源氏物語から色の価値観を探る(1)
こんにちは、鈴木香加です。
ゴールデンウィーク明け、体調を崩している方も多いようです。お気をつけください。
今日は、色を五感で楽しむ、ですが、
日本古来からの感覚だと思います。
ストレスやゆとりを失うと、色を感じることすら潜在化してしまいます。色は意識的に見ないと、その存在を忘れてしまうのです。
ところが、無意識であっても、美しい色に出会うと瞬間的に色の存在と感動を感じます。その感動は、視覚だけでなく、ほかの感覚を伴って生じます。例えば、美味しそうという味覚、さらさらという気持ちよさそうという触覚など全く無関係な感覚と連動します。
ところで、一つの和歌をご紹介いたします。
敷島の大和心と人問わば、朝日に匂う山桜花
(本居宣長)
小林秀雄は、朝日に匂う、という解釈において、匂うとはもともと色が染まるという意味であると紹介しています。
色が染まった香りを聞く文化のある日本では、色を五感で楽しむ感覚に優れているものと思います。
時には静かな気持ちで、色に触れてみてください。いろいろな情景を感じることができると思います。
ありがとうございます。