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佐久間太貴

品質重視、地域密着型の外装・防水塗装の専門家

佐久間太貴(さくまうずき) / 外壁・防水塗装職人

株式会社エスユープレイス

コラム

雨漏りの原因で意外に多い、ベランダからの浸水はなぜ起こる?

2016年7月25日

テーマ:雨漏りの修復

コラムカテゴリ:住宅・建物

雨水が建物内に侵入すると、構造部材を腐食させて建物の耐用年数を短くするばかりではなく、カビやシロアリの発生原因にもなります。
そのため、雨が多い日本では、雨漏りに対して十分に気を付けなければなりません。
屋根以外には、建物本体から張り出したベランダが雨漏りの原因になることが多いです。

ベランダの床部分には色々な防水方法が施されており「シート防水工法」「FRP防水」「ウレタン防水」があります。

塩化ビニール樹脂シートや合成ゴム系の防水シートを使ったシート防水工法では、経年劣化などでシートの穴が空いたり、裂けたりして、そこから雨水が建物内に侵入して雨漏りが発生します。穴が空いたり、裂けたりしたシートは、交換して修理します。

一方、FRP防水やウレタン防水を施したベランダの床部分に、経年劣化でヒビ割れや隙間が発生し、そこから雨水が建物内に侵入して雨漏りが発生することがあります。
床部分の塗膜のヒビ割れであれば、トップコートを塗るだけで済みますが、深いヒビや大きい隙間であれば、防水工事をやり直して修理します。

シート防水工法ではシートの上からトップコートを塗ることで寿命を伸ばせます。また、FRP防水やウレタン防水でもトップコートを塗り替えれば、寿命が延びます。
トップコートを5年ごとに塗り替えれば、長期的にみてベランダのメンテナンス費用が安くなります。

今回は、ベランダの雨漏り原因と修理などについて見ていきましょう。

ベランダの防水シートの劣化による穴が原因の雨漏りについて

防水シートを使って、ベランダの床部分から漏水を防ぐ方法を「シート防水工法」といいます。

この工法では、塩化ビニール樹脂シートや合成ゴム系の防水シートを使います。これらのシートが劣化してしまい、穴が空いたり、裂けたりして、そこから雨水が建物内に侵入して雨漏りが発生します。

シート防水工法の一種、塩化ビニール樹脂シートを使った接着工法は、まず床面の下地処理を行ない、接着剤を塗布し、塩化ビニール樹脂シートをローラーで押さえて圧着します。
塩化ビニール樹脂シートを使った機械的固定工法では、鋼板器具やビスなどでシートを固定するのが特徴です。

この工法では、床面に下地処理を行なった後に、器具をつかって固定した絶縁用シート、塩化ビニール樹脂シートの順に固定します。接合した部分や端っこを溶着した後、シーリング材で隙間を埋めます。

一方、合成ゴム系のシートを使った防水工法(接着工法、機械的固定工法)では、まず床面の下地処理を行ない、プライマーを塗ります。
次に、接着工法では床面に接着剤を塗布し、機械的固定工法では鋼板盤とビスを使い、合成ゴム系シートを固定します。

ローラーなどで、合成ゴム系シートを転圧した後に、漏水防止のために、接合部にはシーリング材などを充填します。

ベランダの床面に穴や裂け目が発生したら、塩化ビニール樹脂や合成ゴム系のシートを機械的固定工法や接着工法で交換するのが一般的です。

ベランダのヒビ割れが原因による雨漏り、FRP防水について

FRP防水やウレタン防水を施したベランダの床部分に、経年劣化で隙間やヒビ割れが発生し、そこから雨水が建物内に侵入して雨漏りが発生することがあります。

FRP防水は、軽量で耐久性があるためベランダにはよく行なわれる工事です。この工事では、床面に下地処理(ゴミの除去、ケレン作業)を行った後、プライマー、下塗り塗料の順に塗ります。

次に防水用樹脂塗料を塗り、ガラスマットを敷いた後、塗料を塗ります。この工程をもう一度行った後に、トナーを入れた中塗り塗料を塗り、サンドペーパーやディスクサンダーなどで表面を磨きトップコートを塗ります。

一方、ウレタン防水の工事(通気緩衝工法)では、ガラスマットを使わず水蒸気を大気中に排気する脱気筒を設置するのが特徴です。
この工事では、床面に下地処理(ゴミの除去、ケレン作業、目地のシーリング充填)を行った後、プライマーを塗り通気緩衝シートを敷きます。
通気緩衝シートがラップしている部分から漏水しないように、テープを貼りつけた後、脱気筒を設置します。

次に、垂直な部位にウレタン塗料防水剤を塗り、ガラスクロスを貼った後、また、ウレタン塗料を塗ります。
平面な部位にウレタン塗料をコテなどで広げながら2重に塗り重ね、最後にトップコートを塗り完了です。

ベランダのヒビ割れは、ウレタン防水工事も

ウレタン防水の工事(密着工法)では、下塗りと上塗りでウレタン防水剤を使うことが特徴です。
床面に下地処理(ゴミの除去、ケレン作業、目地のシーリング充填)を行った後、プライマーを塗ります。

次に、コテなどを使いウレタン防水剤を塗った後、下塗りとして補強布敷いて、ウレタン防水剤を重ね塗りします。乾燥させた後に上塗りとして、ウレタン防水剤を塗ります。最後にトップコートを塗り完了です。

床部分が経年劣化で塗膜のヒビ割れであれば、トップコートを塗るだけで済みますが、深いヒビ割れや大きな隙間であれば、ご紹介した工事をやり直します。

定期的なメンテナンスで事前にベランダからの雨漏り防ぐ

シート防水工法を施したベランダの場合、塩化ビニール樹脂シートや合成ゴム系の劣化により、ひび割れや剥離が発生し雨漏りの原因になるので、トップコートを塗りひび割れや剥離を防ぐことが重要です。

トップコートの耐用年数が5年程度なので、5年ごとにトップコートを塗り替えましょう。
FRP防水やウレタン防水も同様で、5年ごとにトップコートを塗り替えることで長持ちさせることができます。

5年ごとにトップコートを塗り替えるだけで、長期的にみてベランダのメンテナンス費用も安く抑えることができますので、まめに業者さんに依頼しましょう。

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