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はじめに
インプラント手術って何を指すの？
「インプラント手術」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか？一般的には、歯を失った顎の骨にインプラント（人工歯根）を埋め込む手術（インプラント埋入手術）のことを指します。
しかし、一言でインプラント手術といっても、その術式にはいくつかのバリエーションがあります。大きく分けると、以下の2つの方法があります。
通常のインプラント埋入術（通法）： 歯のない歯槽骨にインプラントを埋め込む一般的な方法。
抜歯即時埋入術： 歯を抜くのと同時にインプラントを埋め込む方法。
さらに、インプラントを安全かつ確実に埋入するために、骨を補う手術を同時に行う場合や、事前に骨を増やす手術を行う場合もあります。これら骨を補う手術（GBRなど）を含めて、広義では「インプラント手術」と呼ぶこともあります。
なぜインプラント手術の費用は変わるの？
カギは「骨」の状態
インプラント治療の費用を見て、「なぜ部位によって値段が違うのだろう？」と疑問に感じる方もいるかもしれません。この費用が変わる大きな理由の一つが、「骨を盛り足す手術（GBR）」が必要かどうかです。
インプラントは顎の骨にしっかりと固定されることで機能します。しかし、症例によってはインプラントを受け入れるための骨が少なかったり、そもそも足りなかったりすることがあります。このままでは安全にインプラントを埋入することができません。
そこで必要となるのが、GBR（Guided Bone Regeneration：骨再生誘導法）と呼ばれる、骨を盛り足す手術です。
骨を盛り足す手術（GBR）が必要な場合： GBRの手術費用が加算されるため、全体の費用が高くなります。
骨を盛り足す手術（GBR）が不要な場合： 通常のインプラント埋入のみとなり、比較的費用を抑えられます。
GBRが必要かどうかは、CTなどの詳しいレントゲン撮影を行い、顎の骨の状態を詳細に確認することで判断されます。
「腫れない・痛くない」は本当？
手術の実際と不安解消のヒント
手術の様子がわからない不安を解消するには
「インプラント手術は怖いけど、腫れない・痛くないっていう人もいる。それって本当なの？」といった疑問や不安をお持ちの方も多いでしょう。
歯科手術は、患者さんご自身がリアルタイムで手術の様子を直接見ることはできません。当院では手術の記録を動画や写真で残していますが、患者さんが治療中に自分の口の中の様子を見るのは難しいのが現実です。
このような不安を解消するためには、以下の情報が役に立ちます。
手術計画（シミュレーション）： インプラント埋入前にCTなどで詳細な「手術計画」を立てます。これにより、どこにどのようにインプラントを埋入するのかを事前に把握できます。
実例の照覧： 実際のインプラント手術の記録動画や症例資料などを事前に見ていただくことで、手術へのイメージを具体化し、ご自身のインプラント手術を予想する助けになります。
手術の流れと当日の注意点
インプラント埋入手術は、一般的に局所麻酔の下で行われ、歯肉の切開、インプラント床の形成、インプラントの埋入、そして縫合といった一連の流れで進みます。途中で中断することは少ないため、手術当日は体調をしっかりと整えて臨むことが重要です。
ただし、多くは局所麻酔下で実施するため、患者さんの状況を確認しながら、適宜休息を取りつつ進めることができますのでご安心ください。
術後の「痛み・腫れ」の真実
「痛くもかゆくもないです！血もほとんどでませんよ」といった説明を聞くことがあるかもしれません。しかし、これは主観的な要素が強く、正確な表現とは言えません。
一般的には、術後の様子として、腫れや痛み、出血が完全に収まった状態を見ることが多いですが、実際には術直後には出血も腫れも痛みもある場合があることを理解しておく必要があります。
「インプラント手術ってどうなっちゃうの？仕事には行けるのかな？食事はできるかな？」とご心配になるのは当然のことです。そのような時こそ、主観的な説明に惑わされず、実例の資料（術後の経過写真や動画など）を見て、現実的な術後経過を把握することが、不安の解消につながります。
