放っておくと危ない!サイディングボードの危険信号!
屋根補修の作業工程についてお話ししましょう。工程について少しでも知っておくと、見積書や実際の作業をチェックするときに役に立ちます。
1足場を組みます
塗り替えリフォーム専門店アイビーリフォーム代表親方の小口哲司です。
屋根塗装の作業工程を知っておくと見積書をチェックする際に役立ちますし、作業自体のチェックにも役立ちます。
屋根塗装の第一工程は足場を組むことです。足場は塗装を安全に、また、しっかり行うために欠かせません。また足場を組むだけではなく、塗料の飛散防止のためメッシュシートを張ります。
急勾配の屋根を屋根足場なしで施工する業者さんもいますが、そうした業者は注意すべきです。
足場をなくすことで塗装費用を下げ、それで仕事を取ろうという考えかもしれませんが、きちんとした施工をするために必要なものを外すというのは理解に苦しみます。
2高圧洗浄で屋根をきれいにする
高圧洗浄機を使って屋根の汚れを落とします。汚れたままの屋根に新しい塗料を塗っても、塗料がすぐに剥げてしまうからです。汚れの種類や程度によってノズルを交換しながら、汚れを落とします。
また、高圧洗浄機で洗浄しながら、屋根の劣化具合や傷みを確認していきます。
3下地処理をする
下地処理とは、塗料の古い塗膜を取り去ったり、スレートボードのひび割れを補修するなど、塗装面を塗料を乗せてもよい状態にして行く作業です。
塗装面をヤスリやサンダーで削る、金属部分のサビを取るなど、地道な作業ですが、この下地処理をきちんと行わないと塗装が上手くいかず、せっかくお金をかけて塗装しても数年で塗料が剥がれてしまいます。
塗装面のダメージがそれほどでもなければ作業は1日で終わりますが、ダメージが深い場合、数日かかることもあります。
この点は塗装費用に大きく関わりますから、見積書の段階で業者に説明を求めましょう。屋根にどういう症状が出ているのか、その処理のためにどういう作業が必要になるかを具体的に、また、分かりやすく説明できる業者は信用できます。曖昧な説明しかできない業者は要注意です。
4塗装前の養生
養生とは塗料がついてはいけないところを、マスキングテープやマスカーなどを使って保護することを言います。
マスカーとは、マスキングテープと養生シート(ポリシート)が一体になった養生資材で、作業が効率的になります。屋根まわりだけではなく、車・バイク・自転車、エアコンの室外機など、塗料がついてはいけない箇所も専用のカバーなどでしっかり保護します。
地味な作業ですが、養生をしっかり行なう業者は安心して塗装を任すことができます。
5塗装工程に入ります
塗装前の工程をしっかり行なった後、いよいよ塗装に入ります。
塗装は、下塗り、中塗り、上塗りの順で進めます。それぞれ半日から1日程度かかるとお考え下さい。その理由は、塗料をしっかり乾燥させる必要があるからです。
下塗りは、次に塗る塗料と屋根面とを密着させる、接着剤のような役割を果たします。見積書には「下塗り」ではなく、シーラー、プライマー、フィラーと表記されることもあります。
ちなみに、下塗り、中塗り、上塗り、いずれも同じようにローラーを動かしているように見えますが、実は下塗りには力が要り、中塗り、上塗りになるほどローラーを動かすのがラクになります。
6縁切り、もしくは、タスペーサーの取付
スレート屋根の場合、スレートボードを1枚ずつ葺いていきますが、スレートボードが上下に重なった部分に隙間ができるようにしていきます。雨が降った際、この隙間が雨水の逃げ道になります。
しかし、塗装を行うと塗料がこの隙間をふさぎ、雨水の逃げ道が失われ、滞留した雨水が下地材を傷め雨漏りの原因になってしまいます。
以前は、カッターでふさがった部分を切り、隙間を設けていく作業「縁切り」を行なっていました。スレートボードが重なり合った部分一つひとつに施していく作業ですから、根気が要りますし、その作業で完全に縁を切ることは難しいのです。
そこで、最近ではタスペーサーという部材をスレートボードに挿入することで、雨水の逃げ場を確保する方法が増えているのです。一般住宅の屋根で1000個前後のタスペーサーを使用しますが、カッターでの「縁切り」に比べ、作業の手間もかからず、完全な縁切りができることが特徴です。
7点検と手直し
塗り残し、あるいは、塗りムラなどがないかを点検し、もし、塗り残し等があれば手直しを行います。最終仕上げになりますから、手直し・点検に1日はみておくほうが良いでしょう。
8片づけと足場の解体・撤去
足場、養生を解体・撤去し、清掃を行います。お客様に最終確認を行って頂き、問題がなければすべての作業が完了することになります。
以上、今回お話した作業は、作業面積、1㎡あたりの単価と共に見積書に明記されていることが理想です。ただ、作業項目によっては、「一式○○円」という表記しかできない場合もあります。しかしすべてが、「作業一式 ○○円」という書き方の業者は信用できません。見積書の段階できちんとチェックしましょう。