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特許取得にかかる期間と費用負担は減免制度などを有効活用

中井博

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テーマ:特許取得の活用法

長い期間がかかる特許取得

特許を取得するためには、よく知られているように長い期間が必要なのが実情です。

特許出願の場合には、出願から3年以内に「出願審査請求」の手続をする必要があります。そして、審査請求された順番に審査されるので、一般的には、出願から審査を経て特許権を取得するまでに、おおむね3~4年程度はかかります。
審査を早く受けるために審査請求を出願と同時に行った場合でも、出願から約1~2年程度はかかる状況です。

また、特許権を取得することで権利の行使が可能になりますが、特許の存続期間は「出願」から20年となっています。出願したタイミングから20年という時間制限は刻々と少なくなっていきますが、権利取得するまでの数年の間は、権利の行使ができないという期間になります。
このタイムラグのおかげで、例えば事業開始が遅れるなどして投資回収が進まないというような弊害も出てきます。

こうした状況を改善するために、特許庁でも審査の迅速化が進められ、2013年度末(2014年3月末)には11.0月以下となりました。特許庁は、2023年度までに世界最短レベルの14カ月以内の審査期間にするべく、審査官の育成などの対策をさらに促進しています。

特許の取得にかかる費用

特許の取得にあたっては、特許出願《10,500円》、審査請求時《118,000円+(請求項の数×4,000円)》、登録時《(2,300円+請求項数×200円)×3》と各タイミングで特許庁への手数料支払いが必要になります。

登録時には最初の3年分の特許料をまとめて支払い、4年目以降も毎年の特許料の支払いが求められます。

さらに、類似した先行技術が存在しないかを確認するための先行技術調査や、出願にかかる各種書類の作成などの費用を見積もっておく必要があります。

特許の取得の判断

こうした時間と費用をかけても、審査の結果によっては、特許が認められない可能性もあります。

したがって、特許出願の経験がない企業の場合にとって、特許出願をするか否かの判断は非常に難しいと感じられると思います。

この点に関しては、以下のような、制度の活用を試みてはいかがでしょうか。

早期審査制度と費用減免制度

審査期間を短縮する方法としては、「早期審査制度」があります。この「早期審査制度」をを利用すれば、優先的に審査が行われ、特許取得までの期間を短くできます。半年程度で権利化できる場合もあります。

早期審査制度を利用するには、いくつかの条件がありますが。例えば、すでにその出願発明が実施されている、他国へも関連出願をしている等がその条件になります。しかし、出願人が個人・中小企業である場合は当制度を利用できる可能性が高くなります。

費用面においては、特許庁へ支払う費用(審査請求料、特許料など)を軽減・免除により安くできる制度が整備されています。
出願人である企業の規模や、資金力などによる条件はありますが、ぜひ活用したい制度です。

また他にも、各地方自治体や中小企業支援機関などからの補助や助成を受けられる可能性もあります。そうした情報を事前にしっかりと得て、特許戦略を考えてください。

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中井博
専門家

中井博(弁理士)

中井国際特許事務所

「お客様との面談、現場に足を運ぶ、発明品を自分の目で見る」を3本柱に、地元の中小企業を中心に活躍。過去の経験で培った機械分野の専門知識を武器に、的確な判断力とアドバイスで知的財産権保護に尽力。

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