オンラインレッスン開講します
高い音が出ないとき、何とか出そうと思ってもなかなかうまくいきません。
声帯や喉は自分ではよく見えないところにありますから、どうしたらよいのか分からなくなってしまいがちです。
でも、声を出すことも基本は「物理」です。
まずは、高い音の出る仕組みを「物理的に理解」することがとっても大切です。
高い音の出る仕組みがわかったら、自分の身体に置き換えてトレーニングしていけばよいのです。
仕組みを理解していないと、無駄な努力をしてしまいます。
仕組みの理解
さて、では高い音のことをちょっと考えてみましょう。
「高い音」と「低い音」って何が違うのでしょう?
「音」は、物の振動によって発生します。
そして「高い音」は振動数が多いのです。
振動数が多いほど、音は高く聞こえます。
では、振動数を多くするにはどうしたらよいでしょう?
楽器ならイメージしやすいですね。
どんな楽器でも小さいものが高い音を出します。
小太鼓と大太鼓。
フルートとピッコロ。
バイオリンとコントラバス。
比べてみるとわかります。小さい方が高い音が出ます。
そして、ギターやバイオリンなどの一本の弦で高い音を出すときは、弦を短く押さえて演奏します。
つまり振動するものを小さくすると高い音が出るのです。
実験してみましょう
手近なもので実験してみましょう。
タッパーに輪ゴムをかけてみてください。
そして輪ゴムをはじいてみます。
ビョンビョンと音が鳴りますね。
次に真ん中を押さえて、片側をはじいてみます。
出てくる音の高さが変わりますね。1オクターブ高くなります。
どんどん短くしてみると、音はどんどん高くなります。
ゴムが短いほど「高い音」が出ますね。
物理的には、それだけなのです。
この原理を声帯に応用します。
では自分の喉で
まず「高い声」を出すときは声帯を少し張って、振動する部分を小さくする。
息の通り道を小さくするのですが、声帯は自分で見たり触ったりできませんから゛「高い音」を出そう“とイメージするだけでいいですよ。
そうしたら次のことに注意してください。
◎声帯自体を押し上げないこと。
高い音の出るポイントは、喉の上の方にあるわけではありません。
声帯の位置を変えようとしないで。そのままの場所で。
そして声帯まわりの”力み“をなるべく減らしましょう。
力を入れると、声帯が自然な動きをしなくなってしまいます。
かえって声が出にくくなりますね。
◎息のスピードはゆっくり。
振動させるもの(声帯)が小さいのですから息は少なめで良いのです。
また、息を速く送ると雑音になってしまってきれいな声になりません。
強く吹きだそうとしないで。雑音が出ないよう、ゆっくり、そおっと息を送ります。
よく自分の声を聞いてください。
きれいな声にならなかったら、まず息をゆっくり。
◎声を上に向けないこと。
空中の高いところに、高い音があるわけではありません。
喉から、そのまま声が空中を水平に広がっていくようなイメージで声を出します。
首の後ろを意識するくらいがちょうどよいです。
そうやって練習していくと、高い音はだんだん楽に出るようになってきます。
喉が慣れるまで時間はかかると思いますが、ぜひ試してみてくださいね。