雨漏りの原因で意外に多い、ベランダからの浸水はなぜ起こる?
経年劣化などで、二階のサッシやサッシ周り、外壁のひび割れ、エアコンの配管スリーブといった開口部のわずかな隙間から雨水が侵入して、一階の雨漏りの原因になることがあります。
通常、二階のサッシ本体やサッシと建物の間には、ゴムパッキンなどが付いていますので、簡単に雨漏りすることはありません。
ただ、サッシ本体のネジがゆるんだり、サッシと建物の間に充填されたシーリングが劣化してひび割れる、といった不具合が発生すると、不具合が発生した部分から雨水が浸入して一階が雨漏りすることがあります。
ネジの締め直しや劣化したシーリングをはがし、新しいシーリングを充填し再塗装をすると雨漏りを防ぐことができます。
二階のサッシやサッシ周辺のシールの劣化が原因で一階の雨漏り
外壁に設置した窓のサッシは、雨漏りの原因なることがあります。例えば、二階建ての家であっても、一階の天井にシミができたりして雨漏りしている場合、二階のサッシやサッシ周りの隙間から雨水が浸入している場合があります。
通常、サッシ本体やサッシと建物の間には、ゴムパッキンをはじめ、防水テープ、防水紙、シールが付いていますので簡単に雨漏りすることはありません。
ただ、経年劣化などの理由でサッシ本体やサッシと建物の間に不具合が発生すると、そこから雨が入り込むことがあります。
例えば、サッシ本体の下枠と縦枠の結合部には、防水ゴムパッキンが仕込まれており、ネジで固定されています。
ただ、このネジが長年にわたる窓の開閉によってゆるむと、下枠と縦枠に隙間ができてサッシから雨漏りすることがあります。この場合は、ネジを締め直すことで雨漏りを解決できる可能性があります。
また、サッシと外壁の間に充填された浸水防止のシーリングが劣化し、ひび割れが発生すると雨漏りの原因になります。
シーリングは塗料で保護されている場合があり、塗料のひび割れが発生したら要注意です。
劣化したシーリングをはがし、新しいシーリングを充填し再塗装することで雨漏りを防ぐことができます。
シーリング(コーキング)が劣化することによる雨漏り
外壁には色々な種類があり、サイディングボード、モルタル壁、トタン壁、ALCボード、コンクリート壁などがあり、経年劣化や自然環境によりひび割れや穴が発生します。
サイディングボードの中でも、窯業サイディングの継ぎ目には、シーリング(コーキング)が充填されています。
二階の壁で使われている窯業サイディングの継ぎ目に充填されているシーリング(コーキング)が劣化しひび割れることで、そこから雨水が浸入し一階の雨漏りの原因になることがあります。
こういったケースでは、劣化したシーリングをはがし、新しいシーリングを充填すると雨漏りが止まります。外壁を保護する塗料の塗膜にひび割れや色あせ、白い粉状になるチョーキングが発生すると、壁にひび割れなどが発生する兆候なので、見落とさないように定期的に点検し、必要に応じて再塗装してください。
地震などで建物が歪んで壁のひび割れが発生することもあるので、「まだ耐用年数内だから」といって安心せずに、定期的に点検しましょう。
電気線やエアコンの配管などを、外部から室内に通すために開けた壁の穴とスリーブの間に充填したシーリングが劣化してひび割れが発生すると、そこから侵入した雨水が一階の雨漏りを引き起こすこともあります。この場合は、新しいシーリングを充填すると雨漏りを防ぐことができます。
モルタル壁の下には防水シートがあるけれど
セメント、砂、水を練り混ぜたモルタル使ったモルタル壁は、昔から使われています。
新築のモルタル壁にはよくひび割れが発生しますが、モルタルの下には防水シートが貼ってありますので、全ての亀裂がすぐに雨漏りの原因になるとは限りません。
ただ、モルタル壁の中でも、窓のサッシに接した部分にひび割れが発生すると、サッシと壁に隙間ができてしまい、一階の雨漏りの原因になる可能性が大きいので注意が必要です。
ヘアクラック程度のひび割れであれば、塗装をはがし、シーリングを塗布する程度で済みます。
ただ、深く幅があるひび割れの場合、塗装をはがし、ひび割れに沿ってVカットし、シーリング、樹脂モルタルといった順に充填します。
ALCの外壁は歪みにより雨漏りを引き起こすことも
セメントや生石灰などでできているALCを使ったALCボードは、耐火性、防火性、強度に優れているので外壁に使われています。
単体での耐用年数は50年といわれるALCボードですが、例えば、建物が歪んでしまうと二階にあるALCボードのジョイント部にヒビ割れが発生することがあり、一階の雨漏りの原因になることがあります。
ジョイント部にシーリングを充填して雨漏りを防止しましょう。
部分的な修復が難しいガルバリウム鋼板
トタン壁では、ガルバリウム鋼板を使うことがあります。
ガルバリウム鋼板は、鋼板にアルミニウム、亜鉛、シリコンを含んだメッキをしたものです。
カラートタンに比べ、錆が発生しづらいガルバリウム鋼板であっても、耐用年数が過ぎると、二階の部分に穴あきなどの不具合が発生し、一階の雨漏りの原因になることがあります。
ガルバリウム鋼板は部分的な修復は難しいと言われ、張り替えになってしまうこともあります。
壁にチョーキングが出てきたら要注意
壁に致命的なひび割れなどが発生する前に兆候があらわれますので、定期的な点検を行いなるべく早く補修しましょう。
兆候としてあらわれるのは、外壁を保護する塗料の塗膜にひび割れや色あせ、白い粉状になるチョーキングです。
このような兆候を発見したら、塗料の耐久性に限界がきていますので、塗り替えを検討しましょう。
また、外壁のひび割れは経年劣化以外に、地震などで建物が歪んで発生することもあるので、耐用年数内だからといって安心せずに、まめに点検しましょう。外壁の補修は業者さんに連絡して相談してください。
二階の壁に設置してある電気線などが原因で一階が雨漏りする
電気線をはじめ、テレビアンテナ線、電話線、エアコンの配管を外部から室内に通すために壁に穴を空けてスリーブを取り付けます。
この際に雨水が浸入しないように、壁とスリーブの間にはシーリングを充填します。このシーリングが時間の経過とともに劣化するなど、ひび割れが発生すると雨漏りの原因になります。
二階建ての家の場合、二階の壁に穴を空けて電柱などからこれらの線を室内に引き込みますので、ひび割れから雨水が浸入し、一階の天井などに雨漏りが発生します。こういった場合も新しいシーリングを充填すると雨漏りは止まります。