サイディング塗装!さまざまな症状にすぐに対応するのがカギ!
金属系サイディングは、モルタルの1/10、窯業系の1/4軽さで住まいへの負担が少ないなどの長所があります。今回は、金属系サイディングの特徴や塗装方法についてご紹介します。
金属サイディングの特徴
塗り替えリフォーム専門店アイビーリフォーム代表親方の小口哲司です。
新築の戸建て住宅に用いられる外壁材は、窯業系サイディングが主流で、全体の約8割を占めています。しかし、リフォーム用ということで見てみると、金属サイディングが窯業系サイディングを上回るというデータもあり、やはり人気のある外壁材であることがわかります。
金属サイディングの大きな特徴は軽さにあります。モルタルの1/10、窯業系の1/4の軽さですから、モルタル、窯業系の外壁に重ね張りをしても住まいへの負担が少なくてすみます。リフォーム用で窯業系を上回るというデータがあるのもこのためでしょう。
住まいの耐震性を測る際は耐力壁の量が重要になります。そして、同じ耐力壁の量であれば、重い建物より軽い建物のほうが地震に対して安全性が高いと言われています。
この点を考え、新築住宅であっても金属サイディングを選択される方も少なくありません。
また、金属サイディングの裏には、断熱性能を持った建材が裏打ちされています。そのため、他のサイディングにくらべ断熱性能が高く、省エネ効果が得られます。
表面が金属板なので防水性が高いことも大きな特徴です。また、表板のデザインも金属のシャープな感じをそのまま活かしたものから、木目調、レンガ調などバリエーションも豊富になっています。
金属サイディングの注意点
しかし、金属サイディングも他の外壁材と同じく経年劣化は避けられません。
一つは塗膜の劣化、もう一つは傷や錆など金属サイディング自体の劣化です。
塗膜の劣化は他のサイディングのように、表面に光沢がなくなる、色合いが薄れるという症状やチョーキング現象によって判断することができます。チョーキング現象というのは、外壁を手でなでると手のひらにチョークの粉のようなものがつく現象です。粉を吹く、という言い方をすることもありますが、塗料に含まれる顔料が塗膜表面に露出してきている状態です。
金属サイディングには衝撃に弱いというデメリットがあります。たとえば、窯業系サイディングの場合、硬式野球で使う硬いボールが当たったくらいで凹んだりはしませんが、金属サイディングには凹みができてしまいます。また、先の尖ったもので擦られると傷がつきやすく、こうしたことからサイディング自体の劣化が起こります。
しかし、もっと注意しなければならないのは錆です。塩害が起こりやすい海沿いのお宅はこまめに点検する必要があります。
金属サイディングの塗装
金属サイディングを再塗装する際の流れを見てみましょう。
■錆などの処理
金属サイディングの錆には2つの種類があります。
一つは赤錆です。古い外階段の手すりになどに見られるのと同じ赤い錆です。金属サイディングの接合部分から生じます。
もう一つは白錆です。放置された金属パイプの表面にプツプツと白い錆がついているのを見たことはないでしょうか。あれが白錆です。金属サイディングの表面にも同じような白錆が生じます。
塗装に入る前にこの錆を研磨紙やワイヤーブラシ、サンダーなどを使ってきれいに落とします。また、古い塗膜の剥がれや浮きが残っていると、新しい塗料を塗ってもすぐに剥がれてしまうので、これもきれいに取り除きます。
■高圧洗浄
高圧洗浄機で洗浄し、塗装面をきれいにします。業務用の洗浄機の水圧は非常に高いため、余計な水圧をサイディングや建物に与えないよう注意しながら洗浄します。
■塗装工程
塗装は窯業系サイディングと同じように、下塗り、中塗り、上塗りの順で進めますが、金属サイディングの場合、下塗りには防錆力のある塗料を用います。特にサイディングの接合部分は塗装後、錆が再発しやすいため、塗料を十分に塗布します。金属サイディングの塗り替えにおいては、とくに錆防止が大事になります。
下塗りが乾燥した後、中塗り、上塗りに移ります。いずれも塗料の乾燥が大事ですから、それぞれ1日は見ておくほうが良いでしょう。
スリ傷・カキ傷の補修
金属サイディングの住宅にお住まいの方は、サイディングについたちょっとしたスリ傷やカキ傷が気になると思います。そこで、簡単なメンテナンス方法をお話ししましょう。
傷まわりを柔らかい布やスポンジで水洗いしてきれいにします。水洗いで落ちない汚れは薄めた中性洗剤で洗って下さい。アルコール、シンナーなどの有機溶剤は塗装に影響しますから避けましょう。クレンザーなど研磨剤入りの洗剤もサイディング表面が傷ついてしまいます。ブラシなどで強くこするのも厳禁です。
傷まわりがきれいになったら(洗剤を使った場合は水できれいに洗い流します)、十分に乾燥したことを確認し、その後、補修塗料(メーカー推奨品)で補修します。