ウッドチップの製造法と原材料の違いにおける注意点
ウッドチップは防虫対策にも使われます。その理由や防虫対策に使う際の注意点をお話ししたいとおもいます。
日本建築に使われてきたヒノキ、ヒバ、スギ
日本建築に使われてきた木の代表はヒノキ、ヒバ、スギです。いずれも美しい木ですが、美しさばかりではなく、寸法に狂いが生じにくいこと、湿気に強いこと、また、防虫効果があることも建材として使われてきた大きな理由です。
国宝の法隆寺はほとんどがヒノキで作られていますし、岩手県が誇る中尊寺金色堂に使われているのは青森ヒバです。虫に強いということは、防虫剤がなかった昔、建材にとって大切なことだったのです。
さて、ウッドチップには防虫効果があります。その秘密は香りにあります。ヒノキ、ヒバ、スギなどウッドチップに使われる木が持つ香り、その中に含まれる成分を虫が嫌うのです。
とくに青森ヒバは防虫効果が高いとされ、住まいの大敵シロアリ対策として床下に青森ヒバのチップ敷く方法を取っている工務店もありますし、天然ヒバから抽出した精油をシロアリ対策に用いている専門業者もあります。
防虫対策でウッドチップを使う上での注意点
防虫対策でウッドチップを使う際の注意点を見てみましょう。
(1)第1の注意点は「品質のよいものを使う」ということです。
「ウッドチップ」と言ってもさまざまです。木を単にチップにしただけでも「ウッドチップ」、つまり「Wood(木)」の「Chip(小片)」と言えないことはありません。しかし、どんな木を、どんなふうにチップにしたかが問題です。
国産・天然のヒノキ、ヒバ、スギを丁寧にチップにしたものをお選びください。とくにヒバは「ヒバ普請の家には3年蚊が入らない」と言われるほど防虫効果が高く、シロアリにも強い木です。
(2)場所と厚さ
愛犬のため庭にドッグランを作る時は日当たりのよい所を選びますね。防虫対策にウッドチップを使う場合も日当たりのよいところに敷くことをおすすめします。
日当たりが悪い場所にウッドチップを敷くと湿気など虫が好む環境を作りやすくなるからです。
また、ウッドチップをドッグランに用いる際、大型犬・中型犬には10cm程度の厚み、小型犬で5cm程度の厚みを持たせます。
犬たちの脚への負担を軽減するクッション性を保つためです。防虫対策のためウッドチップを用いる際はここまでの厚みは必要ありませんが、それでもある程度の厚みがあったほうがいいでしょう。
(3)メンテナンス
ウッドチップは地面に接した部分から徐々に分解が進んで土に還ります。これは「分解」であって、腐るということではありません。
ただ戸外の場合、永久に香りが続くとは言えません。ウッドチップの入れ替えなど定期的なメンテナンスを行ってください。
シロアリとウッドチップ
「ウッドチップはシロアリを招き寄せるのではないか」とお考えの方もいらっしゃるようです。そこで少しシロアリについてお話ししましょう。
シロアリの巣は地面の中にあります。これを「本巣」と言います。ここから出たシロアリが家の土台や柱などの木材を食べ、被害をもたらします。食べるのは木材の中の柔らかな部分です。
木材の中だけを食べて表面は残していくため、床下をちょっと覗いただけでは分からない、ということになるわけです。
さて、ウッドチップはもちろん木です。しかし、ウッドチップの大きさは3~4cm程度ですからシロアリがチップそのものに巣を作る可能性はありません。
また、シロアリは日光を嫌う性質があります。そのため地中から家に侵入する際は「蟻道(ぎどう)」と呼ばれるトンネル状の道を作ります。ほうきで少し払えば日に当たるウッドチップの堆積の中に巣を作るということも、やはりほとんど考えられません。
ウッドチップそのものがシロアリの発生源になる可能性はほとんどないと言えるでしょう。
万一、ウッドチップの下にシロアリを発見したとしたら、それはシロアリのエサとなるものがあったということでしょう。
ご心配であれば、まず防草シートを敷き、その上にウッドチップを敷く方法があります。
天然の木で作られたウッドチップ
私たち伊藤建設は木を愛する会社です。腕のいい職人たちが全力で良い家を作っています。ご自宅の計画段階でご依頼主から建材についてお訊ねがあると、やはり、ヒノキ、ヒバ、スギの名前をお答えすることになります。せっかくのご自宅がシロアリの被害に合われてはたまりません。
とくに青森ヒバはおすすめで、天然木を購入し当社で製材しています。私たちのウッドチップはその時に出る端材で作られたものなのです。しかも丁寧に作っています。
私たちは青森ヒバのほかに杉のウッドチップもご提供していますが、やはり国産・天然の原木を製材する過程で出る端材から丁寧に作っていますのでお試しになってください。