バルトリン腺疾患や不妊の悩みに応える漢方相談のプロ
田之上顕子
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バルトリン腺疾患や不妊の悩みに応える漢方相談のプロ
田之上顕子
#chapter1
「デリケートゾーンに腫れがある」「痛みや違和感がある」。
女性特有のそんな症状の多くは、ちつの両側にある分泌腺「バルトリン腺」の開口部や管の部分が何らかの原因で詰まって嚢胞ができる「バルトリン腺嚢胞」や、嚢胞が炎症を起こす「バルトリン腺炎」という疾患かも。
鹿児島市内の国道255号線沿いにある「さつま薬局 鹿児島本店」は、バルトリン腺疾患専門の漢方薬剤師、田之上顕子さんが在籍する漢方専門薬局。
国際中医師でもある夫の晃さんが営んでいた薩摩川内市の店舗から、漢方相談部門を独立する形で開局しました。
市内外から妊活やさまざまな不調の相談に応える中、バルトリン腺疾患については全国各地から年間500件以上もの電話相談が寄せられているそうです。
田之上さんは「婦人科で穿刺(せんし)するしかないと言われた」「一度治まっても、すぐに再発する」「痛い治療や手術はしたくない」という声を受け、一人一人のこれまでの経過や現在の症状を細かくヒアリング。相談者に適した漢方の処方で改善をサポートしています。
また20年来、“子宝アドバイザー”として、不妊に悩む人の体質や体調をじっくりと整えていく「体づくり」をメインに漢方運用法を実践。明るく朗らかな対応は、妊娠を望みながら成果がみられない人の不安な気持ちを柔らかく包み込みます。
「不妊治療への保険適用が拡大するなど認知度も高くなり、医療機関に通院しながらセルフケアを目的として、年齢に関係なく取り組む人も増えています。オーダーメードの漢方処方で、より専門性の高い妊活対応に努めています」
#chapter2
「これほどバルトリン腺疾患で人知れず苦しい思いをされている女性が多いとは、思いもしませんでした」と田之上さん。薬剤師として病院勤務を経験し、晃さんとともに薬局で相談を受けてきた中でも、耳なじみのない病名だったと言います。
「あるとき『婦人科病院で診断がついたものの、どうしても切開したくない。何か方法はありませんか』と駆け込んできた方から、初めて伺ったのがバルトリン腺炎だったんです」
詳しく症状を聞き、解毒に作用する生薬を注意深く組み合わせて処方すると、数日で自然にうみが出て改善したと知らされたそう。
「『似た症状で悩まれている人の参考になれば』と、いつものように一症例としてお客さまの声をホームページで紹介したところ、驚くほどの反響が寄せられたんです。それほど情報が少なく、取り残されている状況にあると知って心が痛みましたね」
年を経るごとに増え続ける相談に対応するうち、さまざまな症例データも集まり、腫れやしこりの状態にアプローチする処方の精度も向上。
誰にも打ち明けられなかった思いを受け止めてくれる田之上さんとの会話は、「もっと早く相談すればよかった」という声が聞かれるほど、多くの人が心の重荷を下ろすきっかけにもなっているようです。
「バルトリン腺がつまる原因や再発しやすい体質のこと、また食事や生活習慣をアドバイスしつつ、仕事や家族との日常生活など、共通する体験や悩み事などで、つい会話が弾みます。普通なら出会えないような遠方の方との貴重な時間、大切にしたいですね。なかには、バルトリン腺が改善したあとも、漢方薬を気に入って体質改善や更年期障害で継続してくださる方もおられ、とてもうれしくやりがいを感じます」
#chapter3
「妊活、バルトリン腺炎やほかの不調も、どんなに医療的な治療法や技術が進もうと、最終的に結果を導き出すのは、ご本人たちの力。生まれつきの体質や生活習慣にもよりますが、いずれも『運悪く不調を被った』と嘆くのではなく、しっかり情報をキャッチして前向きに取り組みましょう」と田之上さん。
「振り返ってみれば、冷え症や食生活、睡眠の質と思い当たるポイントはいくつかあるはず」と、生活の中の少しの意識づけでできることを発信しています。
妊活に取り組む人向けに、田之上さんが独自に発行しているお便りの中では、薬膳の知識を活用した体に優しい簡単レシピを紹介。
「炊飯器でできるニンニク・ショウガと鶏肉の簡単サムゲタン」や「山芋のホワイトソースで作るあったかグラタン」など、特別な材料や調味料、そして手間いらずの薬膳メニューは地元のフリーペーパーでも連載され、「手軽に作れておいしい」と好評だったそうです。
「ポイントにナツメなどを加えれば、まるで韓流ドラマでよく目にする高級メニューのような仕上がりに。ご希望なら店頭のものをお分けしますよ」とにっこり。
「体そのものの機能を促す漢方は、『なんとなく調子が良くない』といった状態が多い私たち女性の体にとても相性が良いものです。私にとっての元気の元は、お客さまとのおしゃべり。漢方を難しいものと考えず、体のリズムを整えて、人生を“しあわせ色”に塗り替えましょう。そんな女性を応援しています」
(取材年月:2024年7月)
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Profile
バルトリン腺疾患や不妊の悩みに応える漢方相談のプロ
田之上顕子プロ
薬剤師
有限会社ナイスファーマシー さつま薬局
20年以上〝子宝アドバイザー”として不妊の悩みに向き合う、「バルトリン腺疾患」専門の漢方薬剤師。豊富な相談実績から、無理のない体づくりと心の重荷を降ろす取り組みをサポートします。
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