スレート屋根が劣化してきている 塗り替え張り替えか オークリッジカバー工法のすすめ
今回は、屋根の重ね葺きに関する実際の工事事例を詳しく解説します。
盛岡市で多く見られる瓦棒葺きの屋根が、劣化により葺き替えが必要な時期を迎えています。軒先の劣化が特に進行しており、強風によって屋根が飛ばされる可能性が増しています。瓦棒葺きの屋根で軒先が傷んでいると、これが大きな被害に繋がる危険性が高まります。
このカバー工法は、既存の瓦棒葺きを解体することなく、新しい屋根材をその上に重ねて葺く方法です。この工法により、コストを抑えつつも屋根の耐久性と安全性を確保することが可能です。
施工前の屋根状況
施工前の状態は、表面は錆びてボロボロの状態でした。塗装をしても、その後すぐに錆が発生しそうなくらい、材質が損なわれていました。
特に軒先が劣化しており、このままでは強風で飛ばされる心配もあります。
瓦棒葺きの屋根で軒先が傷んでいると、これが大きな被害に繋がる危険性が高まります。
瓦棒葺きが強風で剥がされた事例
軒先が劣化していると、台風など強風で剥がされることがあります。
写真を見ると分かりますが、屋根の先端から剥がされて、本体同士がくっついたままベリベリ剥がれています。屋根の軒先は非常に重要で、唐草が劣化してくると、瓦棒葺き本体が錆びてしっかりとつかむことができません。軒先がパカパカ浮いた状態になり、そこから強風が入りこんでしまいます。軒先から入り込んだ風が屋根全体を一気に剥がしてしまいます。写真の家は、2階屋根がすべて剥がされてしまっています。道路まで飛ばされなかったことが幸いですが、もしかしたら、隣の家や道路まで飛んでいったかもしれません。
瓦棒葺きは、長尺タイプになっています。軒先から棟まですべて繋がっているため、長い物で1枚で下から上まで葺いています。粘土などで作られた瓦屋根は、30センチくらいの小さな瓦を何枚も重ねているので、強風で剥がされたとしても、屋根全部が剥がされることはありません。1枚とか、数枚飛ばされる程度です。長尺タイプの鋼板屋根の方が、風の被害は受けやすく、被害が大きくなります。そして、瓦屋根は1枚とか10枚など、少ない数量で修理することができて、簡単に修理できるケースが多いです。
もし瓦棒葺きが写真のように剥がされた場合、飛ばされた屋根の解体撤去処分、新しく屋根を葺く工事代金、足場代など、かなり高額な工事代となります。近隣の住民や通行人に被害を与える可能性があるため、そのような事態は絶対に避けなければなりません。電線を壊したら電力会社への修理依頼も必要です。
そうならないためにも、屋根の点検はとても重要です。
粘土瓦、スレート、アスファルトシングルといった屋根材は、風による被害が板金屋根と比べて少なく、修復作業も効率的に行える特性があります。私の実務経験に基づくと、風で飛ばされたという理由での修理依頼は、瓦屋根に関しては極端に少ないです。また、発生した被害も通常は数枚の瓦を交換する程度で済むため、修理費用も抑制できるケースが多いです。盛岡市近郊は風がそこまで強くならない地域特性も影響しているかもしれませんが、瓦屋根は長尺タイプの屋根材よりも風に対するリスクは低いと思われます。
瓦棒葺きのカバー工法 工事の流れ
まずは雪止金具を取ります。
そして捨て唐草の交換
屋根本体は剥がさないですが、重要な部分の軒先とケラバ(屋根の縁)だけは丸のこでカットして、瓦棒葺き用の捨て唐草を取付けます。
下葺き材を張りながら、本体を並べていきます。
棟は掴んで組んでいきます。
黒い通し吊子を75mm90mmのビスで止めていきます。
そのあとにキャップを取付けます。
雪止め金具を付けます。
パラペット部分の外壁と笠木をガルバリウム鋼板で重ね張りします。
アンテナを付け直します。
工事完了後
屋根の一番上の棟の納め方はマニュアル書のない盛岡特有の納め方です。
瓦棒葺きカバー工法の棟キャップの納め方を動画で確認できます。
瓦棒葺きカバー工法のメリットと注意点
メリット
1.コスト削減: 既存の屋根を解体せずに新しい屋根材を重ねるため、解体費用や廃材処分費がかかりません。
2.時間短縮: 解体作業が不要なため、工事期間が短くなります。
3.安全性向上: 新しい屋根材は耐久性があり、特に軒先の劣化問題を解消できます。
4.環境への配慮: 既存の屋根材を再利用する形になるため、廃棄物が少なく環境に優しい。
注意点
1.重量増加: 既存の屋根に新しい材料を重ねるため、建物の構造によっては重量負荷が問題になる場合があります。
2.専門的な技術が必要: カバー工法は、専門的な技術と経験が必要です。適切な施工がされないと、後で大きな問題が発生する可能性があります。
3.見えない劣化:下に隠れた既存の屋根が確認できないです。
Q&A よくある質問
Q: どのような場合にこの工法がおすすめですか?
