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Mybestpro Interview

アメリカのプロゴルフ協会の教育メソッドに、独自の研究と実証を重ねたルーティンゴルフを指導

どんな場面でも思い通りのスイングができるよう導くゴルフコーチ

塩崎英一

理想のスイングをマスターするには、何度も反復練習することが大切です
ゴルフスクールの生徒を海外のゴルフコースにアテンドしたこともあります

#chapter1

ゴルフは技術以上に精神面に大きく左右されるスポーツ

 1988年開校の「ゴルフアカデミー・オブ・ジャパン」は、技術とメンタルの両面から指導を行うゴルフスクール。小田急線沿いの百合ケ丘ゴルフクラブでのスイングレッスンと、近隣コースを回りながらのスイングレッスンを一体化させたレッスンが特徴です。

 ゴルフは、山岳、丘陵、シーサイドなど、コースごとに異なるシチュエーションでプレイできるのが魅力です。 一方で、急な傾斜や背の高い林があったり、海から強い風が吹いたりするため、プレーヤーは、それらの自然環境に左右されやすい側面もあります。

 「人は難しい場面に遭遇すると、緊張して十分にパフォーマンスを発揮できないことがあります。楽しくプレイをしていても、その一瞬で調子を崩してしまうことから、力まずプレイするには、技術だけでなく、メンタル面からのアプローチも必要と考えました」と、同スクール代表でゴルフのコーチを務める塩崎英一さん。アメリカのプロゴルフ協会が実践する教育メソッドを基に、同協会の教育部教授で、半世紀にわたり多くのプロゴルファーを指導したデレック・ハーディ氏のノウハウと、脳科学や神経生理学を取り入れた「ルーティンゴルフ」を提唱しています。

 ルーティンとは、スイングをする際に順を追って行う動作のことをいいます。右にバックスイングをする時は、右足に体重をかけ、クラブを持つ両手を後方に伸ばして…というように、一つ一つの身体動作を繰り返し、脳に記憶させることで、理想のスイングが自ずと身に付くようになるというのが、ルーティンゴルフの特徴です。

 「一連の動作を習慣化するためには、何度も反復しなくてはなりません。体と脳で覚えることで、自分の置かれた状況に関係なくお決まりのシステムでスイングできるようになるのです」と説明します。

#chapter2

身体動作を考慮した普遍的な15の原則を定め、一つ一つの動作を実践・習慣化したスイングを構築

 塩崎さんがアメリカのゴルフに出会ったのは、1985年のこと。フロリダ州のカントリークラブに一人のティーチングプロを訪ねた時でした。

 名前はジミー・バラード。野球のバッターのように、右足と左足をうまく使って体重を移動させながらボールを打つという、日本では見たことのないユニークな打法で、多くのプロゴルファーを賞金王に導いていました。その実績にほれ込み、ゴルフを教えてほしいと懇願しました。レッスンを受けると、その一人一人の個性を引き出す自由な指導法に可能性を感じました。日本のゴルファーにも広めていきたいと、帰国後にゴルフスクールを開くことを決意し、開校にあたってハーディ氏を日本に招きました。

 「1980年代、日本のゴルフ業界はまだ技術一辺倒で、体の細かい動きについて言及していませんでした。そこで、ハーディ氏らに協力を求め、スイングに関するノウハウをまとめました。当スクールのテキストには、右足、左足、右手、左手など、体のさまざまな部分をどのように使ってスイングするのかが、15の原則という形で明示されています。この原則の基になっているのが、当時ハーディ氏がまとめたスイングマニュアルです」

 ゴルフにおけるメンタル面については、ハーディ氏と同じ教育部のデビッド・ライト博士の著書を教材にしています。生命科学の研究や科学技術の進歩などにより、新たに実証された理論があれば、それらを実際に取り入れ、塩崎さん自ら検証し、修正や改訂を重ねました。そうして出来上がったのが、ルーティンゴルフです。

思い通りのスイングできることほど、楽しいものはありません

#chapter3

体にやさしいルーティンゴルフで、ゴルフを楽しみましょう

 塩崎さんは、生業とする広告代理店業で、テレビ局と組んでハーディ氏によるゴルフレッスンをテレビで放映したり、DVDを企画・制作したりするほか、大手航空会社と女性のゴルフクラブを開くなど、普及にも取り組みました。国の支援を受けて女子プロ養成のための専門学校の設立と、教育プログラムの設定・指導教育にも携わりました。

 「大空の下で新鮮な空気を吸ってプレイするのは、とても気持ちがいいものです。サッカーやテニスのように激しく体を動かすスポーツに比べると、体にかかる負担も少なくてすみます。しかし、無理な姿勢でスイングして体を痛めたり、ゴルフができない体になったりする人がいるのも事実です。体に負担をかけないルーティンゴルフは、人生100年時代において長く続けられるスポーツです」

 スクールには、「ゴルフを趣味にしたい」「ビジネスに役立てたい」「退職を機に本格的に学び直したい」などのさまざまな思いで、幅広い年齢層の人たちが通っています。その中には全くの初心者だった人もいれば、プロ級の腕前の人も。

 「ルーティンゴルフを身に付けると、体がスイングを始めた瞬間、次から次へと行うべき動作がイメージされ、ゴルフが楽しくなります。ルーティンスイングを5~6回繰り返してみてください。連続する動作記憶に自信が持てます。焦らず、しっかりと基礎から築いていきましょう」 

(取材年月:2021年7月)

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専門家プロフィール

塩崎英一

どんな場面でも思い通りのスイングができるよう導くゴルフコーチ

塩崎英一プロ

ゴルフコーチ

ゴルフアカデミー・オブ・ジャパン

スイングする上で、体のさまざまな部分の動きを定めたアメリカプロゴルフ協会のテキストを基に、1985年から独自の研究と実証を重ねる。スイングレッスンと、ゴルフコースでのラウンドスイングを一体化した指導法

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