土間コンクリートの工事は、実はものすごく難しいんです

「砂利のままでいいか、コンクリートにするか、ずっと迷ってるんです」
これ、現場でほんとうによく聞かれます。家を建てたばかりの人も、何年も砂利で使ってきた人も、同じところで迷っています。
先に言っておくと、どっちが正解ということはありません。家の使い方や、お金のかけ方で答えは変わります。今日は、毎日コンクリートをさわっている立場から、それぞれのいいところとよくないところを、できるだけそのまま書いてみます。
目次
まず、砂利とコンクリートのちがい
砂利(じゃり)は、小さい石を地面に敷いたものです。土の上にそのまま広げることもあれば、下に防草シート(草が生えにくくなるシート)を敷いてから広げることもあります。
コンクリートは、セメントと砂と石と水をまぜたものを流して、平らにならして固めたものです。駐車場に使うものは「土間(どま)コンクリート」と呼ぶことが多いです。
ざっくり言うと、砂利は「あとから変えやすい」、コンクリートは「一度つくると長く使える」。ここが一番大きなちがいだと思います。
砂利のいいところ
- 最初にかかるお金が少ない
- 工事が早く終わる
- 水が下にしみこむので、水たまりができにくい場所もある
- 人が歩くと音がするので、防犯にちょっと役立つ
- あとでコンクリートにしたくなったら、そこから変えられる
砂利のよくないところ
- タイヤで石がはねて、車に小さな傷がつくことがある
- 石がへこんだり、まわりに散らばったりする
- 時間がたつと、すき間から草が出てくる
- 雪かきがしにくい(スコップに石がまざる)
- ベビーカーや車いす、キャリーケースが進みにくい
コンクリートのいいところ
- 平らで、歩きやすく車もとめやすい
- 草がほぼ生えない
- 雪かきがしやすい
- 掃除がラク。ほうきで掃けば終わり
- 見た目がすっきりする
コンクリートのよくないところ
- 最初のお金は砂利より多くかかる
- 固まるまで何日か車をのせられない
- 一度つくると、やり直しが大変
- 下手につくると、水たまりやヒビの原因になる
岩手で考えると、ちょっと話が変わる
ここからが、岩手で外構をやっている人間としての話です。
岩手の冬は長いです。花巻や北上あたりでも、朝は地面がカチカチに凍ります。この「凍る」と「とける」をくり返すのが、駐車場にはけっこうきびしいんです。
砂利の駐車場だと、雪かきのたびに石がスコップにのって、春になると砂利がだいぶ減っています。気がつくと、雪を捨てたところに石の山ができている。そんなお家をたくさん見てきました。
それと、雪どけの時期。砂利の下が土だと、水を吸ってぐちゃっとやわらかくなります。そこに車が出入りすると、わだち(タイヤのあとのへこみ)ができて、またそこに水がたまる。毎年これのくり返しです。
コンクリートなら、雪かきのスコップがスーッと進みます。毎朝の雪かきを考えると、ここは大きいと思います。
ただ、コンクリートも何でもいいわけではありません。岩手の冬で傷みにくくするには、下地(したじ。コンクリートの下に敷く砕石の層)をしっかり固めること、水が流れるようにわずかな傾きをつけることが大事です。ここを手を抜くと、冬を何回かこしたあたりでヒビが出てきます。
どっちにするか、決めるときに考えてほしいこと
迷っている人には、いつも次のことを聞いています。
1. この家にあと何年住むつもりか 長く住むなら、コンクリートのほうが手間はへります
2. 冬、雪かきをするのはだれか 年をとってからの雪かきを考えると、平らな面はラクです
3. 車は何台、どんな車か 大きい車や台数が多いと、砂利はへこみやすいです
4. 今、使えるお金はどのくらいか 無理してまでコンクリートにする必要はありません
5. 草取りがどれだけいやか ここ、意外と決め手になる人が多いです
全部じゃなくていいんです。一部だけコンクリートにする、というやり方もあります。たとえば、タイヤがのる2本の帯だけコンクリートにして、あいだを砂利にする。車をとめる場所だけコンクリートにして、まわりは砂利のまま。こういう「半分ずつ」も、ちゃんと考えればきれいに仕上がります。
うちが砂利でもコンクリートでも気をつけていること
うちは自社の職人が直接工事をします。下請けに丸投げはしません。だから、見えないところにも目が届きます。
砂利でもコンクリートでも、一番大事なのは「下」だと思っています。
砂利なら、敷く前に地面をならして、転圧(てんあつ。機械でたたいて地面をかたくすること)をします。ここをやらないと、すぐに石が土にしずんで、へこみだらけになります。
コンクリートなら、もっと手間をかけます。砕石を入れて転圧して、水が流れる傾きを決めて、それから流す。流したあとは時間との勝負で、気温によって固まる早さがかわるので、空と相談しながらコテでならしていきます。
コンクリートは一発勝負です。固まってしまえば、もう直せません。だから流す前の準備で、仕上がりはほぼ決まると思っています。
よく聞かれること
Q. 今ある砂利の上に、そのままコンクリートを打てますか?
そのままは、おすすめしません。砂利の厚さや下の土の状態を見て、必要なら掘ってから下地をつくり直します。現地を見ればすぐ分かります。
Q. 砂利からコンクリートにすると、工事は何日くらい?
広さや天気によってかわります。固まるまで車がのせられない日もあるので、見積もりのときに目安をお伝えしています。
Q. あとから一部だけコンクリートにできますか?
できます。最初に全部やらなくても、少しずつ広げていく人もいます。
こういうこと、よくあるんです
真ん中からぱっくり割れたコンクリートの駐車場。はがしてみると、下にほとんど砕石が入っていなくて、土の上にいきなりコンクリートがのっていた。外構の仕事をしていると、こういう話はめずらしくありません。そりゃ割れるよな、と思います。
見た目だけなら、できた日はどっちもきれいです。差が出るのは、何年かたってから。現場は正直だなと、こういう話を聞くたびに感じます。
よくある失敗
砂利でもコンクリートでも、あとから「こうしておけばよかった」と言われることはだいたい決まっています。
- 砂利を薄く敷いただけで、1年もたたずに土が見えてきた
- 防草シートを入れずに砂利を敷いて、草取りが毎年続いている
- コンクリートの傾きが足りず、雨のあとにいつも同じ場所に水がたまる
- 目地(めじ。ヒビを決まった場所に逃がすための切れ目)がなくて、変なところから割れた
- 車の出入りを考えずに範囲を決めて、タイヤが砂利の部分にはみ出す
- 雪を寄せる場所を考えていなくて、冬になって困った
最後のは、岩手ならではだと思います。駐車場を考えるときは、夏の使いやすさだけじゃなく、「冬、雪をどこに寄せるか」まで一緒に考えておくと、あとがだいぶラクになります。
それと、玄関までの通り道。車からおりて玄関まで歩くところが砂利だと、冬は雪と石がまざって歩きにくいです。駐車場は砂利のままでも、玄関までの通り道だけコンクリートにする、という人もいます。
最後に
砂利がダメ、コンクリートがいい、という話ではありません。
今は砂利で、何年かしてお金に余裕ができたらコンクリート。それでも全然いいと思います。大事なのは、自分の家に合ったやり方を、ちゃんと分かったうえで選ぶことです。
「うちの駐車場だとどうなる?」と思ったら、写真を送ってもらうだけでも話はできます。見積もりと現地を見に行くのは無料なので、迷っているうちに一度のぞきに行かせてください。
大翔興業 刈田文也


