心臓手術前に「歯医者さんへ行って」と言われたら?知っておきたい歯科治療と心臓病の関係
「糖尿病」って言葉、聞いたことありますか? これは、体の血糖値(血液中の砂糖の量)が高くなりすぎちゃう病気のことです 。2017年には、日本で3,284万人以上の人がこの病気になっているか、その可能性があると言われています 。
参考図書:有病者歯科治療ハンドブック(デンタルダイヤモンド社)/部分著者 鈴木正敏 著
糖尿病ってどんな病気?
私たちの体には、「インスリン」という大事なホルモンがあります 。インスリンは、食べたものからできる「ブドウ糖(砂糖)」を、エネルギーとして体に蓄えるお手伝いをしています 。でも、糖尿病になると、このインスリンがうまく働かなくなって、血液の中にブドウ糖があふれちゃいます 。
血糖値が高い状態が続くと、体のあちこちの血管が傷つきやすくなります 。それが原因で、腎臓の病気、目の病気、神経の病気など、色々な困ったことが起こってしまいます 。
こんな症状があったら要注意!
- 口がすごく乾く
- たくさん水を飲む
- おしっこがたくさん出る
- 体重が減る
- 手足がしびれたり、痛んだりする
- なんだか体がだるい
- 目が見えにくい
- 傷が治りにくい
歯医者さんに行くとき、どんなことに気をつけたらいいの?
糖尿病の方は、歯周病になりやすかったり、虫歯が増えやすかったりすることがあります 。だから、歯医者さんでのケアもとっても大事なんです。
1. いつもの歯の治療は大丈夫?
血糖値がきちんとコントロールされている(血糖値が安定している)方なら、ふつうの歯の治療は問題なく受けられます 。
ただ、血糖値が高いままだと、歯ぐきの血管が弱くなって、歯周病が悪くなりやすいです 。口が乾きやすいと虫歯も増えやすいので 、歯みがきの仕方をしっかり教えてもらいましょう!
2. お薬を飲んでいる人は要注意!
糖尿病のお薬(特にスルホニル尿素薬やインスリン注射など)を使っている方は、「低血糖」に気をつけてください 。低血糖とは、血糖値が下がりすぎちゃうことです。
低血糖のサインはこれ!
- お腹が空く
- 大きなあくびが出る
- 眠くなる
- 汗がたくさん出る
- 不安になる
- ドキドキする
- 心臓がバクバクする
もし治療中にこんな症状が出たら、すぐに歯医者さんに伝えましょう! 食事の時間と歯医者さんの時間が空きすぎないようにするのも大切です 。
3. 抜歯などの手術をする場合
歯を抜くなどの少し大きな治療をする場合は、歯医者さんがあなたのかかりつけのお医者さんに連絡をとって、糖尿病の詳しい状態を確認することがあります 。血糖値が安定していることが、合併症を防ぐためにとても大切なんです 。
糖尿病の方は、菌に感染しやすかったり、傷の治りが遅かったりすることもあるので 、治療の前にバイ菌を抑える薬(抗生物質)を飲んだり、治療の後もしっかり様子を見たりします 。
まとめ
糖尿病があっても、きちんと血糖値を管理して、歯医者さんと協力すれば、お口の健康はしっかり守れます! 心配なことがあれば、まずはかかりつけのお医者さんや歯医者さんに相談してくださいね。



