建物が小さいと、なぜ坪単価が上がる?
今回は、皆さんにぜひ注意してもらいたい冬の基礎工事についてお話しいたします。
基礎といえば、コンクリートですが、一言でコンクリートと言っても、実はいろいろで、例えばコンクリート強度もいろいろ。強度の低いものから高いものまで数種類あります。使用する箇所、部位によって使い分けられるのですが、外気温によってもコンクリート強度を使い分けます。外気温が低いほど、コンクリート強度を強いもので施工します。強度の強いコンクリートは、寒さに強いと思ってください。ただ、それにも限界があります。例えば、盛岡の場合でいうと、おおよそ11月中旬くらい(もちろん、その時の気温にもよりますが)からは、強度を強くしただけのコンクリートでは、寒さに耐えられないことになっており、この寒い時期に施工するコンクリートを「寒中コンクリート」と呼んでいます。なんだか寒中水泳みたいですね^^;
寒中コンクリートとは、コンクリートが凍結する恐れのある期間に施工されるコンクリートのことで、日本建築学会において、しっかりとした施工指針にもなっています。つまり、コンクリートにとって「非常に危険な時期のコンクリート」なのです。
コンクリートは、固まる前に凍結または、凍結融解を繰り返し受けると、コンクリート強度の進展が阻害され、予想された強度をはるかに下回る、もろいコンクリートになってしまうのです。コンクリートが固まるまでの間、ジェットヒーターで暖めるなどの対策をし、しっかりとした施工計画と技術的知識がなければできない工事なのです。
皆さんに分かっていただきたいのは、寒い時期のコンクリートの難しさと、その危険性。できる限り、寒い時期はコンクリート工事(住宅の場合は基礎工事)は避けたほうが良いです。
冬場に、あたり前のようにコンクリート工事をしている現場を見かけますが、その度に不安を感じます。しかも、寒中コンクリートとして施工をしていないものがあまりにも多く、驚きます。寒中コンクリートはお金もかかりますし、工期も長くなりますから、施工業者の立場でみると避けたいのかもしれませんが、信じられない限りです。
もし、寒い時期に基礎工事をすることになったのであれば、必ず施工会社にコンクリート対策を聞いてください。「コンクリート強度を上げているので大丈夫です」と言うかもしれません(「温度補正しています」と言うこともあります)それは、先にも述べたように、本当に寒い時期では全く意味がありません。それは、だまされています・・・。もしくは、寒中コンクリートのことを全く知らない施工会社です
業者選びの際には、ぜひ、冬場の施工能力、知識を気にしてください。
たとえ、冬場の工事を考えていないとしても、「冬の場合、工事は大丈夫でしょうか?」と聞いてみると良いと思います。その時に、簡単に「大丈夫!」と言われたら、ちょっと疑いの目を持つことも必要かもしれません。冬の工事の難しさを知っている会社であれば、冬場の問題点、注意点をしっかり話してくれるはずです。思い切って「寒中コンクリートで施工するんですか?」と聞いてみても良いと思います。それに対する返事で、施工会社の技量、技術が分かると思います。
地盤調査は義務化されたので、地盤について心配することは、だいぶ無くなったと思いますが、いくら地盤が良くても基礎がしっかりしていなければ意味がありません。
基礎を大事にしない施工会社が、しっかりした家をつくれるはずがありませんよね。一生で一度の大きな買い物です。失敗しないようにしてくださいね。