外壁塗装は修繕費として計上できる?
台風などの自然災害で屋根や外壁の修理が必要になった際、火災保険を使うことができます。
8割を超える火災保険の加入率
塗り替えリフォーム専門店アイビーリフォーム代表親方の小口哲司です。
内閣府の調査では火災保険の世帯加入率は8割を超えているそうです。加入率が高い理由の一つに、住宅ローンを組むときに火災保険への加入が義務づけられていることが挙げられていますが、それはそれとして、やはり多くの方がマイホームを持ったとき「火事は怖い」と考えるからでしょう。
しかし、火災保険は「火災」という文字の印象が強いためか、台風や強風による「風災」にも適用されることを意識していない方も多いようです。
例えば、台風で屋根の瓦がずれたり屋根材が傷んで修理が必要になった場合、火災保険を使うことができます。もちろん、加入している火災保険の種類によって適用範囲が異なりますが、現在、多くの方が加入されている火災保険は、風災や水害も補償するタイプの可能性が高いと思います。一度、自分が加入している火災保険の種類を確認してみましょう。
火災保険が支払われるまでの流れ
火災保険が支払われるまでの流れは次のようになります。
(1)保険会社への連絡
まず保険会社に連絡することになりますが、「台風で屋根がやられてしまった」と連絡し、「では、保険金をお支払いしましょう」ということにはなりません。
保険金請求書だけではなく、どんな損害があるか、修理にどれくらいのお金が必要になるかを示す書類が必要になります。
(2)必要書類の準備
修理が必要であることはわかるし、一刻も早く修理したいと思っても、具体的に損害がどの程度で、修理にいくらかかるかは、やはり専門家に診てもらう必要があります。
専門家というのは、修理工事に携わる工事業者です。損害を受けた屋根や外壁の写真撮影、工事の見積りを依頼します。火災保険の扱いに慣れた業者であれば、損害状況を確認することで、火災保険が適用されるかどうかの判断も行なうことができます。
(3)鑑定人による現地調査
保険会社は保険金の支払いには慎重を期します。悪く言えば「出したがらない」とも言えそうですが、契約条件に合っているか、補償の適用範囲内であるか、そして、損害の程度はどのくらいかを確認します。そのために損害保険鑑定人が派遣されます。
損害保険鑑定人は損害状況を確認し、それを保険会社に報告、保険会社はその報告から保険金を支払うかどうかの判断をします。
(4)保険金額の決定
保険会社が「今回の損害は保険の補償対象である」と認定したら、保険金の金額を確定し、保険加入者の口座に保険金を振り込みます(保険の対象外とみなされた場合、保険金はおりません)。
保険の契約書は読むのが面倒なものですが、「こういう場合には保険金を支払います」ということが書かれている重要な資料です。きちんと目を通し、万一の際、役立てるようにしておきましょう。
工事費の支払いタイミング
ところで、火災保険を使って修理工事を行なうときもそうですが、例えば外壁の経年劣化のために塗り直しが必要になったという場合も、工事費をいつ支払うかという問題があります。
私どもでは、通常の外壁塗装の場合、工事着工時(足場組んだ時)に約30%、工事完了後に残額分(追加工事がある場合は追加分も)という形でお支払いをしていただいております。
契約時には、特に手付金のようなものもはいただいておりません。あくまでも、工事が始まってからのお支払いとなります。理由は、時期によってはご依頼が重なり、工事開始まで少しお時間をいただく場合もあるからで、工事を始める前に費用をいいただくことはありません。
そのため、契約時に工事代金全額を請求してきたり、工事が終わる前に代金全額の支払いを求めたりする場合は注意した方がいいでしょう。
支払いや費用については、契約時にきちんと確認することが大切で、口約束ではなく契約書面を交わし、きちんと内容を確認してから契約するようにしましょう。