ウッドチップとバークチップの違いとは 使い方や性質について
ウッドチップは環境対策としても注目すべき素材です。今回はこの点について見てみましょう。
ヒートアイランド現象
暑い夏、道路に打ち水をすると涼しくなりますね。あれは道路に撒かれた水が蒸発する時、つまり「気化」する時、周りの熱を奪うからです。これを「気化熱」と言います。
この「気化」と「沸騰」は違います。水は100℃で沸騰し蒸発しますが、「気化」が水の表面で起こるのに対し、「沸騰」は水の内部からも蒸発が起こっている状態です。
なぜこんな話をするかというとヒートアイランド現象と気化熱はおおいに関係しているからです。
そしてウッドチップとも。
さて、ヒートアイランド現象は、都市部の気温が周辺に比べ高温になる現象です。
その理由の一つは「人工排熱」と呼ばれるものです。エアコンの室外機から出る熱や車の排気ガスの熱です。
とくにエアコンは夏には欠かせません。家庭でもオフィスでも使います。エアコンの室外機から出る排熱が気温を上昇させ、よりエアコンが必要になる、こうした悪循環がヒートアイランド現象を生む理由の一つとされています。
もう一つの理由は、都市部の地面を覆うコンクリートやアスファルトです。ここで問題になるのが「気化熱」です。
土の地面は内部に水分を蓄えています。言い換えれば、土の地面は保水性があるわけです。そのため気温が上昇すると土に含まれた水分が気化し、周囲の気温を下げる、あるいは、気温の上昇を抑えます。
しかし、コンクリートやアスファルトには保水性がありません。気化熱を利用して気温を下げることはできないわけです。蓄熱性も高く、熱を長時間、溜め込み熱帯夜の原因になります。
また、都市部では緑地が少なくなっていることや、多くの川が暗渠になっていることもヒートアイランド現象を招く原因とされています。
樹木は夏の暑い日差しを防いでくれますし、樹木と共に草花も蒸散作用によって気温の上昇を抑えてくれます。蒸散作用とは、根から吸い上げた水を葉から水蒸気にして出すことを言います。
また、川が暗渠になっていることは、水面からの水の蒸発(気化)が減少するということですから、これも気化熱によって気温を抑える機会が少なくなることになります。
つまり人工排熱と共に都市部に水気が少なくなっていること、これがヒートアイランド現象を招く大きな要因となっているわけです。
ウッドチップに期待される環境保全の役割
さて、ウッドチップは小さなチップ一つひとつが水分を含んでいます。つまり、保水性があり、
水分を蓄えています。ですから、コンクリートやアスファルトと違い、夏の強い日差しを浴びても、蓄えている水分が緩やかに蒸発(気化)することで温度の上昇を抑えることになります。
実際、夏の暑い時期でもウッドチップのドッグランは表面温度が低く、この点を利用した環境に対しての役割が期待されているのです。
公園の遊歩道などをウッドチップで舗装する試みもその一つです。スファルトの遊歩道ではなく、自然素材であり、また、気温抑制という機能を持ったウッドチップをどんどん使ってほしいと思います。
あるデータでは、暑い夏、ウッドチップの表面温度はアスファルトと比べると15℃以上低く、ほぼ芝生と同じくらいとなっています。
また、ウッドチップは森林保全について果たす役割も期待されています。
間伐材(かんばつざい)という言葉をご存知でしょうか。樹木が成長すると森の中が窮屈になります。そこで、きちんと育っている樹木の生育を助けたり、森の中に日光が入るよう適当な間隔で木を伐採します。伐採した木が間伐材です。
間伐によって、木々の生育は良くなりますし、また、森の中に日光が入ることで下草の生育が促され、動物たちがすみやすい環境を作ることになります。間伐は森の生育を健全に保つために欠かせないものなのです。
そして、ウッドチップの製造にはこの間伐材が多く用いられています。間伐材を使うウッドチップは森林保全に貢献しているということになるわけです。
岩手の夏も暑いのです
私たち「伊藤建設」は木を愛する会社です。会社は岩手県盛岡市にあります。
ヒートアイランド現象に悩まされる皆さんからは、「岩手県の夏は涼しいでしょ」と言われそうですが、岩手の夏もやっぱり暑いですね。4月に入社した新人大工さんもひと夏過ぎれば真っ黒に日焼けします。
私たちはご要望に応じてさまざまな家を建てます。ログハウスもお任せ下さい。
先年、岩手山が向こうに見える景色の良いところ(春子谷地というところです)にログハウスを建てさせて頂きました。7月末に現場にログ材を搬送し建て方を始めましたが、ヘルメットから汗がポタポタ流れ落ちます。木陰の涼しさには本当に助かりました。やはり、木はいいですね。
私たちのウッドチップは間伐材ではありませんが、木を愛する私たちがご提供するウッドチップ、ぜひ、お試し下さい。