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コラム
中庭を囲む家
2017年6月26日 公開 / 2021年10月21日更新
中庭を囲む家
この建物の設計にあたり、敷地条件にいくつかの制約が有り全体計画から着手しました。条件の一つに隣接建物の集会場からのプライバシーの確保、もう一つの条件は、隣接敷地の両親の建物の位置関係がありました。又、希望の中に平屋建てが理想的と言う事も有り、中庭形式を選択し明るさと風通しを考慮した計画を試みました。
隣接建物敷地の間に、通り抜け通路を設け玄関にアプローチし、玄関を入ると正面に中庭が現れ、中庭の奥行が玄関ホール全体の広がりとなっています。LDK南側敷地にある植栽の奥に広がる農地が窓からの借景となっています。LDKから中庭へ続き、その奥にはキッズルームへと繋がり、中庭を中心に続く連続性はコミュニケーションの中心でもあり、寝室は建物の奥まった位置にあり、小上がりの畳スペースに沿って小屋裏収納へと解放感のある空間を構成しています。寝室から中庭へ濡れ縁が繋がっていて、それぞれの寝室から中庭に至る経路を確保していて、まさに中庭を囲む家となっています。建物の質感を占める木の表しは、叔父の製材所より供給して頂きました。桧材の落ち着きのある赤身、素材の持つ香が心地良い空間と和みのある雰囲気を演出しています。
今後経年と共に建物は味わい深くなり、趣のある建物へと変化してゆく物と期待しています。
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