PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

介護福祉事業はどんどん参入すべき将来性のある業界

介護福祉事業の利益拡大を応援する経営コンサルタント

猪野由紀夫

介護福祉事業の利益拡大を応援する経営コンサルタント 	猪野由紀夫さん
介護福祉事業の利益拡大を応援する経営コンサルタント 	猪野由紀夫さん

#chapter1

介護福祉業界で働きたい人を増やす秘訣とは?

 日本の65歳以上人口は、「団塊の世代」が75歳以上となる2025年には3,677万人に達すると見込まれています。その後も65歳以上人口は増加傾向が続き、2042年に3,935万人でピークを迎えます。総人口が減少する中で65歳以上の者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、2036年に33.3%で3人に1人となる社会が到来すると推計されています。75歳以上の割合は、2065年には約4人に1人が75歳以上の者となると推計されています。
 そのような高齢化社会の到来において、2025年での介護業界での就業者は215万人で、31万人が不足すると推測されています。

「介護福祉事業は、実は数少ない成長産業なんです」と話すのは、DCC株式会社代表の猪野由紀夫さん。猪野さんは介護福祉経営者の開業支援を中心に、歯科や一般企業の経営コンサルティングも行っています。

 超高齢化社会になりつつある日本では、介護福祉事業はこれから利用者が増えていくため伸びていく産業です。ところが働く人が足りず、介護サービスを受けられない「介護難民」が出る可能性があるそうです。介護職は精神的にも肉体的にも重労働の上、給料が安いというイメージがあるのですが、猪野さんはこの介護に対するイメージを変えようとしています。

「介護業界で働く人の待遇や働き方を変えることで改善できます。そのためには利益を出す必要があるのですが、まずは人手に頼りきっている書類の手書きからスマホやタブレットPCによるIoT化を推進していくことと、介護報酬での「加算」をしっかり請求できる体制を整え、利益をしっかり出して社員に還元する形にするべきだと思います」と猪野さん。

 介護福祉事業で利益を出せるようになれば人件費も多く取れるので、優秀な介護福祉士や看護師、ヘルパーを集めることが可能になります。また、職場の評価制度を構築して就業規則を整備すれば、正しい形で社員の年収もアップでき、利益を社員に還元できるそうです。

#chapter2

介護ロボット導入の助成金や補助金を活用しよう!

「国からの介護報酬は今後ますます削減されることが予測されます。そうなるとますます事業経営者としては不安になるかもしれません。しかし、日本では高齢化社会が加速して介護が必要な人も増えていくことから、国が介護福祉事業を支援してくれる方向になると前向きに考えましょう」と猪野さんは語ります。その一環として、国だけでなく自治体からも補助金や助成金が数多く創設されています。介護報酬を下げられたとしても、補助金や助成金を確保して補うことが可能なのだそうです。

 IoT化とロボットの導入によって業務が効率化したり重労働が減ることで安全で快適な職場になり、人材の採用がしやすくなるメリットが生まれます。さらに、快適な仕事になるため退職者の減少が期待でき定着率の向上が図れます。採用コストが削減でき、その分を給料に還元できてさらに社員が辞めなくなる好循環ができるでしょう。そのためにも助成金や補助金の活用が重要になってきます。人手不足と在宅介護に対応できる訪問記録のIT化、介護報酬請求事務の効率化・迅速化、介護ロボットの活用を積極的に導入するためにも助成金・補助金の活用は必要不可欠です。

猪野由紀夫さん著書

#chapter3

相続や事業承継の大切さを伝える

 猪野さんは介護福祉施設に対する経営支援の延長線上として、高齢の方の財産や事業を次の代へ引き継ぐための「相続・事業承継」について代行するサービスを行っています。介護サービスを利用している高齢者が亡くなり相続が発生した場合、数々の面倒な手続きが発生します。銀行・クレジットカードなど金融機関、保険会社、市役所・年金事務所、そして遺産分割から相続税申告まで、葬儀が終わってから手続きは100以上あります。それを全部丸抱えで引き受けしており、残された高齢の配偶者や遠方のご子息から感謝の声をいただいております。猪野さんは、そのために「横浜町田相続代行センター」を開設し、その手続き業務を格安の手数料で運営しています。

 また介護福祉事業の経営者に中には、「事業承継に関しては、税金がかかることを知らない方が多いです。その事業の『株価』が意外に高評価されて税金がかかることがあります。慎重に行えば賢く節税できるんですが・・・」と猪野さんは適切な事業承継の重要さを訴えます。

 2018年10月には著書『後継者がいる・いない別、経営者が考えておくべきこと・知っておくべきこと』を発刊し、事業承継について分かりやすく体形的にまとめました。一般の事業経営者から医療法人まで幅広くコンサルティングした経験を活かして、事業継続だけでなく事業の売却までも考えて、「事業承継」していくポイントを解説しており、経営者には無料でプレゼントしています。

 猪野さんはこれからも介護福祉事業をビジネスチャンス思ってもらえるように介護福祉業界の理解を得られるよう日々奮闘していくとのことです。

(取材年月:2019年1月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

猪野由紀夫

介護福祉事業の利益拡大を応援する経営コンサルタント

猪野由紀夫プロ

税理士

DCC株式会社

長年の税理士と人事の経験を基に、障害者福祉事業の起業から指定申請、採用教育まで一貫した経営コンサルティングを提供しています。融資や介護ロボットの導入に関する補助金等の申請代行も積極的に行っています。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ神奈川に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または朝日新聞が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO