お客様との対話を大切にする税務のプロ伊藤惠悦

お客様との対話を大切にする税務のプロ

伊藤惠悦

「お客様のために厳しく」父の背中を見て学んだこと

開業してから今年でちょうど50年の「伊藤輝代税理士事務所」。伊藤惠悦さんは、所長であり父である伊藤輝代さんと共に、親子2代にわたり税理士として勤めています。
「これだけ長く続けることができたのは、お客様の話をよく聞いて、妥協せず、一緒に解決策を見出すことを徹底してきたからだと思っています。所長はお客様に対しても厳しい人で、どんな役職の方にも『会社のためにこうした方が良い』とハッキリ言うんですよ。」
そう話す伊藤さんも、最初から父・輝代さんの厳しい仕事ぶりが理解できたわけではないようです。「もっと他にやり方があるのに。こうすればもっとお客様は喜んでくれるのに。などと不満だらけの時期もありました。でも、所長の厳しさは、お客様への誠実さと愛情であることにだんだん気づいていきました」と伊藤さん。
「節税対策への見解が分かれて、別の会計事務所へ移られたお客様がいたんです。でも、そのお客様は『やっぱりあの節税には無理があった。またお願いしたい』と戻ってこられたんですよね。所長のお客様への愛情を実感しました。」
最近でも「何十年も前に相続でお世話になった時、次に自分が死んだ後のことまで考えてくれたから、今回も頼みたい。」と言って、訪ねてくるお客様もいらっしゃるそうです。

新たな税理士像を目指して

一方で、若手税理士として、伊藤さん自身も新たな税理士像を目指しています。
「お客様からの信頼に応えるべく、常に進化しなければならないと思っています。税理士に求められることは、どんどん変化していますね。法人に対しては、コンサル業務（経営相談）がとても大切になってきています。また、個人のお客様も、相続や贈与の相談の際に、「方法の選択」に参加していただくことが、満足につながるように思います。この税務を処理するには、どんな方法があって、それぞれにどんなメリットやデメリットがあって、何を理由にその方法を選択したのか、というような一連の流れを説明して、ご意見をお伺いして反映させることで、たとえ同じ結論であっても、お客様には安心や満足を得られるようです。常に変化するお客様の要望に応える力を身につけていきたいですね。」
父・輝代さんから学んだ「お客様の話をよく聞いて、妥協せず、一緒に解決策を見出す」という姿勢を軸に、現代の税理士として活躍する伊藤さんの姿が見て取れます。
また、個人や法人の、事業承継・創業支援には特に力を入れていて、事業計画の策定支援や実行支援等を行う経営革新等支援機関としての認定も東北財務局・東北経済産業局より受けています。「私自身も若手で、いずれは事業を承継し、今後自分の名前で起業することを目指しています。同じ立場の人には頑張ってもらいたいです。」最初の数年間が割安になる創業支援パックも準備しているそうです。

個人の方も気軽に相談してほしい

平成27年から相続税の制度が変わり、個人の方から、「相続のこと何も分からないけどどうしよう。」「うちは相続の対象になるの？」「生きているうちに対策した方がいいの？」という相談が増えているそうです。「どんな相談でも気軽にしてほしいですね。相続は、早めに現状を把握することで、節税対策はもちろん、本人の意思を叶えること、将来の問題点、二次相続（相続した人が死亡した時の相続）のことなど、広く対応できます。節税しながら動かせる金額には年間の上限があるので、着手が早いほうが、節税につながりやすいです。」
相続や贈与の相談があった時は、依頼主の方だけでなく、ご家族のみなさんに説明する機会を提案するそうです。「高齢で自宅から出られない」「親戚が多いので土日しか集まれない」といった要望に応えて、休日にご自宅にお伺いすることもあるそうです。
仕事熱心な伊藤さんですが、家では3人の子供たちのパパ。0歳、2歳、4歳の子供たちはやんちゃで目が離せないと言います。学生時代には全国大会にも出場した水泳を続けて、いつか子供たちと大会で一緒にリレーに出るのが夢だそうです。
「子供ができてからは特に、地域の方々に助けられていることを感じます。自分も税務を通して地域の方に恩返しをしたいですね。」
父・輝代さんから受け継いだ、お客様への誠実さと愛情をもとに、新たな税理士像を目指し常に学ぶ姿勢を忘れない伊藤さん。「税理士」と聞くと敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、小さなことでも気軽にお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

（取材日/2017年5月）

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