外壁タイルのメリット・デメリット!
外壁にはクラック(ひび割れ)ができてしまうものですが、その理由や対処法についてお話しします。
外壁にクラックができる理由
塗り替えリフォーム専門店アイビーリフォーム代表親方の小口哲司です。
住宅の外壁材にはいくつか種類がありますが、現在の主流は窯業系サイディングです。新築住宅の場合、約8割を占めていますが、モルタルやコンクリート外壁もあります。まず、それぞれの外壁にクラック(ひび割れ)ができる理由を見てみましょう。
まず、窯業系サイディングボードです。窯業系サイディングは耐久性に優れた外壁材ですが、サイディングボード自体の防水性はあまり高くありません。そこで、塗料によって防水性を保っています。その塗料の塗膜に経年劣化による剥がれなどの症状が出ると、サイディングボードが水分を含むことになります。そして、夏の暑さ、冬の寒さによって収縮膨張を繰り返すことでボードにクラックが生じます。
もう一つの理由として、サイディングボードを固定している釘があります。厚さが14mm以下のサイディングボードは釘で固定します。しかし、地震、地盤沈下などで建物が動くと、ボードの端を固定した釘周辺にクラックが生じることがあります。
モルタル外壁の場合、クラックが生じる主な理由は、モルタル自体の収縮と家の構造木材の乾燥収縮などの動きです。
モルタルのクラックは宿命的とも言われますが、添加剤や下地にメッシュを入れることである程度クラックを抑制できるようになってきています。
戸建て住宅のコンクリート外壁にクラックが入る理由は複合的で、いくつかの要因が重なって起こります。しかし、その大きな理由は、やはりコンクリートの収縮です。
コンクリートが乾燥して収縮しようとする際に、鉄筋・柱などによって縮もうとしても縮めない状態になると、鉄筋・柱などに引っ張られるかたちになります。コンクリートは圧縮力(おさえつける力)には強いものの、引っ張られる力には弱く、そのためクラックが生じます。また、コンクリートの内部の鉄筋が錆びて膨張し、クラックが生じる場合もあります。
クラックを放置するとどういうことが起きるか
外壁にクラックが生じた際は、なるべく早くメンテナンスをすることをおすすめします。クラックを放置しておくと、さまざまな危険が起きる可能性があるからです。そのうち大きなものは次の4点です。
①雨漏りが始まる可能性がある
クラックは雨水の浸入口になります。雨水が浸入してもすぐにその影響は現れることはありませんが、時間が経つに従い壁の内側を傷め、室内への雨漏りが始まる可能性があります。事実、雨漏りの原因は、屋根よりも外壁の傷みから来る場合が多いのです。
②住まいの耐性が落ちる
クラックから浸入した雨水は、徐々に外壁の下地を腐食する恐れがあります。最も怖いのは外壁内部の構造体を腐食させることです。柱・梁など住まいを支える構造材が腐食すれば、住まいの強度は低下します。
そして、腐食と共に注意したいのが、水分を含んだ構造材にシロアリが発生することです。柱・梁などがシロアリにやられると住まいの耐性は著しく低下し、強い地震に耐えられなくなる危険があります。
③健康被害につながる
クラックから浸入した雨水は、家の中にカビが発生しやすい環境を作ります。カビは人体に悪い影響を及ぼす可能性がありますし、カビを餌にするダニの発生を促します。カビやダニが繁殖した住まいは健康的な住まいとは言えません。
④住まいの美観を損なう
外壁にクラックがある家はどうしても見た目が悪くなってしまいます。せっかくのマイホーム、見た目も美しいほうが日々の生活も気持ち良く送れるでしょう。
クラック補修の流れ
クラックの中でも、小さなものはヘアークラックと言います。塗膜部分に髪の毛程度の線が入る軽度のクラックです。この程度であれば、重ね塗りでクラックを埋めてしまうこともできますし、フィラーと呼ばれる下塗り材をひび割れに刷毛で擦り込む方法もあります。また、クラックの中に接着剤を注ぎ込む補修法もあります。
しかし、クラックが大きく深い場合、クラックに沿ってグラインダーでU字(あるいはV字)に溝を作り、その後、プライマーを塗布してからシーリング剤を注入します。そして、シーリング剤がU字にカットした部分に隙間なく行き渡るようヘラで調整します。
これでクラックそのものの補修は完了しますが、補修跡が目立つ場合、既存の外壁の色と合うように塗装補修を施します。「肌合わせ」という言い方をしますが、ローラーや吹付けガンで周囲に馴染ませるように仕上げます。
ご注意頂きたいのは、どの程度のクラックかを正確に判断するには専門家の知識・経験が必要ということです。ご自宅の外壁にクラックが見つかったら、まず、専門家に相談することをおすすめします。