ウッドチップ下地は何が最適か 特長を生かしたおすすめの下地とは
ウッドチップはどのくらいもつのか、耐用年数や香りの持続性などについてお話ししましょう。
私たちのウッドチップ
ウッドチップは、ご承知のとおり、「Wood(木)」の「chip(小片)」です。原木と言っても、間伐材を砕いてウッドチップにしているところもありますし、私たちのように主材を部材にする過程で出る端材で作っているところもあります。
間伐材とは森に木が密集するのを防ぐために成長過程で間引いた木のことを言い、主材とは柱や梁などに使えるまで成長した木を言います。
私たち「伊藤建設」は木の家が大好きです。ヒノキ、スギ、青森ヒバなど吟味した木を使って家を建ててきました。たとえば青森ヒバの製材過程で美しい木目が現れる時、いつもわくわくします。そしてあの匂い立つ香りも魅力です。
しかし、原木から切り落とされた端材をどうしたらいいでしょう?
家の大きさにもよりますが、二階建ての家を建てるために200本を超える木を使うことも少なくありません。比例して端材の量も多くなります。端材とは言え、私たちが愛する木から出たものです。廃棄物として処理する気持ちにはなれません。
そこで、端材をウッドチップに加工し、ドッグラン、ガーデニング、あるいは雑草防止のお役に立てていただくことにしたのです。
ウッドチップの寿命
ウッドチップの寿命は、お使いになる場所によって違ってきますが、戸外でご使用の場合、1~2年ほどで地面に接している部分から徐々に土と一体化していきます。
チップの風合い、クッション性も変化していき、最後には分解され土に還ります。森の中で倒木や枯れ枝が土に還るのと同じですね。
森林にチップを散布しウッドチップの分解速度を測ったところ1年間に4~20%ずつ減少しいったという研究もあります。乾燥地より湿潤地の方が、分解速度が速いということです。
また、戸外に敷いたウッドチップは風に飛ばされることもあります。チップの風合いが変わったり、地肌が見えてきたりしたら、ウッドチップを補充しましょう。
公共の公園の遊歩道に使われるウッドチップも定期的に補充・入れ替えが行われています。
ウッドチップの香りはエッセンシャルオイル
ウッドチップの香りはどのくらいもつでしょう。これも木の種類や使用場所によって異なります。
近隣の家に囲まれた庭で使用した場合、5~6週間(2カ月程度)、室内の場合10~12週間(3カ月程度)程度は香り効果を期待できるとおもいます。
戸外の場合でも適宜にウッドチップ敷き足すことで香りを保ち、一定の効果を維持することができます。
ウッドチップの香りのもとは木が持つ精油です。精油と言うとなんだか難しそうですが、つまり、エッセンシャルオイルです。そして、この精油(エッセンシャルオイル)の成分によって香りが異なります。
たとえば、ヒノキは主にテルペン類、スギ材にはセスキテルペン類、青森ヒバはヒノキチオールが多いというように、香り成分の種類とその含有量が違っているわけです。そこで、それぞれの木が独自の香りを持つことになります。
木の香りは私たちに安らぎを与えてくれますが、同時に、木自身が害虫や細菌から身を守るために放つものです。
私たちが販売しているウッドチップのうち青森ヒバには、ヒノキチオールと「β-ドラブリン」という香り成分があります。いずれも強い抗菌作用がありますが、この2種類の成分を持つ木は日本では青森ヒバだけです。そのため「青森ヒバはシロアリに強く、シロアリを寄せつけない」と言われます。
私たちの青森ヒバのウッドチップをドッグランにご使用されているお客さまから、「ヒバの匂いが好きなようで体をチップにすりつけるしぐさをします」とご報告いただいたことがあります。
定期的な補充で香り効果を維持していただきたいとおもいます。
青森ヒバがウッドチップになるまで
私たちの青森ヒバのウッドチップがどのように作られるかお話ししましょう。
私たちの会社は岩手県盛岡市にあります。青森ヒバの原木を手に入れるためには、青森の原木販売市場まで出かけます。
小さな径の丸太は一山いくらで入札しますが、細いところでも直径50cmを超え、長さ2m~8mという大物になると一本ごとの入札になります。
青森で購入した青森ヒバの原木は、岩手県盛岡市の当社まで運ばれ当社で製材します。
原木をじっくりと見て、必要な部材をどのように取るかを決めます。これを「木取り」と言いますが、長年の経験と勘を要します。木取りの後、原木を製材の機械にかけるわけですが、その間にも微妙な調整を行いながら家を建てるための部材にしていきます。
私たちのウッドチップは、その時に出る端材なのです。本当にいい木の端材です。木を愛する私たちのウッドチップ、ぜひ、お試しいただきたいとおもいます。