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介護施設・学校での事故やトラブル解決に力を入れる

介護施設・学校での事故やトラブルを積極的に扱う弁護士

伊藤康典

介護施設・学校での事故やトラブルを積極的に扱う弁護士 伊藤康典さん
弁護士 伊藤康典さん相談風景

#chapter1

介護施設の事故やトラブルは線引きが難しい 

 交通至便な関内・桜木町駅近くにオフィスを構える、横浜みなとみらい法律事務所。代表弁護士の伊藤康典さんは、多種多様な企業の法律顧問として数多くの案件を担当してきましたが、近年は特に介護施設や学校内のトラブル解決に力を入れています。「このところ、転倒や転落など介護施設での事故が事件になることが増えてきました。そこで、介護事故を扱った経験のある弁護士をネットで検索して、当事務所のホームページを見つけてくださる方が多いようです」

 伊藤さんは10年ほど前、当時はまだ比較的新しい分野であった介護事故に取り組んだことがきっかけで、介護にまつわる事故やトラブルの相談を積極的に引き受けるようになりました。「高齢者は体が弱っているため、ちょっとしたことでも重篤な事故になりやすいのが特徴です。また、認知症のため、自分の体が弱っていることに気づかない人もいます。さらに、元気な人でも急激に弱ってしまうことも少なくないので、転倒や転落などの事故があった場合、どこまでが本人の責任で、どこまでが施設の責任なのか、線引きは非常に難しいのです」

 入居者の家族としては「専門の施設だから安全だと信じていたのに」「転ぶから注意してほしいと言っておいたのに」と不満に思い、施設の責任を問いたくなるのは自然な感情かもしれません。しかし施設の側にも、「元気な人はぴったり寄り添われると、見張られているように感じて嫌がる」、「どうしてもリスクの高い人を重点的に見てしまう」などの事情があります。

#chapter2

介護施設と入居者家族、それぞれの事情を知り、双方に道筋を示す

 歩けなくなった人が「トイレに行きたい」と思った瞬間、つい立ち上がってしまい、転んでケガをする。かつては理性的だった人が幼児化して、感情のままに暴力をふるってしまう。頼もしかった親が老いて弱ってしまい、事故やトラブルを起こしてしまった現実を受け入れるのは、子どもにとってはとてもつらいことでしょう。しかし、施設ができることには限りがありますし、やるべきことはすべてやっていたのなら、責任を全面的に負うわけにはいきません。「介護施設の職員は病気の専門家ではないので、医師や看護師なら可能な処置ができないこともあります。そして入居者も、多少体が弱っていたとしても看護が必要な病人ではないなら、四六時中監視するのは人権やプライバシーの上で問題があるのです」

 病気だけを診る病院とは違い、入居者の生活全般をサポートする介護施設特有の事情が、事故やトラブルの背景にあります。「社会的な弱者である高齢者は強く保護されるべき存在ですが、事故の結果だけを見て施設の過失と考え、高額な損害賠償金を支払うのは適切ではありません。一方、入居者のご家族も『お世話になっているのだから、下手に騒がない方がいい』と我慢してしまうことがあるので注意が必要です」。伊藤さんは、これまで多くの事案を扱った経験から双方に解決の道筋を示し、折り合うことができるように働きかけていきます。「初期対応の失敗から、大きなトラブルに発展することもよくあります。事故が起こってからはもちろん、事故を防ぐために必要な対応についても、ぜひご相談ください」

弁護士 伊藤康典さん仕事風景

#chapter3

学校での事故や子どものトラブル解決にも役立ちたい

 伊藤さんは、学校での事故やトラブルの解決にも力を入れています。「子どもはどんどん成長していくので、幼稚園児ならサポートが必要な場面でも、もう少し大きくなると逆に自主性を損なうなど、年齢によって適切な対応が変わるのが難しい点です」。また、ケガの程度や事故そのものは小さくても、親がカーっとなって、大きなトラブルに発展しやすいのも特徴だと指摘します。「学校事故は、参考となる文献や論文が比較的少なく、過去の裁判例から見ても判断が難しい分野です、しかし、これからもライフワークとして手掛けていきたいと思っていますので、法律の問題なのかどうか迷うような相談でも引き受けています。例えば、『子どもがいじめを受けているが、転校させた方がいいか』など、法的なアドバイスは難しい相談も、まずはお話をしっかり聞いた上で、個人としての考えや経験を率直に話し、その上で必要があれば適切な専門家を紹介します」

 子育てにベストな環境があると判断し、横浜で開業したという伊藤さん。「独立前は非常に忙しく、家族で過ごす時間も少なかったのですが、最近は『感謝され、信頼されてお金をいただく弁護士っていい仕事だな』と思える心の余裕が出てきました。弁護士への相談は、まだまだ敷居が高い印象があるかもしれませんが、誰に相談したらいいのかわからない時の“よろず相談所”だと思って気軽に利用してください。どんな内容でも杓子定規で考えず、ベストな解決法を提案することを心がけています」

(取材年月:2018年12月)

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伊藤康典

介護施設・学校での事故やトラブルを積極的に扱う弁護士

伊藤康典プロ

弁護士

横浜みなとみらい法律事務所

困っている人の手助けをしたい。どんな仕事をするときも、目指すところは変わりません。交通事故をはじめとした損害賠償のほか、近年では介護施設や学校での事故およびトラブル解決に取り組み、実績を上げています。

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