A: 既存の屋根が劣化しているが、全体的にはまだ使用できる状態の場合や、予算と時間が限られている場合に特におすすめです。下地の垂木が腐っている場合は施工できません。
Q: 工期はどのくらいかかりますか?
A: 瓦棒葺きのカバー工法は、足場の設置を含めて1週間くらいとなります。屋根の大きさや屋根形状により異なります。
Q:瓦棒葺き屋根で雨漏りが直らない。葺き替えた方が良いか?
A:状況を確認しないと分かりませんが、何度も雨漏りをしている場合、葺き替えまたはカバー工法をおすすめします。
Q: 葺き替えるのと重ねるとでは、どのくらい金額が違うのですか??
A: 全部葺き替えるよりカバー工法の場合15%程度コストを押さえられます。既存屋根の解体費と廃材処分費がなくなります。
Q: 新しい屋根はどのくらい持ちますか?
A:新しい屋根材はガルバリウム鋼板ですので、耐久性に優れています。昔のトタン屋根と違い、サビにくく耐久性があります。穴あき保証25年のガルバリウム鋼板を採用しています。錆びにくい鋼板になったので、沿岸地域でも採用事例が昔より増えています。
Q:見積りにはどのくらいかかりますか?
A:翌日から5日程度です。お見積り無料です。
Q:色は何色がありますか?
A:色のラインナップは多いです。黒・茶色・ネイビー・グリーン・シルバー・オレンジ・レンガ色・白などです。
Q: カバー工法は雪止めは付けれるの?
A: 瓦棒葺きのカバー工法も、専用の雪止金具があります。L型アングルを通すことのできる雪止金具もあります。高耐食鋼板製とステンレス製がります。
Q:軒天がボロボロになっている。なぜですか?
瓦棒葺き屋根の家で、よく軒天がボロボロになっています。これは、屋根の先端から吸い上げた水が、破風板金の内側を巻いて軒天に流れているケースと、スガ漏れやどこからか流れてきた水が、破風板金に流れているケースがあります。どちらにせよ、軒天がボロボロになっている場合、屋根に原因があります場合が多いです。専門家による調査が必要です。
まとめ
瓦棒葺きカバー工法は、コスト効率と耐久性を兼ね備えた優れた屋根リフォーム方法です。しかし、その成功は適切な施工と定期的なメンテナンスにかかっています。当社は地元密着型で、盛岡市の気象条件や建物の特性に精通しています。私たちの専門家チームが、あなたの屋根を長持ちさせ、安全性を高める最適な解決策を提供します。
何よりも、私たちはお客様との信頼関係を最優先に考えています。定期的な点検とメンテナンスにより、未然に防げる被害を防ぎ、将来的な高額な修理費用を削減します。安心と信頼の屋根リフォームは、私たちにお任せください。
ご相談・お見積り無料
宜しくお願いします。
屋根葺き替えカバー工法の施工事例
瀧澤屋根工業ホームページ