中国での国際特許申請は実際問題保護されるのか
特許調査は早期に行うほうがメリット大
特許調査とは、特許の出願のため、また取得した権利の保護、さらには他社の権利を侵害することを避けるために既存の特許情報を調べて必要な情報を得るために行います。
大きく分けると「特許性調査 (特許出願のために行う調査)」と「権利調査(権利保護、権利侵害回避のために行う調査)」があります。
近年では知的財産の重要性への意識が高まるにつれ、特に特許性調査はいかに早期に着手できるかが重要となってきています。
日々の経営のなかで革新的な技術・アイデアが出てきてから「では特許取得のための調査を開始しよう」という流れで行われるケースも当然あります。
しかし、現在では開発や企画のスタート時点から特許取得を見据えて様々な特許調査を実施するケースが増えているのです。
先行技術調査と技術動向調査
特許出願に先立って行う特許性調査として、代表的なものに「先行技術調査」があります。
先行技術調査とは、特許の取得を望む技術・アイデアについて既に他社に権利取得されていないかを調べる調査です。
特許の出願には相応のコストがかかるため、無駄な出願をしないよう入念に調査しておかなければなりません。
さらには、自社の開発・企画段階における情報源として「技術動向調査」も有益です。特許情報のデータベースには、登録(権利取得)前の情報も含めて公開されており、最新の関連技術の動向を推し量ることが可能です。こうした情報をもとに、自社の技術開発方針、特許戦略の構築などに役立てることができるのです。
他にも、海外展開を行うビジネスの場合には「外国特許調査(パテントファミリー調査)」も重要です。日本と海外の特許はそれぞれ別々の権利として存在していますので、海外で事業を行うには当該国の特許の状況を調査する必要があります。
海外の調査機関への依頼が必要になるケースもあり、こちらも早期に調査を進めておきたいところです。
権利侵害予備調査と無効資料調査
権利の保護や、他社の権利侵害を回避するために行う「権利調査」についても代表的な2つの調査を紹介します。
権利侵害予備調査とは、自社で実施する技術や製品が、他社の特許権を侵害していないか確認する調査のことです。知らずに他社の特許権を侵害していたということになると、販売差し止めや損害賠償請求などを要求される可能性もあり、非常に大きな損害を被ります。こうしたリスクを予め排除するために行う調査です。
また、無効資料調査とは、自社がこれから実施する予定の技術が他社の特許権侵害と見なされる可能性がある場合、また権利侵害にて訴えられた場合に、他社の特許権を無効にするために行う調査です。
他社の特許権を無効とする理由を生じさせる先行技術文献(従前に類似特許が存在している等)を調査します。