメント質と繊維質を混ぜ合わせてつくられた「窯業系」
□ガルバリウム・アルミニウム・ステンレスなどの鋼板でつくられた「金属系」
□天然木でつくられた「木質系」
□塩化ビニール樹脂でつくられた「樹脂系」
外壁というと、サイディングのほかにもモルタルやレンガ、タイル、ALCといったものがあります。しかし現在は工事価格が安いこと、経年劣化が少ないこと、デザインも豊富なことからサイディングが7~8割の新築住宅で利用されているとも言われています。
サイディングの劣化には種類がある
従来の外壁材に比べ劣化が少ないと言われているサイディングですが、それでもまったく劣化がないわけではありません。
では具体的にサイディングが劣化するのはどういった時なのか、また劣化することでどういったことがおこるのでしょう?
ここではサイディングの中でも、特に日本の住宅で多く利用されている窯業系サイディングの劣化を中心にご説明します。
サイディング、特に窯業系サイディングで初期段階の不具合です。
窯業系サイディングのメリットとして耐火性、耐久性に優れていることが挙げられますが、ほかのサイディングに比べ、防水機能が低いというデメリットがあります。これを防ぐため、表面に塗装をしますが、この塗装の塗膜が劣化すると雨水が侵入しやすくなります。そして夏と冬の気温差でサイディングが収縮と膨張を繰り返し、サイディングが反ったり浮いたりといった状態になります。
これを放置すると次には塗装のはがれや浮きが起こり、さらに放置することでサイディングはひびが入り、最終的には割れてしまうのです。
また前項で触れたように、サイディングはボードを壁に張り付けていくことで仕上げていきますが、この際、ボードとボードのつなぎ目をコーキング(シーリング)というもので埋めていきます。このコーキングの成分はゴム状のもののため、経年劣化によるひび割れが起こり、場合によってはコーキングのひび割れ部分から雨水が侵入し、サイディングにまで伝わってしまうこともあります。
サイディングの劣化を放置してしまった場合のリスク
外壁が割れてしまった状態で放置するといったことは基本的にはないと思いますが、仮にサイディングが割れてしまった状態で放置してしまうと、次のようなリスクがあります。
サイディングの割れを放置することで起こるもっとも大きなリスクは、外壁下地の腐食です。割れた部分から雨水がしみ込み、外壁の下地部分が腐食してしまう可能性が高まります。これにより外壁がはがれ落ちる、住宅内部への雨漏りといったことが起こりえます。
また腐食した部分からカビが発生し、住んでいる人の健康に害を及ぼす。外壁に組み込まれた柱や梁にまで腐食が影響し、最悪の場合は震度の小さい地震でも住宅が傾いたり、倒壊したりしてしまうリスクも生じます。
症状別サイディングの補修方法
少しひびが入っただけ、ちょっと割れているだけと放置してしまうことで大きなリスクが生じることはご理解いただけたと思います。
このリスクを回避するには、何かしら不具合が起きたらすぐに補修をすることです。そこで、さまざまな理由によりサイディングに不具合が起きてしまった際の補修方法をご紹介します。
【反りや浮き】
反りや浮きは、経年劣化以外にサイディングの留め付けが不十分な場合でも起こりえます。その場合、改めて釘やビスを強固に取り付けることで補修をすることが可能です。ただしあまりにも反りがひどくなっている場合は、サイディングの張り替えが必要です。
【塗装のはがれ】
塗装がはがれてしまっている場合の補修方法は再塗装です。なお、仮に塗装がはがれていなかったとしても、10年を目安に外壁のチェックを行い、再塗装をすることをおすすめします。
【ひび割れ】
ひび割れの程度にもよりますが、小さい場合はひび割れ部分にコーキング剤(シーリング剤)を注入することで補修を行います。またコーキングのひび割れも同様の補修で大丈夫です。ただし、ひび割れの程度が大きい場合は補修では対応できないため、サイディングの張り替えをしたほうがよいでしょう。
サイディングの補修は、コーキング剤の注入程度であれば自分で行うこともできますが、基本的には専門家に定期的なチェックを依頼し、補修も任せたほうがコストはかかるかもしれませんが、結果として住宅を長持ちさせることにつながります。