外壁塗装のトラブル事例、高額な追加費用が発生した!
適正な塗布量(1缶あたりに塗装が可能な面積)や希釈率(5~10%程度)は、塗料メーカーが設定しています。
塗装面積は、塗装業者が現地で建物の調査を行い、測った外周、高さから、塗装しない面積を差し引いて算出します。
塗装面積や希釈率、塗布量がわかれば、塗料が何缶必要か専門業者以外の方でも理解できますので、外壁塗装業者に自宅の外壁塗装に何缶の塗料を使用するか質問することで、不正を抑止することができます。
ただ、実際に塗装工事がはじまると、塗料を必要以上に薄めて使う不正が行われることがありますので、現場に搬入された塗料の数などをチェックして、塗装工事が終了したら、塗料が全て使われたかどうか確認することが必要な場合もあります。
メーカーのカタログに記載されている塗料の塗布量をチェック
塗料は厚く塗り過ぎてもひび割れが発生しやすく、逆に薄く塗り過ぎても機能が発揮されませんので適正な塗布量で塗ります。
例えば、1缶あたりに塗装が可能な面積といった内容で、適正な塗布量が塗料メーカーのカタログに明記されています。
ただ、このような記載はあくまで目安であって、壁の下地の素材や劣化の進行度合いでズレが生じる可能があります。
例えば、日当たりがよかったり、雨風の当たりが強かったりする屋根や外壁は、下地の吸い込み量が増え、このままだとカタログに明記されている中塗りや上塗りの塗布量より増えてしまいます。
こういった場合、通常1回を行う下塗りを2回塗りに増やし、下地をしっかりと仕上げることで、中塗りや上塗りの塗布量を増やさないようにします。
塗料メーカーのカタログに明記されている塗布量を厳守して塗り重ねていくことが重要です。
塗料の性能を守るための希釈率を知る
塗料は液体なので、シンナーや水で薄めれば薄めるほど、少ない塗料で大きな面積を塗ることができます。
塗料が薄過ぎると、性能や耐久性が低下してしまいますので注意が必要です。
ただ、このようなことにならないように、塗料メーカーは希釈率を5~10%程度に設定しています。
希釈率の値に幅があるのは、塗料の粘度に関係があります。
夏場、気温が高い場合、塗料の粘土は下がり、冬場、気温が低い場合、塗料の粘土は上がります。
塗料を使う気温に合わせて希釈率を決めて、適正な粘土で塗装を行うことで、粘度の違いによる作業性への影響を防ぎます。
また、塗料の種類によって希釈率は変わりますので、塗料メーカーの指示に従い塗料を希釈します。
建坪を塗装面積は一致しない?
住宅の建坪についてはよく知られていますが、外壁の面積についてはあまり知られていません。
そのため、塗装業者が現地で建物の調査を行い、測った外周、高さから、塗装しない面積(ドアやサッシなど)を差し引いて塗装面積を算出します。
建物の調査を行う前の見積もりと、建物の調査後の見積もりで、塗装面積の若干の誤差は生じます。
ただ一般的な住宅の塗装面積は、30坪の住宅では外壁は130~140㎡、屋根は60~70㎡、40坪の住宅では外壁は160~170㎡、屋根は80~90㎡となっています。
また、住宅の形が異なると、外壁(1周)の長さが変化するので塗装面積も変わり、特に複雑な形をした住宅は、塗装面積は広くなります。
このようなことから、建坪と塗装面積は必ずしも一致しないのです。
悪徳業者に塗料を薄めて使われることで発生するトラブルと理由
悪徳業者は塗料を必要以上に薄めて使うことで、塗りやすくなり、工期が短縮でき、人件費が削れます。
塗りやすくなるとローラーがスムーズに動かせますので、手早く作業が行われているように見え、施主を安心させることもできます。
また、薄めた分だけ塗料が少なくて済むので塗料の購入費が削れます。
このような不正を行って仕上げた外壁には、さまざまなトラブルが発生します。
塗料の薄め具合にもよりますが、塗装後1~3年以内にまず塗膜の光沢がなくなり、汚れが付着しやすくなります。またカビも発生し、いずれ塗膜がはがれたりひび割れが発生したりします。
ただ外壁塗装が仕上がった時点では、塗料を薄めて使う不正が行われたかどうかは、施主にはほとんどわかりません。
塗料を薄めて使う不正の抑止
建物の調査を行う前の見積もりと建物の調査後の見積もりで、塗装面積が大きく異なる場合は悪徳業者の可能性があるので注意してください。
建物の調査後の見積もりで塗装面積がわかるので、希釈量や1缶あたりで塗装が可能な面積、塗布量を調べれば、素人でも塗料が何缶必要か理解できます。
外壁塗装業者に自宅の外壁塗装に何缶の塗料を使用するかを質問することで、不正の抑止につながります。
この時に、適正な回答があっても実際に塗装工事がはじまると、塗料を必要以上に薄めて使う不正が行われることがあります。
このような場合、現場に搬入された塗料の数などをチェックして、塗装工事が終了したら、塗料が全て使われたかどうか確認するようにしましょう。